書評☆4 ザ・ゴール 2 | トヨタ式「5回のなぜ」よりも強力な「現状問題構造ツリー」

概要

  • 書名: ザ・ゴール 2
  • 副題: 思考プロセス
  • 著者: エリヤフ・ゴールドラット
  • 出版日: 2002-02-21
  • 読了日: 2019-10-04 Fri
  • 評価: ☆4
  • パーマリンク: https://book.senooken.jp/post/2019/11/22/

評価

前作の「ザ・ゴール」が面白かったので,そのままの流れで続編の本著を読んだ。

本作は前作の10年後を舞台にしている。主人公のアレックス・ロゴは工場長から多角化事業グループ担当の副社長にに昇進しており,本作はこの多角化事業グループ所属の子会社売却3か月前という状況から話が始まる。
以前の部下だったボブとステーシー,新しく登場したピートが運営する3社の利益を劇的に改善し,売却の防止,または売却後もうまく主導権をもって運営できるようにすることを目標に,話が始まる。

前作で工場長から昇進して,他の工場のマネジメントなどに取り組むという途中で話が終わっていた。個人的には,この後をどううまくやるのかが気になっていたのだが,そこはすっとばされてしまっていて,残念だった。

本作では前作でTOCの手ほどきをしていたジョナは一切登場せず,彼の理論を学んだアレックスがあれこれ思考を張り巡らせて,問題の根本原因と解決策の特定・実行を繰り返すことがメインの話となっている。

書籍冒頭で,娘のシャロンとの深夜までのパーティー参加可否の交渉の時点で,既に面白かった。具体的な思考ツールである対立解消図の事例で,うまくお互いの問題を描画し,お互いがうまくやれるための方法を探していた。

その他,本書中盤で何回か登場する「現状問題構造ツリー」により,売却対象3社の問題分析,その他アレックスが所属するユニコ社全体の問題を洗い出して全ての根本原因を特定する仮定が描かれていた。

具体的にはUDE (UnDesirable Effect: 望ましくない結果) を列挙し,それらを論理的に結びつけながら全体の根本原因を特定していた。

頭をかなり使う作業で,実際にはこんなにうまくいくことばかりではないとは思いながら,問題解決の手法として悪くないと思った。

この方法はトヨタ生産方式で使われる「なぜを5回繰り返す」に似ているが,本書の方法のほうが効果的に感じた。元々,5回のなぜにはその効果に疑問を持っていた。本書の解説で書かれている通り,5回のなぜでは直線的な因果関係しか解明できない。2以上の複数の要因が複雑に絡み合った問題の場合,その性質上特定することができない。それどころか,数ある要因のたった一つにしかたどり着けない。

その点,本書の方法では考えられるUDE全てを上から下に平面的に下っていくため,全体の根本原因が明らかになる。その点,「5回のなぜ」に比べて強力な方法だと感じた。

引用

p. 14-21: 娘の深夜パーティーと対立解消図

本書の冒頭で,本書で繰り返し登場する対立解消図を使った問題解決が展開されていた。ここで書かれているような,娘が深夜までパーティーに参加したいが,親は認めたくないという構図は日常でもよくあるだろう。こうした問題に対して,お互いの要求とその理由を書き出し,それを見比べながら,お互いの問題を解消するための方法を議論してお互いの誤解・誤認を解消して問題の解決に取り組んでいた。

今回のように,お互いの問題点を描き出してそれを元に議論するというのはいい方法だと感じた。

p. 144-147: UDEと現状問題構造ツリー

ここではピートが運営する会社がうまく成功したので,残りの2社も同じ思考プロセスで成功するということをアレックスがその他の副社長に説明するために,「現状問題構造ツリー」による問題解決の思考プロセスをデモンストレーションしている。15個もの好ましくない結果を列挙し,それらを新しい主張を導き出しながら論理的につなげて,最終的な根本原因を特定していた。

本書中でも完成まで数時間以上はかかっており,かなり頭を使う作業になる。しかし,抱えている問題の根本原因や現状の問題の因果関係を整理する上で強力な手法のように感じた。

p. 178-181: マーケットのセグメント化

費用を書けずに短期的に売上を上げる方法論として,市場のセグメント化の話が展開されていた。同じ製品であっても,マーケットによって違う価値観が存在しており,それを踏まえると製品本体だけでなく周辺サービスも含めると価格をいろいろ変えることが可能になる。

しかし,この視点を逃すと,「新しい販売チャネル・製品は、既存の販売チャネル・製品の売上げ減につながる。」が発生する。ここから,「マーケティングとは、新しい策を打ち出すことではなく、マーケット・セグメンテーションのメリットを活かすことにある」という考えが導き出されていた。

同じ製品に対して,違う価値観があるというのが面白かった。

p. 260-263: 顧客への提案

ここまであれこれ問題を考えてₖ長柄出したソリューションを顧客に提案するところで,うまくいかない問題に遭遇した。この解決方法を秘書のドンが説明していた。これも対立解消図を使って説明していた。営業側が製品の利点をそのまま述べても,受けては疑いかかって聞くだけであまり効果はない。ポイントは,製品の説明から始めるのではなく,買い手側が抱える問題を指摘し,それを客の立場になって説明して客の信用を取り付けることだ。

営業の心得的な内容だった。

p. 367: 解説

本書で展開された問題解決の手法を一つ一つ取り出して,それぞれのポイントを解説していた。本書は小説仕立てで話が進んでおり,個別の手法についてはそこまできちんと説明があるわけではない。あとで振り返る際に,この解説がとても役に立つ。

また,ここでトヨタの「5回のなぜ」と本書の「現状問題構造ツリー」の比較もあり,興味深かった。

結論

前作の続きが気になって読んだ。10年後ということで,直後のマネジメントの話が読めなくて残念だった。

ただし,今回は副題の「思考プロセス」にある通り,頭を使った具体的な方法論が展開されている。

「対立解消図」のように,日常生活ですぐに取り入れられそうなものから,「現状問題構造ツリー」のように,時間はかかるがクリティカルな問題の特定に結びつくまで解説されていた。

主人公のように,組織のマネジメント担当者にとっては重要な手法であり,一般人でも使える部分はあると思った。

方法論として知っておいて損はない知識の得られる本だった。

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書評☆2 自分を最高値で売る方法 | 教育型ビジネス自体は悪くないが,肝心の他人に提供可能な技能の獲得方法・教材化の解説が一切ない!

概要

  • 書名: 自分を最高値で売る方法
  • 副題:
  • 著者: 小林 正弥
  • 出版日: 2018-08-11
  • 読了日: 2019-09-26 Thu
  • 評価: ☆2
  • パーマリンク: https://book.senooken.jp/post/2019/11/21/

評価

書名どおり,自分を最高値で売る方法を解説している。

書籍の内容の内,2/3程度が自分の方法がいかに優れているかを説くためのものであり,残りの1/3が肝心の手法の説明となっている。

自分を最高値で売る方法として,教育型ビジネスを提唱している。RIZAPのような,ある特定の自分が持っている知識を教育し,顧客自身の価値を高めるというものだ。

自分や自分の時間ではなく,うまく仕組みを作ってそれで高値を付けるというやりかた・考え方自体は,名著「はじめの一歩を踏み出そう」にもあるとおりで,異論はない。

しかし,この方法を実践する上で最大の問題であるサービス,つまり他人に提供可能な技能の獲得方法及びパッケージ化については一切説明がなかった

RIZAPのように,誰だって特定技能を確実に習得できるなら,お金を払うだろう。それに,そんな他人に教育可能な技能を持っているなら,いちいち誰かにいわれなくもそれを使った仕事などいくらでもできる。実際,インストラクターやトレーナー,教員のように,専門スキルを教育する仕事なんてたくさんあるし,教材ビジネスもたくさんある。

なぜ多くの人がしないかというと,そのような他人に提供可能な技能の獲得自体が困難だからだ。そして,その獲得した技能をいかに教材・サービスに落とし込むか,ここが最大の焦点となる。後のマーケティングはおまけみたいなもんだ。

冒頭からの2/3で散々本書には具体的な実践方法があるとうたっていたくせに,いざ記述箇所を眺めても,肝心のことが一切書いていない。誰もがお金を払っても欲しいと思うような技能・価値があるならば,後は活用方法だけでなんとでもなる。

一番お金になる部分はこのような安い本では提供できないということか。正直を読者を舐めているとすら感じた。

結論

書いてある事自体はそんなに間違っていないのだが,肝心の部分の説明がなくて,期待はずれだった。

よくある書名だけの意識高い系のビジネス本で終わってしまった。あまり読んでも参考になることはないと思う。

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書評☆3 トヨタで学んだ「紙1枚! 」にまとめる技術[超実践編] | 業務計画から叱られ対策まで!紙一枚の実践解説

概要

  • 書名: トヨタで学んだ「紙1枚! 」にまとめる技術[超実践編]
  • 副題:
  • 著者: 浅田すぐる
  • 出版日: 2016-01-05
  • 読了日: 2019-09-25 Wed
  • 評価: ☆3
  • パーマリンク: https://book.senooken.jp/post/2019/11/20/

評価

トヨタで学んだ「紙1枚! 」にまとめる技術」の続編で,前著で書かれた内容の実践方法について具体的に書かれた本となっている。

前著が基本的なところをメインに書いてあったが,本書でも基本は解説しながら,具体的な活用場面・実践事例を中心に展開されていた。

前著自体,そこまで自分にはピンとくるようなものでなかったので,その実践例の本書も残念ながら自分にはあまり響かなかった。

いろいろ実践例があるが,読みながらいちいち面倒くさいなと感じてしまった。

結論

書かれている内容自体は悪くなかったので,必要な人が読めば役に立つかもしれない。

ただ,自分にはこういう内容を読んでも,活用する場面やその効果を実感できる場面がないので,単にいろいろ面倒くさいなと感じてしまい,軽く読み流してしまった。

テクニック面はたまには役に立つのだけれど,テクニックではなく,もう少し実務的で効果的なところをやったほうがいいように感じた。

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書評☆3 トヨタで学んだ「紙1枚! 」にまとめる技術 | ブレスト+KJ法を紙1枚で実践

概要

  • 書名: トヨタで学んだ「紙1枚! 」にまとめる技術
  • 副題:
  • 著者: 浅田すぐる
  • 出版日: 2015-02-20
  • 読了日: 2019-09-25 Wed
  • 評価: ☆3
  • パーマリンク: https://book.senooken.jp/post/2019/11/19/

評価

SES企業に勤務しており,帰社日の行事でこの本の内容のワークショップを行い,若干興味を持ったので読んでみた。

トヨタ自動車でマーケティング部など文系職種を経験した著者による,トヨタ自動車で当たり前のように実践されている紙1枚でのアイデア整理術著者が改良して紹介している。

内容としては,著者が考案した9の手法の内の以下の2個にフォーカスしたものだった。

  1. エクセル1: ブレインストーミングの内容を紙1枚に縦横の線を入れて8-64くらいまでのマス目を作り,底に落としこむ。
  2. ロジック3: エクセル1の内容を念頭ベースに,P1Q3 (目的1,問い3)の形でまたマス目で整理していく。

やっている事自体は,ブレインストーミングとその内容をKJ法でまとめるというような感じで,特に画期的でも目新しいものでもないように感じた。

書かれている内容は,いかにもコンサルタントが好きそうな内容で,グループワークの時間つぶしにはもってこいだろう。

しかし,個人的には余りピンとこなかった。マス目を作ることで,無理やり埋めたくなるという心理を利用しているようだが,余計なアイデアが出てきたり,マス目に気を取られたり,思いつかなかったところのいいアイデアにたどり着けないなど,問題はあるように感じた。

結論

書かれている内容は悪くはない。しかし,自分にとってはありきたりで,特に目新しくもなかったので,そこまでピンとこなかった。

そもそも,このようなことが必要になるのは,そういうクリエイティブな仕事をしている人だけで,普段目の前の作業におわれているような下っ端にはあまり意味がないように感じた。

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書評☆1 サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい | 大企業中年勝ち組会社員向け個人M&A紹介本

概要

  • 書名: サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい
  • 副題: 人生100年時代の個人M&A入門
  • 著者: 三戸 政和
  • 出版日: 2018-04-19
  • 読了日: 2019-09-24 Tue
  • 評価: ☆1
  • パーマリンク: https://book.senooken.jp/post/2019/11/18/

評価

書名に惹かれて図書館で借りて読んだ。

内容は大まかに以下の3部構成だった。

  1. 起業・飲食店経営の失敗事例の紹介
  2. 中小企業のこけおろし・大企業社員の煽動
  3. M&Aの解説

まず最初の部で起業がいかに難しいか,飲食店経営の難しさを問いていた。

その次の部で,会社を買収するという話に絡めて,中小企業が大企業に比べていかに前近代的であり,大企業の会社員がいかに優秀であるかという内容が書いてあった。大企業会社員を煽動しているように感じた。

そして最後の4-5章でどういう会社を買収するのか,買収してどうするのかということがさらっと書いてあった。

どうやって300万円で会社を買うのかというところに興味があったのだけれど,具体的に300万円で会社を購入する話は一切なかった。

代わりに,5億円の会社の購入方法として,50:50で共同出資の買収話を持ちかけ,報酬として5年間で10 %ずつ株式の形で譲ってもらうという方法が書かれていた。

それくらいで,あまり現実的なイメージを持てなかった。肝心の買収の話は第5章の30ページくらいにしか書いていない。

正直序盤の100ページ程度は読んで意味なかったので,もっと買収の話を読みたかった。

また,書名にサラリーマンとあるが,ここで想定しているサラリーマンは大企業勤務の30-40代のいわゆる勝ち組会社員を念頭においており,世の中の大半のそれ以外の人のことは考えていないように感じた。

肝心の会社の買収だが,「M&A 案件」で検索すると数は多くないものの会社のウリの案件情報がインターネットで見れるらしい。具体的には,例えばストライクが運営するSMARTというサイトで探せるらしい。

結論

大企業会社員向けに中小企業買収を斡旋するような内容の本だった。

内容が思っていた以上に薄くて表面的で,はっきりいって参考にならなかった。書名にあるサラリーマンが300万円で会社を買えるだなんてとても実現不可能と感じるような内容だった。著者の想定読者から外れていたのも原因があるかもしれない。

Amazon.co.jpでもレビューが180件以上もついており若干期待していたのだが,期待はずれだった。

もう少し具体的で第三者が再現できるような内容のものを書いてほしかった。

「はじめに」でこの本の出版の経緯が書かれている。

本書は、講談社が運営するネットメディア「現代ビジネス」で公開した「60過ぎたら、退職金で会社を書いなさい」「世の中には500万円で買える会社がこんなにあった!」と題する一連の記事が、500万PVを超えるという大反響を受け、さらに深掘りした内容を説明するために発刊されることになりました。

ここにあるとおり,ネット上の記事がバズったので,それに乗じて一般論でページ数を稼いで無理やり書籍にしたのだろう。

正直,ネットの記事で十分だった。全然深堀りできておらず,わざわざ本にする意味がなかった。

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書評☆3 らくらく個人事業開業のすべてがわかる本 | 個人事業開業時の制度の活用テクニック指南

概要

  • 書名: <新版>らくらく個人事業開業のすべてがわかる本
  • 副題:
  • 著者: 東京シティ税理士事務所
  • 出版日: 2014-02-22
  • 読了日: 2019-08-30 Fri
  • 評価: ☆3
  • パーマリンク: https://book.senooken.jp/post/2019/11/15/

評価

税理士5名によりかかれた個人事業開業解説本だ。

本書の特徴は,効率よく実務を行うことに重点を置いているところだ。

事業成功のコツや資金繰りなどは一切触れず,著者の得意な事務手続きに特化した内容となっている。

その代わり,各種届出や制度の活用方法,お金のやり取りに関して実務に即した解説が書かれている。

例えば,領収書のない支払いの取扱,代金の受領を振込にして領収書の印紙税の節約,所得税で得する3の届け出などだ。

こういう細かなテクニックは別の本でいいかとも思ったが,一度読んでおくと参考になる部分が見つかると思う。ページ数は200ページだが,すらすら読めた。

ただし,本書だけでは個人事業開業の準備には不十分だろう。事務手続きの部分はいいのだが,それ以外にも社会保険など細々した部分がある。

そうした部分を補うためにも,「[新版 トコトンわかる 個人事業の始め方](https://book.senooken.jp/post/2019/11/05/)」のような総合的な解と併用したほうがいいと感じた。

引用

p. 54: 4 開業までの出費は区分と集計をしておいてください

この開業費は開業後5年以内であればいつでも好きなときに必要経費として処理することができるものです。

ですから、この繰延資産の活用が経営のポイントの一つになります。

創業年度に一括して経費にしてしまうと、売上より経費が多くなって赤字になってしまう可能性があります。よって開業後何年か経過して所得が大きくなり、より税率が高くなった時点 (最高税率50 %) で経費化するのが最も効率的で節税効果が大きい方法ではないでしょうか。

開業費の活用方法が参考になった。

結論

税理士が自分たちの得意分野に特化した解説を展開している。中途半端な事業成功のコツや資金繰りの解説がなかったのはよかった。

開業時の届け出の活用方法,制度の活用方法が書いてあり,素人からしたら参考になる部分があった。

こういう細かいテクニックは節税の別の本でいいかと思ったが,一度目を通す価値はあると感じた。

書評☆4 オールカラー 個人事業の始め方 | オールカラーイラスト・図解で個人事業開始を解説

概要

  • 書名: オールカラー 個人事業の始め方
  • 副題:
  • 著者: 中野 裕哲
  • 出版日: 2014-01-10
  • 読了日: 2019-08-29 Thu
  • 評価: ☆4
  • パーマリンク: https://book.senooken.jp/post/2019/11/14/

評価

個人事業開始解説本となっている。

個人事業開始解説本は既に6冊程度読んでいる。本書は以下の2冊と構成・内容がよく似ている。

「失敗しない個人事業の始め方」と比べると,本書のほうが内容が詳しい。例えば,開業時届け出書類のリストに差が出てくる。本書のほうが届け出書類の網羅性が高い。

しかし,「新版 トコトンわかる 個人事業の始め方」のほうが若干詳しいと感じた。

ただし,「新版 トコトンわかる 個人事業の始め方」はフルカラーではないので,その点では本書がよかったかもしれない。

内容は開業に関する資金繰り,事務手続き,運営,税務対策などが一通り書かれている。また,フッターに経営者の名言が掲載されていたり,遊び心に富んでいてよかった。

「新版 トコトンわかる 個人事業の始め方」と本書との比較では,内容はほとんどと同じなので,好みや入手のしやすさで選べば良いと思った。

これらのどちらか1冊あれば,開業の手続きはOKといって問題ないと思う。それくらい詳しい。

結論

フルカラーで図解をふんだんに用いて開業時の手続き類がまとまっていてよかった。開業本ではわかりやすくて網羅性もあるいい本だと思った。

内容的に「新版 トコトンわかる 個人事業の始め方」とかなりよく似ている。入手のしやすさ,書籍のレイアウトから気に入る方を選べば良いと思うが,特に理由がなければ,出版の新しい「新版 トコトンわかる 個人事業の始め方」がいいように感じた。

書評☆3 一番よくわかる個人事業の始め方 | 出版は古いが見開きの解説がまとまっていて悪くない

概要

  • 書名: 一番よくわかる個人事業の始め方
  • 副題:
  • 著者: 鈴木 克俊 and 塩畑 英明 and 奥山 学 and 吉澤 大
  • 出版日: 2008-12-15
  • 読了日: 2019-08-28 Wed
  • 評価: ☆3
  • パーマリンク: https://book.senooken.jp/post/2019/11/13/

評価

税理士4名により書かれた個人事業開始の解説本だ。

事業開始の事務手続き,資金繰り,開始後の経理処理,税金対策など個人事業開始で発生する事務処理に焦点をあてて解説してある。

よくある個人事業解説本と異なり,中途半端な事業成功のコツが書かれていない点が評価できる。

事務処理にフォーカスが当たっており,見開きで項目が解説されていてよかった。

引用

p. 88: 官公庁に提出するおもな届け出の種類

個人事業開始時に発生する届け出の一覧が掲載されていた。個人事業開始本ではこの一覧が微妙に足りていないものがあったりしたが,本書は完全に網羅できているように感じた。

結論

出版が2008年とやや古くて心配だったが,基本的に問題なかった。

中途半端に事業戦略のコツを書いている類書と比較して,事務処理に徹しているのがよかった。

ただし,やはり「新版 トコトンわかる 個人事業の始め方」のほうが,文量が多い分,詳しく,内容も新しいので,特に理由がなければこちらをあたったほうが良いと思う。

書評☆3 オールカラー 失敗しない個人事業の始め方 | 全編フルカラーの漫画で分かる個人事業開始の全般

概要

  • 書名: オールカラー 失敗しない個人事業の始め方
  • 副題:
  • 著者: 吉澤 大
  • 出版日: 2015-05-22
  • 読了日: 2019-08-27 Tue
  • 評価: ☆3
  • パーマリンク: https://book.senooken.jp/post/2019/11/12/

評価

個人事業の開業全般について,漫画を使って解説している。

資金繰り,事業計画,マーケティング,これに加えて事務手続きと経理など,全般を手短にまとめていた。

届け出は完全に網羅しきれておらず,微妙に説明の足りないところがあったりした。

ただ,情報の密度は高く,書籍が全編フルカラーで見やすく,個人事業開始の最初の1冊としては悪くはないと思った。

ただし,類書に「新版 トコトンわかる 個人事業の始め方」があり,こちらのほうがページ数が60ページ多い分,内容が細かく・多かった。本書はマーケティング周りの解説がやや入っており,内容も若干違うので,一概にどちらがいいとはいいきれない。

が,個人的には「新版 トコトンわかる 個人事業の始め方」のほうが,事務周りの情報が多くて有益だった。

結論

フルカラーで,漫画仕立てで個人事業全般が解説されており,わかりやすくてよかった。

最初の一冊としては悪くなかった。ただし,届け出書類など事務的なところで不十分なところがあるので,そこがおしい。これ1冊で完璧というのがなかなかなくてもどかしい。

事務的なところの網羅性を取るなら,「新版 トコトンわかる 個人事業の始め方」をお薦めする。

書評☆2 個人事業のはじめ方がすぐわかる本 ’19~’20年版 | 社会保険労務士兼FPに書かれており,書類の記入例だけ参考になる

概要

  • 書名: 個人事業のはじめ方がすぐわかる本 ’19~’20年版
  • 副題:
  • 著者: ヒューマン・プライム
  • 出版日: 2019-07-20
  • 読了日: 2019-08-26 Mon
  • 評価: ☆2
  • パーマリンク: https://book.senooken.jp/post/2019/11/11/

評価

第2章〜第3章のみ参考になった。

社会保険労務士兼FPの2名の女性により書かれた。

FPだけあって,ライフプランニングなどいかにもFPっぽいことが書かれていた。しかし,著者2名はあくまで社会保険労務士兼FPであり,実際に企業の経験があるわけではないだろう。

後半はいろいろ事業計画の立て方などを解説してあるが,あまり現実味を感じなかった。

それどころか,事業に必要な請求書などの書類などについて書かれておらず,中途半端に感じた。

あくまで,届け出書類だけ参考にする本だと思った。

引用

p. 47: [医療保険の手続き] 退職後の選択肢は3つある

国民健康保険と任意継続では保険料の計算が異なるので,事前に確認しておきましょう。給付面ではあまり差がありません。

とりあえず保険料を比較して安いほうに加入することをおすすめします。

退職後の保険としては,国民健康保険と任意継続がある。そこの比較があり参考になった。

結論

社会保険労務士兼FPの2名の女性に書かれただけあり,自分たちの得意分野だけ役に立ちそうだった。具体的には開業時書類がかかれた第三章だ。他の章はあまり参考にならないかなと感じた。

全体的にわかりやすいレイアウトだっただけに,中身が伴っていなくて残念だった。

新版 トコトンわかる 個人事業の始め方」のほうが網羅性,文量的にも有益だった。