書評☆3: Web API マッシュアップブック | 情報が古いものの多数のWeb APIの利用手順を掲載

概要

  • 書名: Web API マッシュアップブック
  • 副題:
  • 著者: 関 正秀 and 加藤 貴之 and まえだ ひさこ
  • 出版日: 2006-10-31
  • 読了日: 2020-01-24 Fri
  • 評価: ☆3
  • URL: https://book.senooken.jp/post/2020/01/28/

評価

Web APIについて勉強していて読んだ1冊だ。

当時の既存Web APIとその利用手順を多数紹介し,それらを組み合わせたマッシュアップサイトの作成方法を解説している。

扱っているWeb APIは以下の7種類程度と数が多い。

  1. Amazon Webサービス
  2. Google AJAX Search API
  3. Google Maps API
  4. Yahoo! JAPN Webサービス
  5. Flickr API
  6. YouTube API
  7. はてなウェブサービス

簡単なアクセス方法とパラメーターの説明をそれぞれに対して行っている。サンプルコードはJavaScript, PHP, Perlを使っている。

第1章でWeb APIについて簡単に説明しているが,HTTPについての基礎を前提にしていた。RESTについても簡単にしか説明しておらず,別で知っておく必要がある。

また,最後の第4章では集大成として,紀行ブラウザを作成するのだが,これが少々難易度が高い。地図とブログを連動させるようなものなのだが,GISを使うということで,緯度経度の情報が必要であり,単純にシステムが少々複雑すぎて,自分には理解できなかった。

Web中級者に入るところの人が読むと役に立つかもしれない。

ただし,致命的なのは出版が2006年と15年も前であり,使われているAPIや情報が古くなりすぎてしまっているところだ。さすがにそれだけ経てば,紹介されているWeb APIも更新されていて,現在の内容が通用しないだろう。

現在はデータ受け渡しにはJSONが主流だが,当時はXMLが主流であり,その前提で解説がある。現在の内容で更新されていたら評価が位置段階上がっていた。

結論

多数のWeb APIの利用手順と,それらを組み合わせたマッシュアップサイトの作り方まで解説していた。

HTTPやREST,プログラミング言語の基礎を前提としており,Web技術者2年目くらいに読むと役に立ちそうだった。

致命的なのは,情報が2006年と古すぎるのが残念だ。最新の情報だったら評価が1段階上がっていた。

書評☆3: Software Design 2018年3月号 | Web APIの利用と開発の特集は取っ掛かりに悪くない

概要

  • 書名: Software Design 2018年3月号
  • 副題:
  • 著者: 技術評論社
  • 出版日: 2018-03-18
  • 読了日: 2020-01-19 Sun
  • 評価: ☆3
  • URL: https://book.senooken.jp/post/2020/01/21/

評価

Web APIについて勉強しており,今号はWeb APIの特集があったため興味を持って読んだ。他にはKubernetesやGPUサーバーでのディープラーニング,ARKitとUnityで作るiPhone ARアプリ集中特講などが掲載されていた。

肝心のWeb APIの特集はp. 18-62の約40ページに渡り掲載されている。以下の4章構成になっていた。

  1. GitHub APIの使用
  2. 暗号通貨APIの開発
  3. TwilioのAPIの使用
  4. エンタープライズでのAPI利用例

肝心の内容だが,1のGitHub APIを活用したもののみ自分の知識で理解できた。残りは少々レベルが高くてあまり理解できなかった。

残念だったのは3のTwilioを使った記事だ。そもそもTwilioが有料のAPIであり,トライアル期間があったとしても使うハードルが少々高い。著者の宣伝を兼ねていると思うが,こうした読者に不利な例を出さないでほしいと感じた。

1のGitHub APIの記事はWebブラウザーで選択文字列をGistに保存するブックマークレットの開発を通してAPIになれるという内容だった。JavaScriptを使ったもので,ブックマークレットにするとブラウザーの拡張機能の用に使えるのでいいなと思った。

APIを使う上で調査が必要な内容,利用の手順などが書いてあり勉強になった。

引用

1のGitHub APIを使ったサンプルコードがJSFiddleで公開されている。この他,最後のブックマークレットに変換するサービスとして「WDF – Software: ブックマークレット作成スクリプト」が紹介されていた。

結論

Web API特集を目当てに読んだ号だった。

肝心の特集は少々自分には難易度が高い内容が多く,最初の章だけ参考になりそうだった。しかし,この部分だけでもAPI利用時の流れや実際の使用例が解説されており,勉強になった。

Web APIの利用を学ぶ本はなかなかないので,少しずつ学んでいきたい。

書評☆2: 新着雑誌記事速報から始めてみよう | Google AJAX Feed APIを使ったRSS APIを活用した図書館サービスの紹介

概要

  • 書名: 新着雑誌記事速報から始めてみよう
  • 副題: RSS・APIを活用した図書館サービス
  • 著者: 牧野 雄二 and 川嶋 斉
  • 出版日: 2012-12-10
  • 読了日: 2020-01-19 Sun
  • 評価: ☆2
  • URL: https://book.senooken.jp/post/2020/01/20/

評価

Web APIの使い方を学ぶための調査中に読んだ1冊だ。

図書館職員である著者が作成したRSS APIを活用した図書館サービスを紹介している。

Google AJAX Feed APIをJavaScriptを使って単一HTMLで完結するRSSサービスのサンプルを元に,中身を書き換えて使ってみようという内容だった。

こちらの目的と内容が少々あっていなかった。こちらはGETとかPOSTとかを使って,APIにアクセスしていろいろそのデータを組み立ててサービスをつくるような内容を期待していた。

しかし,こちらはJavaScriptのライブラリーを使ってちょこちょこっとサンプルを修正する感じであった。

その内容も技術的なところは簡単に解説していてやや物足りなかった。

またGoogle AJAX Feed APIは終了しており,そのままでは動作しない。

結論

Web APIの学習資料を探していて少し期待していた。

しかし,こちらが期待しているような内容ではなく,想定読者も図書館職員のような感じだったので,少々的はずれだった。

年間報告: 2019年 | 150冊から選んだ5冊

2020年になったので2019年の読書状況を振り返り,2019年の5冊を取り上げたい。

2019年の読了本とその書評は以下のURLで確認できる。

状況

読了日から眺めるにだいたい以下の流れで本を読んでいっていた。

  1. IoT関係の本
  2. 協力関係の本
  3. IT契約・人材派遣の本
  4. フリーランス・独立開業の本
  5. Mastodon関係の本

昨年に続いて年初は,今後はIoTが流行になるだろうと思い,次はIoTの仕事を取りたいなと感じてIoT関係の本を10冊ほど読んでいた。しかし,IoTをやるよりも他にWeb関係とか一般的なITの知識を身につけたほうがいいと感じ,IoTの勉強は休止した。

その後,2018年年末から年始にかけてIoTのハッカソンに参加した。自分がリーダーを引き受けることになったのだが,メンバーの協力をほとんど得られなかった。また,当時の所属企業の同僚ともあまり協力関係を築けず,悩んでいた。そこで協力関係に関する本を10冊ほど読み漁っていた。

2019年の半ばまではSESの企業に勤務していたのだが,勤務形態や会社のやり方に疑問を持つようになった。そこで,IT契約やSESの実態である人材派遣に関する本を20冊ほど読み漁った。

給与交渉が決裂し,退職することを考え出した夏場後半からフリーランスや独立開業の本を20冊ほど読み漁った。

またこれらとは別でMastodonの本の書評を本として出したいと個人的に考えており,年初から年末の10月頃にかけてMastodonに関する本を15冊ほど読み漁った。

その他,技術書やビジネス書などを間に挟んで150冊という冊数の読了となった。

月に15冊のペースで読んでいる月が半年ほどあり,書評作成で土日が終わるようになってしまったため,年末からは読書のペースを落とした。だいたい月に10冊程度が適量ではないかと感じた。

5冊

2019年に読んだ150冊の内から特によかった5冊は良かった順に以下となる。

  1. 人を助けるとはどういうことか――本当の「協力関係」をつくる7つの原則
  2. ザ・ゴール 2 ― 思考プロセス
  3. 魔法のように片づく!見つかる!超ファイルの技術
  4. 新版 トコトンわかる 個人事業の始め方
  5. 多様な派遣形態とみなし雇用の法律実務

詳細は上記にリンクを貼った個別の書評をご覧いただくとして,簡単に何がよかったかを紹介したい。

人を助けるとはどういうことか――本当の「協力関係」をつくる7つの原則


書評: 書評☆4 人を助けるとはどういうことか | 支援関係の失敗の原因はワン・アップとワン・ダウンの不均衡の放置 – senooken.jp

協力関係を構築するための原則が書かれていた。人に道案内をしたり,仕事で作業する場合など,他人との協力プレイは日常茶飯事だ。しかし,コンサルタントなどでも失敗することもよくある。

そこで,本書では経営学の組織論の分野では伝説的存在である著者が長年の経験で導き出したコツが書かれている。

その本質は,支援関係で発生する「ワン・アップ」と「ワン・ダウン」の不公平の解消から始まる。

なんとなく,依頼を受ける側が立場が上になり,依頼者が下の立場になることをしばしば感じる。ここがそもそもの失敗の原因であり,これを解消し,必要な情報をお互いやり取りするためのコツとして,「謙虚な問いかけ」やプロセス・コンサルテーションという著者が推奨するコンサルタントの手法が紹介されていた。

この手の本は結局,リーダーや幹部などおえらいさんにならないと,そもそも実践できない手法が多いのだが,本書は違った。日常生活で適用可能なレベルの方法だったので,早速意識するようになった。

実際に,歯医者に訪問した際に,こちらの依頼内容と違う治療を始めた医者がいた。本書を読んだおかげで,なぜ失敗したのかという原因もわかった。つまり,質問やコミュニケーション不足にも関わらず,勝手な思い込みで治療を始めたからだ。

チームメイトや同僚,ご近所さんとの付き合いをうまくするのに役立つ本だった。

ザ・ゴール 2 ― 思考プロセス


書評: 書評☆4 ザ・ゴール 2 | トヨタ式「5回のなぜ」よりも強力な「現状問題構造ツリー」 – senooken.jp

続いて,かつて2000年頃に日本で一大ブームを沸き起こした「ザ・ゴール」のシリーズから「ザ・ゴール2」を紹介したい。2を紹介するということで,もちろんその前作の「ザ・ゴール」も読んでいる。

「ザ・ゴール」というシリーズは,経営の改善を小説仕立てで論じた異例の本だ。「ザ・ゴール」では潰れかけの工場の工場長である主人公が,著者に見立てた物理学者のかつての先生との思わずの再開から指導を受け,工場を立て直すというサクセスストーリーだ。

こちらは工場のボトルネックを解消するという視点で物語が進み,こちらはこちらで面白かった。ただし,あくまでボトルネックを解消するという,今となっては当たり前のことが書いてあるので,どちらかというと物語として面白かった。

今回取り上げるのはその続編の「ザ・ゴール2」だ。今度の物語は,前作の主人公が出世し,副社長として3社の子会社を立て直すという話だった。本書は「ザ・ゴール」シリーズの元となっている「制約の理論 (Theory Of Constrain: TOC)」の手法がふんだんに盛り込まれた内容だった。

既に,書籍冒頭の十数ページで読み込まれる内容があった。よくある親子喧嘩をうまく対処する方法が披露されていた。「対立解消図」という思考ツールを用い,お互いの言い分や望むことを紙に書き出し,どうすればお互いにうまくやれるかを探り,対応していた。既にこの時点で日常生活に取り込めると感じる手法の紹介があり,期待できる本だった。

この他にも本書中盤で何回か登場する「現状問題構造ツリー」により,抱える問題の全ての根本原因を特定する過程が描かれていた。これはUDE (UnDesirable Effect: 望ましくない結果) を列挙し,それらを論理的に結びつけながら全体の根本原因を特定する方法で,それなりに時間のかかる手法だ。

問題解決の方法としては,トヨタ生産方式で使われる「なぜを5回繰り返す」というものがある。こちらの方法は抱える問題の解決策の内1ルート導き出す直線的な解決方法だ。しかし,結局全部の問題を解決することは難しく,むしろ的外れな策になることもありえる。一方,本書で書かれていた「現状問題問題構造ツリー」は抱える問題を全てを描き出し,メッシュ状に張り巡らされた根本原因を特定できるため,直線ではなく平面的なアプローチができ,「なぜを5回繰り返す」も効果的に感じた。

特に,対立解消図は日常の意見の相違や対立でも活用できる。実際に2019年の年末年始に実家で今まで散々見てきた両親の喧嘩に対して対立解消図を適用してみた。すると,今まで誰も認識できていなかった喧嘩の根本原因を特定し,対策を打ち立てることができた。

1番目に紹介した「人を助けるとはどういうことか」でも書いたが,この手の自己啓発本は,おえらいさんしか実践できず,一般人には適用できないという手法が多い。しかし,本書も一般人が,仕事はもちろん日常生活のレベルで適用できる手法が解説されており,有益だった。

魔法のように片づく!見つかる!超ファイルの技術


書評: 書評☆4 魔法のように片づく!見つかる!超ファイルの技術 | 「超整理法」の押し出し式ファイリングを改良したWI式ファイリングシステムは書類整理に効果あり! – 巨本の山の上に立つ

3冊目は整理術に関する本だ。ライフハックや仕事効率化というテーマには以前から興味があって,ときどき読んでいる分野の本だ。書類の重ね順や並べ順について気になってGoogle検索をかけたらヒットして気になった借りたのが本書だった。

ファイリング術として有名で,書評は付けていないものの過去に読んだ野口による「「超」整理法 – 情報検索と発想の新システム (中公新書)」やその他の山根式の整理法など,数々の整理術を実践した著者による,既存の整理術の問題を解消した至高のファイリング術であるWI式ファイリングシステムを解説していた。

簡単に説明すると以下となる。

  1. 机の上のすぐに発生するような細々したものは野口式の押し出しファイリングシステムで使った順で机の上の本立ての封筒にしまう。
  2. 頻繁に使わないものは封筒に分類を書いたラベルを貼って棚にしまう

封筒を使ってラベルを貼ってしまうという手軽な方法で,あらゆる書類やCDの類をひとまとまりに整理できる

個人事業主になり,確定申告で書類をまとめる必要がでてきてのもあり,この手法を導入した。今まで扱いに困っていたものも同じ分類で封筒にまとめることができ,すっきりした。書類の管理で困っている人には是非実践していただきたい方法だ。

新版 トコトンわかる 個人事業の始め方


書評: 書評☆4 新版 トコトンわかる 個人事業の始め方 | 開業解説本の中では文量・網羅性が最も高く,万人にお薦めできる1冊 – senooken.jp

4冊目は個人事業開業に関する本だ。9月に給与交渉決裂のため所属企業を退職し,個人事業主として次のいい会社へ就職するまで働くことにした。

それで個人事業を始めるに必要な事務手続きなどを行う必要が発生した。何をすればいいのか全くわからず,いろいろ調べていたときに読んだ1冊だ。

個人事業開業に関する本はたくさん出ており,10冊くらいは目を通した。ただし,全体的に文量の少ない本が多く,情報の網羅性の欠けるものも多かった。

その中で本書は文量が類書の中で最も多く,内容も詳しかった。何度も改版されるだけのことはある手元に1冊はおいておきたい本だった。

多様な派遣形態とみなし雇用の法律実務


書評: 書評☆4 多様な派遣形態とみなし雇用の法律実務 | 豊富な判例・条文を掲載した派遣問題に必須な1冊 – senooken.jp

最後の5冊目は人材派遣に関する本だ。2019年9月まではSES企業に勤務しており,仕事の方針や客先常駐の仕事に対して疑問を持って調べていたときに読んだ1冊だ。

偽装請負や二重派遣など人材派遣に関しては怪しい話が多い。気をつけないとブラック企業に搾取されてしまう。ネット上にも情報はあるが,法令を参照していなかったり断片的で不正確情報しかないように感じた。

本書はこの分野の有識者が,法体制や経緯なぜ違法なのかの部分まで網羅的に書かれている。

人材派遣についての違法性について議論する場合の基本情報源として重要に感じた。値段が少々高いのだが,前作でも内容的には通じる部分が多い。人材派遣やSES企業に勤務する場合には,是非ともどちらかは読んでおきたいと思える本だった。

結論

2019年の読書を振り返り,特によかった5冊を紹介した。

退職,個人事業主の開始などで,あまりIT技術書の読了数は少なめな年になった。

2019年は読書や書評で休日に多くの時間が割かれてしまい,実作業がそこまで進まなかった。このことは過大であるので,2020年は読書の冊数を月10冊程度に絞り,量より質をこなし,実作業を進められるようにしたい。

書評☆3: ロウソクの科学 | ノーベル賞受賞者が子供時代に愛読したロウソクから始まる中学〜高校レベルの化学講義は化学への興味をくすぐる多数の実験録

概要

  • 書名: ロウソクの科学
  • 副題:
  • 著者: ファラデー
  • 出版日: 2012-06-25
  • 読了日: 2020-01-17 Fri
  • 評価: ☆3
  • URL: https://book.senooken.jp/post/2020/01/17/

評価

2019年のノーベル賞を受賞した吉野 彰氏が,インタビューで子供時代に愛読した本として回答して話題になり興味を持って読んだ。

本書は1861年末のクリスマス休暇に,ロンドンの王立研究所で催された連続6回の講演の記録となっている。身の回りで身近なロウソクが燃えるところから,化学を解説している。

ロウソクの原料から,燃焼,水,水素・酸素,空気,二酸化炭素,窒素,呼吸といったテーマを扱っている。中学から高校で学ぶような内容が数多くの実験と共に紹介されていた。

ファラデーは科学の分野で数多くの法則を見つけて科学史に名を残す偉大な科学者だ。解説を読んでこの講義の流れに納得した。ファラデーはもともと貧しい出身で,学ぶ機会に恵まれずめぐり合わせで科学者となった。そのため,知識よりも観察が先行し,目の前の現象から考えを張り巡らせるしかなかった。だから実験がメインとなっている。

昔の外国人の話を翻訳したものであるため,少々読むのがしんどかった。所々に実験器具の挿絵があるものの,そこまで量はなく,基本的に文章を読んで自分で想像が必要な部分が多く,読者への負担の大きい本だった。

今から読むのであれば,挫折しないように特に学生には本書を図解で解説した他の本 (例: 「ロウソクの科学 世界一の先生が教える超おもしろい理科」など) を強く推奨したい。

結論

ロウソクという身近な化学物質の現象からこの世界で普遍的な科学を学ぶ本だった。ノーベル賞受賞者が子供時代に愛読したとあるだけに,中身は化学的興味をくすぐるような実験や話が多かった。

ただし,もともとの本は今読むのは少々しんどいので,図解されている他書や口語訳に翻訳された本をあたることを強く推奨したい。

書評☆2: 多動力 | ホリエモンの原液を薄めて作られた本

概要

  • 書名: 多動力
  • 副題:
  • 著者: 堀江 貴文
  • 出版日: 2019-04-10
  • 読了日: 2019-01-15 Wed
  • 評価: ☆2
  • URL: https://book.senooken.jp/post/2020/01/15/

評価

2017-05に出版された同書の文庫本版となっている。巻末に編集者の箕輪厚介による解説がある以外はおそらく同じものだろう。

比較的最近に読んだ「バカとつき合うな」などでこの本がすごいヒットしたと言及されていて興味を持って読んだ。

この本の経緯は,解説にある通り,高城剛が「イーロン・マスクは次から次へと意識がちってしまい,ボタンもとめられない。しかし,そういう次から次に新しいことをやってしまう多動力がこれからの自体は求められる」というツイートが発端となっている。

この多動力を編集者の箕輪厚介の身近の実践者として堀江貴文 (ホリエモン) が抜擢されて本になった。

肝心の内容はホリエモンが普段考えていることや実践していることが書かれているだけだった。他のホリエモンの本や「ゼロ」読めば分かるようなホリエモンらしいことが書いてあるだけだった。

一言でいえば,「身の回りの自分がワクワクするようなことに全力で取り組め」ということだ。特に目新しいことはなかった。

語り口調で200ページ程度で書かれており,内容も小難しいことはなかったのですらすら読み終わってしまった。

結論

いわゆるホリエモンの本だった。ここ何年かで一番のヒット作でマンガやら映画にまで展開されていて少々期待していたのだが,期待はずれだった。

ホリエモンの普段の行動や他の本に書かれている内容のエッセンスを表現を変えて書かれているだけで,特に目新しいことはなかった。

本書の第5章に書かれている通り,ホリエモンの本は原液を薄めて,展開しているだけなんだと感じた。

これ以上ホリエモンのビジネスやモチベーションに関する本を読んでも特に得られるものはなさそうに感じたので,よりピンポイントな内容の本以外は読むのを控えようと感じた。

書評☆3: ゼロ | ホリエモンの半生が綴られた貴重なエッセイを読んで感じたのは,やはり「人生は環境ゲー」

概要

  • 書名: ゼロ
  • 副題: なにもない自分に小さなイチを足していく
  • 著者: 堀江 貴文
  • 出版日: 2013-10-31
  • 読了日: 2019-12-24 Tue
  • 評価: ☆3
  • URL: https://book.senooken.jp/post/2019/12/28/

評価

電車内広告で目についたことから読んだ「バカと付き合うな」で堀江 貴文 (ホリエモン) に興味を持った。その中で,本書はホリエモン自身の半生について書かれている貴重な本だ。彼の考え方の根本的なところを知るのに参考になるだろうと思い読んだ。

本書の前半が生い立ちから起業するところまで,後半が働くことに対する考えが書かれていた。起業後の話は書かれていないことに注意する。起業後の話は別のたくさんの本で書いているらしい。

内容は期待した通り,ホリエモンの生い立ちから後にいろんな本でちらついてみえる合理主義的な考え方,氏への恐怖,自信家なところのルーツが書かれており,なるほどと思った。

ただ,読んで思ったところは,やはり人生は環境ゲーだということだ。つまり,周りの環境,周りの人間の影響を大きく受けるということだ。本書を読んで,ホリエモンはいわゆる毒親を持っており,あまり恵まれない家庭環境だと知った。

昔の情報不足の時代で数少ない情報源だった図鑑を読んだり生まれ持った才能により小学校の成績がよく,そのことについて小学校3年生の担任に入塾・私立中学の進学を薦められて人生が大きく変わったようにみえた。後は周りの人間やそこで出会ったアルバイトやパソコンとの出会いを通じて今に至った。

自分で身の回りの環境をできるだけコントロールして,うまく自分の目標に進めるようにコントロールする必要があると感じた。

その他,いつもは強気なホリエモンだが,本書内では過去にモテなかったり,女性との会話に自身がなかった話など,自身のコンプレックスやあまり触れたくないだろう弱みの部分,努力の話などが書いてあった。他の本では書かないだろうという内容で,珍しかった。

引用

p. 28: いまこそ「働くこと」を考えたい

人が新しい一歩を踏み出そうとするとき、次へのステップに進もうとするとき、そのスタートラインにおいては、誰もが等しくゼロなのだ。

つまり、「掛け算の答え」を求めているあなたはいま、「ゼロ」なのである。

そしてゼロになにを掛けたところで、ゼロのままだ。物事の出発点は「掛け算」ではなく、必ず「足し算」でなければならない。まずはゼロとしての自分に、小さなイチを足す。小さく地道な一歩を踏み出す。ほんとうの成功とは、そこからはじまるのだ。

本書の副題にもなっている「小さなイチを足していく」の由来となっている文言が冒頭に書かれていた。本文内にも2-3回このことについて書かれている。たしかにそうだと思った。

p. 122: お金なら自由になる働き方

お金を「もらう」だけの仕事を、お金を「稼ぐ」仕事に買えていこう。

儲けるために働くのではなく、お金から自由になるために働こう。

なぜ働くのかという問へのホリエモンの答えがこれだと感じた。たしかに受け身で与えられるものとして考えているよりも,自分から積極的に考えていかないとダメだろう。

p. 152: 積み重ねた「イチ」の先に見えてくるもの

仕事や人生においてラクをすること。それは、掛け算を使うということだ。

5+5で10の成果を出すのではなく、5×5で25の成果を出す。

同じ時間、同じ労力を使いながら、より大きな結果を残していく。僕がメディアに登場するようになって以来、繰り返し訴えてきた「掛け算によるショートカット」だ。

しかし、これまでの僕はショートカットの有効性を強調するあまり、その前提にあるはずの「足し算」の部分について、ほとんど語ってこなかった。

人は誰しもゼロの状態からスタートする。

そしてゼロの自分にいくら掛け算をしても、出てくる答えはゼロのままだ。

副題の「小さなイチを足していく」の説明が個々にもあった。この後,モテないオタク男子を例に「掛け算によるショートカット」 (恋愛テクニック) を身に着けてもモテないことを引き合いに出して参考になった。

p. 199: 働くことは自由へのパスポート

責任が発生しないうちは、ほんとうの意味での自由も得られないのだ。無邪気に見える子どもたちは、圧倒的に不自由なのだ。


僕の結論はこうだ。

自由と責任は、必ずセットになっている。

責任を自分で背負うからこそ、自由でいられるのだ。


そして僕にとっての自由を手に入れる手段とは、とにかく働くことだった。

働くことで経済的に自立し、精神的にも自立し、ちゃんと自分で責任をとれる土台をつくる。そうすれば、すべてを選ぶのは自分になるのだ。

p. 206: 消えることのなかった死への恐怖

もしあなたがポジティブになりたいというのなら、やるべきことはシンプルである。うじうじ悩んでいないで、働けばいい。


あらゆる時間を思考と行動で埋め尽くしていけば、ネガティブな思いが入り込む余地はなくなるのである。

バカと付き合うな」など他の本でも言及されている死への恐怖について書かれていた。

その後半の死への恐怖への対処方法が参考になった。

結論

何かと世間で目立つ存在だったホリエモンの半生や,考え方のルーツが書かれており,参考になった。とはいうものの,やはりホリエモンはホリエモンで自分は自分だ。ホリエモンのやり方や考え方がそのまま自分にもあっているとも限らない。

ただし,やはり人生は身の回りの環境に強く影響を受けるという印象を持った。自分で身の回りの人間や環境をコントロールしていきたいと強く感じた。

書評☆4: [改訂第3版]Jenkins実践入門 | ハイテクチームで必須の定番CIソフトを網羅的に解説した唯一の本

概要

  • 書名: [改訂第3版]Jenkins実践入門
  • 副題: ビルド・テスト・デプロイを自動化する技術
  • 著者: 佐藤 聖規 and 和田 貴久 and 新井 雄介 and 米沢 弘樹 and 山岸 啓 and 岩成 祐樹
  • 出版日: 2017-05-24
  • 読了日: 2019-12-18 Wed
  • 評価: ☆4
  • URL: https://book.senooken.jp/post/2019/12/18/

評価

一流ハイテクチームで当たり前のように使われているCIの代表的なソフトであるJenkinsについて解説している。

Jenkinsの使い方について1冊まるごと書かれている本は本書が唯一であり,Jenkinsについて学ぶ上では外すすことができない本だろう。

書籍の構成は以下のとおりとなっていた。

  1. JenkinsとCIの説明
  2. Jenkinsのインストール・設定
  3. ビルドの自動化
  4. 開発環境の準備
  5. ビルド以外のテスト,カバレッジ,インスペクションなどの自動化など

Java製のサンプルプロジェクトを題材に,Jenkinsによる自動化の第一歩として,ビルドの自動化から始まり,徐々にテストやカバレッジなどビルド以外にも自動化するとよい作業を追加で設定していくという手順をとっていた。

それぞれの段階で必要なツールの簡単な使い方から設定方法が書かれており参考になった。

また,応用的な使い方としてPipelineやJenkinsのプラグイン開発についても言及があり,Jenkinsについて全体を知る上で必要な情報が網羅されていた。

引用

p. 26: 1.3.2 Jenkinsの歴史

JenkinsはもともとHudsonという名前で開発されており,開発元のSun Microsystems社のOracleへの買収などをきっかけに2010年にJenkinsに改名となった。Jenkinsの歴史がまとめられておりわかりやすかった。

p. 66: Column GitからJenkinsビルドをトリガーする

Gitの「ポストコミットフックスクリプト」からJenkinsのビルドを開始する方法が書かれていた。この方法でコミット時にビルドさせると,masterへのマージ時にビルドエラーやコーディング規約などのチェックもできていいなと思った。

p. 299: Column Xvfb PluginによるXvfbでのSeleniumの実行

GUI環境がインストールされていなかったり,画面の接続されていないLinuxマシン上で画面を表示する方法が解説されていた。

Jenkinsとは関係ないが,丁度VNCでモニターの接続されていないLinuxマシンで画面解像度を変更する方法を探しており,Xvfbで実現可能なことがわかり参考になった。

p. 314: Column Infrastracture as CodeではじめるインフラCI

なお、 Chefと Jenkinsを組み合わせたインフラ自動構築については本書の姉妹本である WEB+DB PRESS plusシリーズの『Chef実践入門―コードによるインフラ構成の自動化』に詳しく 書かれているので、興味があれば、 ぜひご一読ください。

インフラ自動構築についてはあまり興味なかったが,必要になったらここで引用されている本を読もうと思った。

p. 384: Column Continuous Deliveryとは?

Continuous Deliveryについて書籍『継続的デリバリー 信頼できるソフトウェアリリースのためのビルド・ テスト ・ デプロイメントの自動化』に詳しい記述があります。 Jenkinsは Continuous Deliveryを実現する上で中核となるソフトウェアです。 ぜひ Jenkinsでワンクリックデプロイにチャレンジしてみてください。

CIのさらに一歩進んだやり方としてCDについて参考書籍が紹介されていた。

結論

ハイテクチーム・企業で当たり前のように使われているCIの代表的なソフトであるJenkinsについて網羅的に解説されている本だった。

Jenkinsについてきちんと解説されている本は少なく,日本語では本書が唯一の本だろう。IT技術者としてレベルを高めるために必要なCIの技術について本書で学べる。

Jenkins認定試験の参考書にもなりえる本で,Jenkinsを学ぶ上で必須の本だろう。

内容自体も基本的なことから応用的なところまで,実例を交えながら解説されていた。題材はJavaの開発プロジェクトであったが,ビルドツールなどを他に置き換えることで,C/C++やJavaScriptのプロジェクトにも応用できると思った。

書評☆3: 簿記教科書 パブロフ流でみんな合格 日商簿記3級 テキスト&問題集 第4版 | 試験範囲を網羅しており,淡白だが無難な1冊

概要

  • 書名: 簿記教科書 パブロフ流でみんな合格 日商簿記3級 テキスト&問題集 第4版
  • 副題:
  • 著者: よせだ あつこ
  • 出版日: 2019-02-20
  • 読了日: 2019-11-01 Fri
  • 評価: ☆3
  • URL: https://book.senooken.jp/post/2019/12/16/

評価

日商簿記3級の対策テキスト&問題集となっている。

犬のパブロフとお兄さんとの4コマ漫画を交えながら簿記に必要な知識を解説している。

日商簿記3級の範囲をひとまず網羅しており,教材としては使えなくはない。問題は章ごとに章末に掲載されている。模擬試験問題などはないので,章の内容度理解に役立てる使い方になるだろう。

実際に,「簿記教科書 パブロフ流でみんな合格 日商簿記3級 テキスト&問題集 第4版」と「改訂版 マンガでやさしくわかる日商簿記3級」を併用して,東京・日本商工会議所の2019-11-17 Sunの第153回試験を受験して合格できた。

ただ,個人的にはややいまいちだった。その理由は以下の3点だ。

  1. 漫画が淡白。
  2. 決算整理の説明が不十分。
  3. 問題不足。

1点目の漫画が淡白なところは好みの問題もあるかもしれない。せっかく漫画を取り入れているのに,内容がただひたすら機械的に説明されている印象があって,読んでいてあまり面白みがなかった。

そして教材としては2点目がいまいちだった。日商簿記の試験では,決算整理時の仕訳がけっこう重要だ。しかし,本書では個別の勘定科目の解説時に決算整理時の仕訳が書かれており,決算整理時の仕訳をまとめて確認できなかった。これが理解する上でけっこうやっかいで,この点は「改訂版 マンガでやさしくわかる日商簿記3級」でカバーした。

3点目の問題不足だが,付属している問題はあくまで内容理解のものだった。もちろん試験対策にはなるが,量がけっこう多く,実際の過去問題集に即してはいなさそうだった。やはり,別で問題集を入手して勉強したほうが効率的にに感じた。

結論

人気のシリーズのようで,実際悪くはないと感じた。

ただ,漫画のテイストや内容がやや自分には合わなかった。次回2級受験時の教材を選ぶときは他を当たるだろう。ただし,PDFで販売されているのは本書のシリーズくらいしかないので,急いでいるときはまた買うかもしれない。

TACや大原のような専門学校の出版物を当たるのがよいのかもしれない。

書評☆3: 改訂版 マンガでやさしくわかる日商簿記3級 | 試験範囲は網羅できているが解説とマンガの物語が消化不良

概要

  • 書名: 改訂版 マンガでやさしくわかる日商簿記3級
  • 副題:
  • 著者: 前田 信弘 and 絶牙
  • 出版日: 2016-04-10
  • 読了日: 2019-11-01 Fri
  • 評価: ☆3
  • URL: https://book.senooken.jp/post/2019/12/15/

評価

日商簿記検定試験3級の解説本となっている。

本書の特徴は,マンガ仕立てで試験範囲を解説しており,比較的気軽に学べるところだろう。

実際に,本書と簿記教科書 パブロフ流でみんな合格 日商簿記3級 テキスト&問題集 第4版を併用して,東京・日本商工会議所の2019-11-17 Sunの第153回試験を受験して合格できた。

内容は試験範囲全体を扱えてはいる。決算整理のところなどはよかったのだが,試験でウェイトの高い試算表の解説がやや物足りなく感じた。

その他,マンガの物語が,中途半端なところで終わってしまった感があり,なんだかもやもやした。

Google Playの電子書籍で割引券を使って安く購入できたので,2017年か2018年のお正月に購入した。Google Playの電子書籍は表示がもたつきいまいちだった。

本書だけでは試験対策としては不十分であり,問題演習や,他書が欲しく感じた。

結論

日商簿記3級のマンガ仕立ての教材となっていた。マンガで解説されており,比較的気軽に学ぶことはできた。

しかし,Google Playの電子書籍の扱いや,内容自体がややいまいちな感じがあり,試験対策としては不十分に感じた。

かといって,簿記教科書 パブロフ流でみんな合格 日商簿記3級 テキスト&問題集 第4版もややいまいちだったので,何か他によい教材に巡りあえればよかったなと試験が終わってから感じた。

なお,2019-02-28に改訂2版が出版されている。

こちらで改善されていることを願う。