概要
XDDPやUSDM,PFDなど,一部で採用されている開発手法が解説されている本だ。
ソフトウェアやシステム開発においては,新規開発と既存の資産をベースに機能修正・改良を行う派生開発の2種類が存在する。
開発手法では新規開発に焦点をあてたものが多く,派生開発を念頭に置いたものがなかった。そこで,著者が派生開発のための開発手法として,XDDP (eXtreme Dervied Development Process) を編み出した。
XDDPは以下の成果物から構成される。
- 変更要求仕様書
- トレーサビリティ・マトリックス
- PFD
修正箇所に関する情報を,仕様書としてきっちりと文書に残すことで,修正の漏れや修正箇所・方法の誤りが分かるようにしている。
また,開発の工数,変更行数などをきっちりと計測することで,生産性を計測している。
冒頭で,既存の派生開発でよく生じる様々な問題が説明されており,共感した。そして,記録を残すというやり方はいいなと感じた。
ドキュメント作成の方法がまた独特なので,クセがあるが,一度試す価値はあるかなと感じた。
ただ,書籍が冗長な記述が多いので,もう少し要点を絞ってコンパクトにできないかなと思った。文量が多いので,けっこう読むのはたいへんだった。
結論
2018-12にある現場の面談で,USDMという文書形式で開発文書を残すという話を聞いて,USDMという単語が気になって調べ,この本に辿り着いた。
開発資料をきっちり文書に残してトレーサビリティを確保するという考え方はいいなと感じた。
実際にこの方法を取り込むには,それなりにやり方を整理して,学ぶ必要があり時間がかかるだろう。
普段の開発でも,自分の生産性を考えることはあまりなかった。開発修了時に,変更前後のコード差分と,かけた時間で自分の生産性 (1日あたりの変更行数) を計測して,今後に役立てたいと感じた。
コメント
[…] 『「派生開発」を成功させるプロセス改善の技術と極意』で変更要求仕様書などの記述に使われていたUSDMについて書かれた本だ。 […]