概要
Windows 7のレジストリを活用するために,レジストリについてだけ書かれている。
書籍の構成は,大きく2部構成になっている。前半でレジストリーの基本知識,基本操作について解説し,後半でテーマごとにレジストリーキーを解説している。
Windowsは学生の頃に使い始めて,もう10年くらいは使っている。しかし,ただ使うだけでは内部の細かい設定などは知ることはない。この本を読まなければ,知らずに一生を終えたであろう設定も大量にみつけた。
レジストリの仕組みから基本操作,バックアップの手順,用途や目的に合わせてレジストリの項目の解説・カスタマイズ例など,これでもかというほどにレジストリについて書かれている。
新しいWindowsでいつも設定する項目がある。毎回手作業で入力していて手間だが,その設定をどうやってエクスポートできるのかわからなかった。これらの項目はレジストリに保存されており,該当するキーをエクスポートすれば他のパソコンにも即座に適用できる。
バックアップ一つにしても,今まで知りようのない事柄がたくさん書かれている。例えば,レジストリーの フルバックアップは非推奨 している。理由は,レジストリーにはデバイスドライバーやWindows Updateなどで随時更新があるため,後に問題があってバックアップからリカバリーをかけたとしても, 整合性が取れなくなり機能不全を起こす可能性が高い からだ。そのため,フルバックアップではなく,自分が編集する部分などにターゲットを絞って 部分的にバックアップ することを推奨している。
その他,この本のメインパートでもある後半のレジストリーキーの解説がよかった。項目一つ一つに項目の意味やデフォルト値,さらにはどういうときに設定するのがいいか,どう設定するのがいいかなど著者の意見も書かれている。カスタマイズ時の大きな参考になると感じた。
参考箇所
参考になる箇所が多くて付箋だらけになってしまったので,後で見返せるように参考になった項目の場所を列挙していく。
- p. 028: 基本05 レジストリは階層構造になっている
- p. 041: 本当のルートキーは2つ
- p. 067; ルートキーの概要
- p. 085: カスタマイズ内容によってバックアップ手段を選ぶ
- p. 119: 004 ファイル名の「- ショートカット」を取り除く
- p. 124: 007 パス参照を拡張し、アプリケーションを簡単に起動する
- p. 132: 013 サムネイルデータの保存を無効にする
- p. 136: 016 共有フォルダー内にThumbs.dbを作成しない
- p. 143: 022 「送る」メニューからリムーバブルドライブを取り除く
- p. 147: 026 コンテキストメニューから「以前のバージョンの復元」を削除する
- p. 177: 044 コンテキストメニューの「新規作成」を整理する
- p. 184: 049 すべてのファイルのコンテキストメニューにエディターを追加する
- p. 233: ジャンプリストアイテムの固定を許可しない
- p. 244: 091 ウィンドウのアニメーションを許可しない
まとめ
掲載されている内容は完璧ではなく,若干物足りない部分もあった。しかし,ここまでレジストリーについて網羅的に一箇所にまとまった情報はそうない。ネット上の不確かで散らばった情報を参照するよりも,まずは書籍で質の高い情報を仕入れて,そこからターゲットを絞ってネットで調べたほうがいい。
個人的には,著者がどうやってレジストリーの情報を得たのか気になった。おそらく,Micorosft Knowledge Baseなどに情報があるのだろうが,書籍内ではほとんど引用がなかった。Micorosoftの公式の情報源,出典が掲載されていればよりよかった (☆5にしていた) 。
手元に置いておきたいと思えるよい本だった。
コメント
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