書評☆3: Webアプリケーション構築入門(第2版) | 青山学院大学の教科書をもとにしたWebアプリケーションの基礎本

概要

  • 書名: Webアプリケーション構築入門(第2版)
  • 副題: 実践! Webページ制作からマッシュアップまで
  • 著者: 矢吹 太朗
  • 出版日: 2011-04-20
  • 読了日: 2020-03-03 Tue
  • 評価: ☆3
  • URL: https://book.senooken.jp/post/2020/03/10/

評価

Web APIについて勉強しているときに読んだ本の1冊だ。

青山学院大学理工学部情報テクノロジー学科3年次演習科目「情報テクノロジー実験Ⅰ」の教科書を元に作られたWebアプリケーションの基礎と実践的なシステム構築スキルの養成を目標とされている。

内容は,HTML, JavaScript, MySQL, Java, PHPを使ったWebアプリケーション開発となっている。

Twitter APIやGoogle Maps APIなどを使った例もあり,200ページの薄い内容に詰め込まれている。ところどころ発展的な内容はその分説明が省略されている。

中途半端にJavaを使わずにPHPで通せばよかったのではないかと思った。2011年出版で使われているソフトのバージョンは古くなってしまったが,内容自体は今でも有効に感じた。

Webアプリケーション開発の最初の1冊として使うのにはありに感じた。

結論

Webアプリケーションの基礎と実践的なシステム構築スキルの養成が目標なだけあり,Webアプリケーション開発に必要な全体的な内容が書かれている。

200ページの厚さによくこれだけコンパクトに詰め込んだなとやや感心した。同じ内容でバージョンを新しくしたものがあれば,今でもWebアプリケーション開発の入門としていい本になるだろうと思った。

Web APIについて調べていて読んだが,Web APIの解説はそこまで無いため,あくまでWebアプリケーション開発の入門書として参考にするのがいい。

書評☆3: PHPエンジニアにおくるLaravel6予習入門 | 簡易ブログを作りながらの学習はよいが,全体の解説が欠けてわかりにくい

概要

  • 書名: PHPエンジニアにおくるLaravel6予習入門
  • 副題: バージョン 6.7 対応
  • 著者: 辛島 信芳
  • 出版日: 2019-12-22
  • 読了日: 2020-02-25 Tue
  • 評価: ☆3
  • //book.senooken.jp/post/2020/03/08/

評価

PHP Laravel 6について学んでいて読んだ1冊だ。

この本の特徴は,書籍全体を通して一つの簡易なブログを作るところだ。サンプルコードは「dream-developer/project-laravel6」で公開されている。

PHP 7.4, Laravel 6.7.0の環境での解説となっている。

第7章までがチュートリアルで,Laravelの機能説明がメインで,第8章からサンプルアプリの作成になるように思う。

Laravel をダウンロードしたところから実際に修正を加えながらアプリを開発するということで,勉強にはいいスタイルだった。

過去に,「速習 Laravel 6」を読んだが,こちらの本では具体的なサンプルを作りながら学ぶ感じになっておらず,イメージがつきにくく,しかも認証機能などの説明が不足していた。

その点では,実際にアプリを開発しながら認証機能ももれなく取り扱っており,悪くなかった。

ただ,いくつか悪いところもあった。

まず,全体の見通しの悪さだ。チュートリアルがどこまでで,どこから実装なのか,またどういうサンプルアプリを作るのかという全体の説明がなく,書籍の全体がつかみにくかった。

また内容もせいぜいLaravelの公式サイトのマニュアルの日本語訳+αという感じで,説明もやや物足りなく感じた。全体の説明がないまま進んでいるため,今何のために何をやっているのかわかりにくく,勉強資料としてはいまいちに感じた。

結論

Laravel 6でサンプルアプリを作りながら学ぶ本だった。

速習 Laravel 6」と比べると,実際にアプリを作りながら学ぶスタイルで,悪くなかった。

ただし,全体の解説がなく,書籍の構成や作業内容のイメージがつきにくく,チュートリアル部分の作業やサンプルの開発部分とがごちゃまぜになりそうで,正直使いやすくはなかった。

全体の説明を入れてやれば,ましになりそうだったので,もったいなかった。

書評☆3: ”ソーシャル”なサイト構築のためのWeb API コーディング | SNSに重点をおいたWeb APIのマッシュアップ解説

概要

  • 書名: ”ソーシャル”なサイト構築のためのWeb API コーディング
  • 副題: Twitter・Facebook・YouTube・Ustream
  • 著者: MdN編集部
  • 出版日: 2011-05-01
  • 読了日: 2020-02-20 Thu
  • 評価: ☆3
  • URL: https://book.senooken.jp/post/2020/03/05/

評価

Web APIについて調査中に読んだ1冊だ。

書名通り,ソーシャルなサイト構築をメインテーマにしており,TwitterやFacebook,TunblrなどSNS系のWebサービスをメインにAPIの解説と,実践例が書かれていた。

具体的には以下の7のWeb APIを主に取り扱っていた。

  1. Twitter API
  2. Facebook API
  3. YouTube API
  4. Ustream API
  5. Google Maps API
  6. Amazon Product Advertising API
  7. Flicker API

書籍の構成としては,前半で上記7のAPIの基本説明と簡易リファレンスガイドを掲載し,後半で前半で取り扱ったAPI+αでTumblrやPicasa,mixi, Twitpicなどを交えたマッシュアップの開発例を解説していた。

実践例は,以下の9項目だった。

  1. Facebookを利用したサイト内ブックマーク
  2. Twitter APIを利用したキャンペーン管理アプリ
  3. Google Mapsの大量マーカーをまとめる
  4. 特定の位置周辺のつぶやきを取得して表示する
  5. Tumblr, Facebook, Picasaを利用したソーシャルなトップページ
  6. Google Maps上にUstream映像を表示
  7. 「mixiでログイン」ボタンを設置してOpenIDで認証を行う
  8. 複数の場所にある情報を検索する
  9. Twitpicに投稿された画像を表示する

サンプルデータは [http://www.MdN.co.jp/di/book/6139/] で公開されている。

2011年出版であり,前半のAPI紹介はAPIのバージョンアップなどで通用しない可能性が高い。ただ,後半の実践例の部分はアイデアとその実装パターンが参考になった。

結論

SNSにやや重点をおいたWeb APIの解説書だった。

2011年出版とやや古く,前半のAPI解説は今ではあまり通用しない可能性が高い。

実際にマッシュアップを作る場合は,アイデアが重要になる。そういう意味で,後半の開発例はアイデアの貴重な資料だった。

書評☆3: Redmine超入門 増補改訂版 | 楽天でのRedmine導入秘話と便利機能紹介

概要

  • 書名: Redmine超入門 増補改訂版
  • 副題: ITの現場全員が使い助け合う 最強の無料プロマネツール
  • 著者: 飯田 治行 and 大澤 文孝 and 大和田 裕 and 小川 明彦 and 楠川 智久 and 阪井 誠 and 内藤 淳
  • 出版日: 2015-08-13
  • 読了日: 2020-02-22 Sat
  • 評価: ☆3
  • パーマリンク: https://book.senooken.jp/post/2020/03/03/

評価

Bug Tracking System (BTS) のRedmineの入門書となっている。

ソフトの紹介と導入企業の事例紹介として楽天社の話が掲載されていた。

その後は,インストール,使い方,プラグインや機能の紹介,業務での利用ケースの紹介などがあった。

「お役立ちプラグインBEST20」の紹介があり,Wikiの中でチケット一覧を表示する機能など,いくつか便利そうな機能を知れて参考になった。

その他,サーバー台帳や議事録の管理に使う事例が紹介されており,そんなふうにも使えるのかと参考になった。

結論

BTSのRedmineの紹介と使い方の紹介がされていた。

業務で使ったことがあるのだが,ユーザーとしてただ使うだけだった。ここに書かれているような,拡張機能や,台帳や議事録の管理にまで使うという発想はなかった。

Redmineを本格的に使う上では,軽く目を通しておくと参考になると思った。

書評☆4: PHP×WebサービスAPIコネクションズ | 26もの大量のWeb APIの紹介と考察はアイデアとして今でも有効

概要

  • 書名: PHP×WebサービスAPIコネクションズ
  • 副題:
  • 著者: 秋元 裕樹
  • 出版日: 2006-11-30
  • 読了日: 2020-02-19 Wed
  • 評価: ☆4
  • パーマリンク: https://book.senooken.jp/post/2020/03/01/

評価

Web APIについての調査中に読んだ1冊だ。

26ものWeb APIの紹介とPHP 5による使用例,そのWeb APIを使ったサイトや応用例の考察,さらにこれらのWeb APIを組み合わせたマッシュアップの実例を解説している。

全編PHP 5+PEARライブラリーという構成で実例は書かれている。

2006年出版でPHP5でのWeb APIの実例と,ここまでであれば過去に読んだ「Web API マッシュアップブック」と類似している。

ただし,情報の量と質が段違いだと感じた。例えば,Web API マッシュアップブックは7のWeb APIしか紹介していなかったが,本書は収録されているWeb APIは26と数が単純に多い。そして,その一つ一つにそのWeb APIを使ったサービスと応用例の考察がある。情報の量と質が違った。

26ものWeb APIに対して,使い方と実例コードを掲載しながら,利用サービス,応用例を考えるというのだけでも相当な労力がかかるだろう。おそらく,著者のブログ「秋元@サイボウズラボ・プログラマー・ブログ | akky’s work blog」でも公開されている内容や作業メモ,後述するProgrammable Webを参考にしたとは思う。それでもこの量を1冊の本にまとめたのはすごいと感じた。

個人的には,実際のWeb APIの利用サービスと応用例というアイデアの部分だけでも読む価値があると思った。Webサービスの価値は,最終的には技術というよりはアイデア勝負になるところが多いからだ。

そういう意味で,技術的なところは時間と共に古くなるが,アイデアの部分は古くならず,本書は未だに価値があると感じた。

引用

p. 13: COLUMN | WebサービスAPIの総合サイトProgrammable Web

Programmable WebというWebサービスAPIやその応用を収集・公開しているサイトを紹介していた。

このようなサイトを知らなかったので,参考になった。たぶん,本書の応用例のWebサービスや本書内で紹介しているWeb APIもここから持ってきているのではないかと思った。

結論

26ものWeb APIの紹介とその考察がまとめられた本だった。

実際にWeb APIを使ったマッシュアップの開発というのは,2020年の今でも未だに有効な方法だ。ただし,何をどう組み合わせるかというサービスの肝の考案が未だにネックになる。

2006年に出版されており,当時のWeb APIとPHP 5での解説のため,技術的にはあまり通用しない部分があるだろう。ただし,本書内で展開されたWeb APIの利用例と応用例の考察は,時間が経過しても色あせず,未だにアイデアの参考になると感じた。

古い本だが手元に保持しておきたいと思えるいい本だった。

書評☆3: ソーシャルアプリ入門 | ソシャゲー開発の概要

概要

  • 書名: ソーシャルアプリ入門
  • 副題: SNSプラットフォームビジネスの企画・開発・運営ガイド
  • 著者: 株式会社クスール and 株式会社dango and 株式会社クレイ and 株式会社マイクロアド and 富川 真也 and 新井 隆祥
  • 出版日: 2010-05-28
  • 読了日: 2020-02-18 Tue
  • 評価: ☆3
  • パーマリンク: https://book.senooken.jp/post/2020/02/27/

評価

メロメロパークというソーシャルゲームのFacebookアプリ版の開発チームに書かれたソーシャルアプリの概要を説明したものとなっている。

メロメロパーク自体は2005年5月23日に始まり,2012年9月末でサービスが終了した。

企画,制作,運営というフェーズごとに独立した視点で書かれている。

内容としては,制作部分の比重がやや多くなっている。スケールする構成や多言語対応,SNSプラットフォームごとの開発者登録などが書かれていた。

技術的なところはやや量が多かったものの,書名の入門通り,全体としては広く浅くソーシャルアプリ開発の概要を説明したものだった。

引用

p. 46: アプリなのかゲームなのか?

しかし今はトップ10の中の半数以上がゲームアプリという事態になっています。

ツール系アプリケーションは目的が明確なため、最初に多くのユーザーを獲得したアプリにユーザーが集まりやすく、定着したユーザーは他のツールに移らなくなる傾向があります。


その点ゲームはゲーム自体が必要な「要件 (クリアや攻略に必要な要件)」をのものを好きなように作り変えることができるため、他のゲームと同じかそれ以上のクオリティを出さなくても、それまでと全く別の「要件」を設定することで新しいアプリとしてユーザーが導入することが可能になります。

ソシャゲーが流行った理由がわかった。たしかにツール系アプリは目的もはっきりしており,ユーザーの移動がなくなる。

p. 47: ソーシャル性

SNSの仕組みには「ソーシャルグラフ」と呼ばれる自分を中心とした人間関係のデータベースが存在しています。


ソーシャルグラフでは1st=自分のフレンド、2nd=自分のフレンドのフレンド、3rd=他人とランク付けし1st〜3rdまでのユーザーが何をすべきなのか、という点が企画の重要な要素になります。

例えば、他人とゲームを遊ぶより自分のフレンドと一緒に遊んだほうが楽しいこともありますし、意図的に2ndのユーザーだけを掲示してフレンドへの導線を作って上げるアプリ、または限定的な趣味のユーザーのみを集めるアプリであれば3rdだけでも構いません。

ソーシャルゲーム,ソーシャルアプリの肝となる部分が解説されていた。

結論

ソーシャルアプリ入門として,企画,制作,運営の3フェイズが浅く広く説明されていた。

個人的には,企画の部分が一番重要だと思っており,そこを期待したのだが,そこまで深堀はされておらず,少々残念だった。

入門として外観を把握に役立った。

書評☆3: 初めてのGraphQL | 貴族のための効率的な最新Web API

概要

  • 書名: 初めてのGraphQL
  • 副題: Webサービスを作って学ぶ新世代API
  • 著者: Eve Porcello and Alex Banks
  • 出版日: 2019-11-11
  • 読了日: 2020-02-18 Tue
  • 評価: ☆3
  • URL: https://book.senooken.jp/post/2020/02/25/

評価

Web APIについて調べている際に読んだ1冊だ。

REST APIよりも効率的な新しいWeb API方式のGraphQLについて書かれている。

最初にREST APIの欠点とGraphQLの利点について説明した後,基本的な概念をグラフ理論を元に説明し,実際にGraphQLのサーバーとクライアントをJavaScriptで開発するところまで説明している。

GraphQLがどういうものかというところを手短に具体的に書いてあり,悪くはなかった。

ただ,GraphQLはまだそこまで普及しておらず,現時点で使う人は貴族だろう。

効率的で利点があるのはわかったが,周りが使うかというのはまた別の話だ。

そういう意味で,自身の社会的身分に余裕がある貴族向けの内容だった。

結論

GraphQLというものがどういうものかを知るには悪くない本だった。

実際にGraphQLを使って何かする際にまた読みたいと思った。

現時点ではまだあまり必要に思わなかったので,軽く読み流して終わった。

書評☆3: 速習 Laravel 6 | Laravel 6の全体を概説した中級者向けの本

概要

  • 書名: 速習 Laravel 6
  • 副題:
  • 著者: 山田 祥寛
  • 出版日: 2019-09-04
  • 読了日: 2020-02-19 Wed
  • 評価: ☆3
  • パーマリンク: https://book.senooken.jp/post/2020/02/23/

評価

PHP Laravelについて勉強しているときに読んだ1冊だ。

PHP Laravel 6は2019年にリリースされたばかりで,このバージョンで解説された本はまだ少ない。そういう意味ではまだ希少な1冊だった。

サンプルプログラムを例に,Part 3までで全体の基本的なところを説明し,残りの章でビュー,ルーティング,コントローラー,状態管理,データベース連携の細かい話を説明していた。

フレームワーク未経験で,Part 3までは理解できたのだが,そこから先がいまいちだった。Part4からは細かい話になっており,イメージがつきにくかった。

Part 3の続きで,サンプルアプリを作る中で,どういうことをするのに必要だからこの機能を使うという形で説明してもらったほうが分かりやすかった。

Part 4からは機能の使い方の説明が多く,それをどう実際に使うのかのイメージがつきにくく,自分には難易度が高かった。

結論

PHP Laravel 6の全体を解説していた。ただし,フレームワークでの開発経験がないと,理解するのが難しい部分があった。

Part 3の基本部分まではついていけたが,それ以降の細かい部分は難易度が高く,中級者向けの本で,自分にはあわなかった。

書評☆3: プログラマが知るべき97のこと | 薄く広い知見が収録されたプログラマーの教養本

概要

  • 書名: プログラマが知るべき97のこと
  • 副題:
  • 著者: 和田 卓人 and Kevlin Henney and 夏目 大
  • 出版日: 2010-12-10
  • 読了日: 2020-02-14 Fri
  • 評価: ☆3
  • URL: https://book.senooken.jp/post/2020/02/20/

評価

ときどき紹介されていて気になったので読んでみた。

内容としては,73人のプログラマーによる97本のエッセイと,日本人プログラマー8人による10本の合計81人による107本のエッセイが掲載されている。

エッセイといっても,題名通りプログラマーのためのものであり,「達人プログラマー」のように,他の本で書かれているような開発上のコツなども書かれていた。

エッセイ集になっているのもあり,ややとりとめもなく,1-2ページ程度で話が終わってしまい,薄くて浅い教養本な感じがしてしまった。

教養として読むのは悪くないのだが,本書で引用されているような本をあたったほうが勉強になるように感じてしまった。

結論

プログラマーの教養本だった。他の本で書かれているような内容が断片的に書かれており,教養本の通り,薄くて広い知見が得られる本だった。

ただ,個人的にはどこかできいたことのあるような話が浅く書かれており,少々物足りなかった。

けっこうテストが大事とか書かれているのだが,いうのは簡単だが今までやったこともなく,周りで誰もやっていないものを習得するのはなかなかたいへんだ。

書評☆3: 天才を殺す凡人 | 周りの人間との相性が全て

概要

  • 書名: 天才を殺す凡人
  • 副題: 職場の人間関係に悩む、すべての人へ
  • 著者: 北野 唯我
  • 出版日: 2019-01-16
  • 読了日: 2020-02-12 Wed
  • 評価: ☆3
  • URL: https://book.senooken.jp/post/2020/02/18/

評価

2018-02-23に公開された「凡人が、天才を殺すことがある理由。」のブログ記事が書籍になった。電車内広告で見かけており,2019年に勤務していた会社の同僚にお勧めされて興味を持って読んだ。

まえがきにあるとおり,才能を「ビジネスの世界で必要な三つ」に定義し,その才能を活かす方法を段階的に解き明かしている。

内容自体は,ブログ記事を元に天才,秀才,凡人と全てを理解する天才によるベンチャー企業をモチーフにしたストーリー仕立てで進行していく。カリスマ社長の天才,それの右腕の秀才,社長と創業当時からの知り合いの凡人の役割で,凡人視点で物語が進む。

秀才の策略で天才社長が周りに理解されず,社長を助けようと凡人が奔走するも,退任に追い込まれるという話だった。

副題に,「職場の人間関係に悩む、すべての人へ」とあるが,書籍の内容的に周りに理解されない天才とどうにかうまくやる方法を書いているように感じた。

ただ,結局本書の最後では理解できる人間を見つけてアプローチするしかないという,見も蓋もない終わり方をしていて,いまいちだった。

この本の中では,おそらく自分は秀才に該当すると感じており,実社会で周りと全然話が噛み合わず,居づらくなって退場というのを2-3回経験している。

今までを振り返ってなるほどと重なる部分はあった。ただ,どうにかできたかというとそれは無理だと感じた。いつもだが,結局周りの人間次第というのが大きい。成功も失敗も周りの人間との相性が大きい。本書でも「最強の実行者」 (共感性があり,主語が組織の人) にうまくアプローチしたりしていたが,そういう人物に適切なタイミングで出会っていなければ,後の祭りだ。

そういう面で,本書は現象の理解には役立つかもしれないが,現実には何もできないように感じた。

引用

p. 34:人の才能は3種類ある

  1. 天才: 独創的な考えや着眼点を持ち、人々が思いつかないプロセスで物事を進められる人
  2. 秀才: 論理的に物事を考え、システムや数字、秩序を大事にし、堅実に物事を進められる人
  3. 凡人: 勘定やその場を敏感に読み、相手の反応を予測しながら動ける人

なんとなく普段の生活で感じていた分類が明確にかかれていた。

p. 44: 多数決は「天才を殺すナイフ」・大企業でイノベーションが起きない理由

「拡大は『事業KPI』で見られるし、金を生むフェーズは『財務上のKPI』で測るころができる。経営科学の発展によって、プロセスが十分に科学されてきた功績だべ。だどもな、問題は『創造性』や。言い換えれば『天才かどうか』を、測る指標がないことや」
__
「たしかに創造性は、直接観測できへん。だども、社会からの『反発の量』で間接的にはかることができる」

多数決になると,少数派は不利になるのは当然。

p. 124: 異なる主語を持つ人たち

「天才、秀才、凡人、この三者のコミュニケーションは、『軸』が違うから永久に交わることがない。この話は以前したやろ」


「その理由の根源は『主語の違い』なんやわ」


  1. 主語を、人メインで語る人。凡人に多い。
  2. 主語を、組織やルールなどの、善悪で語る人。秀才に多い。
  3. 主語を、世界や心理など、超越した何かで語る人。天才に多い。

コミュニケーションの軸でなるほどと感じた。

p. 134: 主語を変え、「最強の実行者」を巻き込む瞬間

「でも、結局、なぜ『あなたなら、どうしますか?』がキラークエスチョンなんですか」


「この質問はまさに、主語を変えるためのものやからや。凡人が、秀才を説得できない理由の一つは『主語の違い』や。秀才のほうが組織全体や社会全体が見えているからこそ、凡人の発言というのは、ホンマに『ただの感想』や『意見』に見える。ほんでちょっと、心の中で見下す」

よくあるコミュニケーションのテクニックの一つだった。

結論

話題の本であり,少し期待していた。ある意味期待通りで面白かった。

ただ,よくある自己啓発本と同じで,この本を読んで現実世界の行動で何か変化を起こせるかというと何も起こせないように感じた。

結局のところ,周りの人間との相性次第で,運任せな部分が大きい。メカニズムを理解できたところで,それを役立てることができないならば,特に意味はない。

ただ,内容は面白かったので,教養として読むのがいいと思った。