概要
- 書名: 起業の科学 スタートアップサイエンス
- 副題:
- 著者: 田所 雅之
- 出版日: 2017-11-06
- 読了日: 2019-10-15 Tue
- 評価: ☆4
- URL: https://book.senooken.jp/post/2019/12/02/
評価
スタートアップの成功に必要な知識をまとめようと著者が作成した「スタートアップサイエンス2017」をベースにした成功するスタートアップの解説本となっている。
この本のすごいところは以下の2点だろう。
- 文献
- レイアウト
過去の成功したスタートアップと失敗したスタートアップの事例をふんだんに散りばめられており,出典元の情報も記載されている。情報の出所が記載されており,信頼性が高いと感じた。
また,元がスライドベースだということでイラストや図解が大量に掲載されており,かなり読みやすかった。
実際にスタートアップを考える際に,手元においておきたい資料になるだろうと感じた。
引用
p. 18-29 1-1スタートアップにとっての「良いアイデア」とは
スタートアップはいかに課題にフォーカスするか,解決する課題の質を高めることを説明していた。解決する問題の影響度が高ければ高いほど,ビジネスとしても大きな成果が上がる。ただし,グーグルグラスやアップルウォッチのように,大企業でも課題を軽視すると失敗するとというのを事例を出して説明していたのがよかった。
その他,同じ観点で自分ごととして捉えられる課題を解決することが課題の質の向上につながるとのことだった。
また,スタートアップは誰が聞いても良いアイデアを選ぶべきでないとして,大企業の意思決定の流れを用いていたのは面白かった。たしかに,大企業のように重役を何人も説得しようとすると,長持ちするモバイルバッテリーのように,ありきたりな誰が聞いても良いと思うような既存の製品の改善くらいしかできない。
スタートアップは,電池不要のスマホのような既存市場を破壊するくらいのことをしないと,一見悪いようなアイデアを打ち出すことが重要だ。
p. 60: PEST分析で「兆し」を見つける
このセクションでは,スタートアップのための課題を見つけ出すための4種類の領域について分析していた。
- Politics
- Economy
- Society
- Technology
例えば,規制産業ほど規制緩和時にスタートアップにとっては大きなチャンスとなり得る。規制に守られてきた企業はエンドユーザーのUXなどを考えていないからだ。
結論
実際に自分で起業するなんてことは,ほとんどないだろう。そういう意味で大多数の人にとっては無意味な本だろう。
ただし,起業する際には参考になりそうな情報が,文献を元にわかりやすくまとまっていた。実際に起業する際には入手してもう一度読み直したいと思った。
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