概要
Raspberry Piを搭載したロボット (アールティ社のRaspberry Pi Mouse: ラズパイマウス) を題材に,Linuxで動くロボットのプログラミングを解説している。
日経Linux 2015年6月-11月号での連載と2016年1月-9月号の連載を大幅にROS化して再構築したものとなっている。
まず,書名にROSとある。これはRobot Operation Systemのことだ。Real-time OSを期待していたので,若干肩透かしを食らってしまった。
内容としては,ラズパイマウスをプログラミングで動かす方法を解説している。特徴は,導入部分でGitHubによるコード管理,やTravisCIによる自動テスト,ウェブアプリを作ってのスマホからの操作など,幅広い内容を扱っているところだ。
ただし,全体的に高度な内容を扱っており,ロボット開発に対する高い興味がなければ,難しいと感じた。まず,ラズパイマウス自体が約5万円であり,比較的高価だ。そして,プログラミングはPythonをメインに扱っている。
大学の教材として活用されることを意識しており,全13章で1章1コマ+書籍外の内容2コマで大学講義の15回の授業を念頭においているとのこと。
個人的には,合間に書かれているOSS界隈の話が面白かった。
結論
Raspberry Pi Mouseを使ったロボット開発の入門を指南している。全体的に,難易度やハードルが高めだったので,ロボット開発に対する高い意欲のある人にとっては,よい本だと思う。そうでなければ,ついていくのが厳しいと感じた。
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