概要
シャインと行われた人的資源管理のセッションの内容を元にした本となっている。
内容は,HRM (Human Resource Management: 人的資源管理部門,人事部) がプロセス・コンサルテーションをどう活用すれば,組織をよくできるかという内容になっている。
100ページ程度で,比較的読みやすかった。しかし,その分内容が薄かった。
個人的には,内容が物足りなかったので,☆2の評価にしようかと思った。しかし,プロセス・コンサルテーションに関する素晴らしい事例があり,これを知れたのが大きかったので☆3にした。
参考
p. 54:
最後に,これこそがプロセス・コンサルテーションのキャリア開発への応用だという事例をご紹介しましょう。
ある会社が私に,「エンジニアを雇っても1〜2年の内に辞めてしまうのだが,なぜだかわからなくて困っている」と相談してきました。私が従来型のコンサルタントであれば,従業員に色々とインタビューを行い,その結果をレポートにして報告したでしょう。ただこの方法では,従業員から正直な話が聞き出せなかったり,一般的ではあるがその会社の組織文化にそぐわない解決法を私が提案してしまったりする危険性があります。そこで私はプロセス・コンサルテーションの手法にのっとり,この会社が辞めてもらいたくはないと思っているような若いエンジニアたちを集め,Tグループを行い,この問題を任せることを提案しました。
この事例は素晴らしい。プロセス・コンサルテーションの効果的で実践的な事例だった。問題を解決するには,当事者に参加してもらうというのは確かにいい。
今後こういった問題解決時に是非採用したいと思った。
結論
シャインのプロセス・コンサルテーションを人的資源管理にどう役立てるかがコンパクトにまとまっている。
100ページと量が少なく,読みやすかった。ただし,これだけだと内容が物足りないので,読んでいなければシャインの本で一番よかった「人を助けるとはどういうことか」も読むことを勧める。
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