概要
無線通信機能を備えたSDカードである東芝のFlashAirとスマートフォンを連携させたIoT電子工作について書かれている。
FlashAirについて書かれた本が2018-09-14時点ではこの本くらいしかなく,貴重な本だ。
本の構成は以下のとおりとなっている。
- Android+USB-IO 2.0, USB-FSIO30でのAndroidとの連携
- FlashAirによるワイヤレス電子制御
- FlashAir+Android+TwitterによるIoT電子工作
3人の登場人物による会話形式で進行し,わかりやすくしようという意図を感じた。しかし,書籍の内容は簡単ではなかった。
そもそもAndroidアプリや,FlashAirのLuaスクリプトなどが登場してきており,こんな本の中で解説しきれるほど簡単なものではない。解説はあったが,それだけで理解するのは難しいので,ひとまずコピーペーストで真似て動くかどうかを確認できるくらいだろう。
FlashAirは数年前から存在自体は知っていた。第3世代のFlashAirdにはLuaが使えるようになり,さらにWebDAV機能が搭載され,ネットワーク経由で直接ファイルの読み書きができるようになり,利用用途が拡大した。FlashAir単体では動作できないが,FlashAir DIP IOボードキットというのと組み合わせれば,Raspberry Piのように単独で動作できる。
全体的にボリューム不足に感じてしまった。FlashAirに興味があったので,Android部分をなくして丸々FlashAirの解説本にしたほうが,内容を深くできたのでよかったのではないかと感じてしまった。
結論
FlashAirを使った電子工作についての2018-09-14時点でのほぼ唯一の本であり,貴重だった。内容は書名にあるように「かんたん」にというわけにはいかなかったが,読みやすかった。
Androidアプリの解説も入っているので,FlashAirについての内容がそこまで多くないのが残念だった。
IoTに興味を持って調べていたが,FlashAirという選択肢は思いつかなかった。今後FlashAirを購入してIoT電子工作を検討するときの参考にしたいと感じた。
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