概要
- 書名: サクッと起業してサクッと売却する
- 副題: 就職でもなく自営業でもない新しい働き方
- 著者: 正田 圭
- 出版日: 2018-02-09
- 読了日: 2019-10-16 Wed
- 評価: ☆2
- URL: https://book.senooken.jp/post/2019/12/03/
評価
15歳で起業し,インターネット事業を売却し,M&Aサービスを展開後,TIGLA株式会社を設立・代表就任した著者により,新しい働き方が提案されていた。
書籍の内容は,概ね以下の4種類の内容のように感じた。
- 会社を売ることのメリット
- 売却FAQ
- 企業に関するありふれた話
- 売却タイミング
起業してその会社を売ることの良さを伝えたいだろうと感じた。ただし,書籍冒頭で編集者に起業自体がハードルが高いという指摘にある通り,起業自体がハードルが高い。
冒頭でそのことについて書いてあったので,本文で起業について書いてあるかと期待したのだが,ほぼなかった。唯一参考になったのが以下だ。
p. 173 起業のアイデアはコピペでよい
特別な才能を持った人だけが起業するわけではないし、世界を変える画期的なアイデアや独創性、創造力もなくていい。
起業するときは、まず儲かっている商売、成功している人の「真似」から入るのが正解だと僕は思っている。
では、どう真似すればいいか?
まずは身近なサービス、身近で儲かっている会社を探してみよう。
探し方にもコツがある。
上場企業の「有価証券報告書」や、それらをインターネット上で閲覧できる金融庁の「EDINET」がある。
これで、儲かっている会社とそうでない会社を見つけていく。
まずはこうして、真似したくなる会社や事業を探してみよう。
そして、いいと思った会社やそのビジネスモデルを、積極的に真似していこう。
すでに儲かっている会社の型を学び、半年なり1年なりその通りにやってみることで、この分野ならこう工夫しよう、この事業ではシェアを取れなかったけどここにニッチな需要がありそうだ、などと見えてくるものがあるはずだ。
たしかに,既にうまくいっている会社を徹底的に分析して真似をするのはありのように感じた。もちろんこれもたいへんな作業だとは思うが。
参考になったのはせいぜいこれくらいだった。起業するのは天才だけではないという著者の主張には共感するが,サクッと起業してサクッと売却するというのはやはり難しいと感じた。
その他の部分については内容が薄くて,参考にならなかった。この書籍の内容で,書名のとおりに「サクッと起業してサクッと売却」は不可能で,サクッと売却する前にサクッと破産すると思った。
結論
刺激的な書名で若干期待したのだが,ある意味予想通り内容が薄くて,参考にならなかった。
こんな薄くて意味のない本をたくさん出すくらいなら,もう少し焦点を絞って具体的な内容の本を出してほしい。
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