概要
マイコンのRaspberryPiを使って,機械学習を学ぶ本となっている。
具体的には,Pythonの各種ライブラリーを使い,scikit-learn付属のアヤメの分類,手書き数字の判別を行いながら,機械学習を学ぶ。機械学習の集大成として,最後にじゃんけん勝負を自分でデータを用意したり,画像認識までやる。ディープラーニングは最後の70ページくらいでここまでの応用という形で解説されている。
環境のインストール方法を付録 (HPから閲覧) にするなど,書籍の密度をあげることを配慮しており,好印象だった。
扱う内容が,機械学習ということでそもそもこの分野への興味関心がないと読むのはしんどいと思った。理論の部分や解説の部分がけっこうしっかり書いてあるのはよいのだが,あまり興味ない人が読むと細かいことを読むのがしんどいと感じた。
書籍内には数式は一切登場しない。これをどう思うかは読者次第だが,手軽に機械学習がどういうものなのかを理解するにはいいと感じた。
参考
なぜRaspberry Piで機械学習を扱うのかというのは,第3章p. 55-の冒頭できちんと書かれている。その理由は大きく3点だった。
- Linux
- Python
- カメラモジュール
一番大きいのは,カメラモジュールだ。執筆側としては,読者の演習環境を標準化しやすいというので,説明しやすかったのだろう。
ただ,機械学習をやるには必ずしもRaspberry Piは必要は出ないと感じている。
結論
書名にはRaspberry Piとあるので,IoT的な面も期待したが,そこは関係なかった。
素直に機械学習の演習本として,興味がある人が読むと有用だと思った。内容が丁寧で,数式が一切ないので,機械学習がどういうものなのか実際に手を動かして,確認するにはよかった。機械学習の手始めとしては良い本だと感じた
あいにく,自分はあまりAIに興味がなく,IoT的な面に期待していたので,けっこう読み飛ばした。
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