概要
Raspberry Piの入門書となっている。全編カラーで図表が豊富でわかりやすかった。
この本の最大の特徴は,[はじめに]にも記載がある通り,Pythonの解説に重点を置いているところだ。Raspberry Piでの電子工作では,Pythonを使うことが多い。しかし,Raspberry Pi初心がつまづきやすいところがPythonのようだ。そのため,第3章の140ページ程度をまるごとPythonの解説に当てている。
これをどう思うかは読者による。個人的には,PythonのことはPythonの入門書に任せていいのではないかと思った。ただし,この本ではPython標準のGUIライブラリーのTKinterを使って,GUIによる電子工作と連携させている。ここはよかった。
スイッチを押したら,GUIに反映されたり,GUIでピンを指定してライトを光らせるなど,電子工作アプリとして面白い試みだった。既に,10冊近くRaspberry Piに関する本を読んでいるが,このようなGUIを使った事例は,Scratch以外ではこの本が初めてだった。
ただし,Pythonの解説に紙面が割かれているため,肝心の電子工作部分の説明が,サンプルプログラムの掲載と,簡単な説明で物足りなかった。
結論
Pythonに重点を置いたRaspberry Piの入門書だった。Tkinterを用いたGUIとの連携が特に目新しかった。代わりに,電子工作部分の解説が若干物足りなかったが,そこはしかたないか。
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