概要
- 書名: <新版>らくらく個人事業開業のすべてがわかる本
- 副題:
- 著者: 東京シティ税理士事務所
- 出版日: 2014-02-22
- 読了日: 2019-08-30 Fri
- 評価: ☆3
- パーマリンク: https://book.senooken.jp/post/2019/11/15/
評価
税理士5名によりかかれた個人事業開業解説本だ。
本書の特徴は,効率よく実務を行うことに重点を置いているところだ。
事業成功のコツや資金繰りなどは一切触れず,著者の得意な事務手続きに特化した内容となっている。
その代わり,各種届出や制度の活用方法,お金のやり取りに関して実務に即した解説が書かれている。
例えば,領収書のない支払いの取扱,代金の受領を振込にして領収書の印紙税の節約,所得税で得する3の届け出などだ。
こういう細かなテクニックは別の本でいいかとも思ったが,一度読んでおくと参考になる部分が見つかると思う。ページ数は200ページだが,すらすら読めた。
ただし,本書だけでは個人事業開業の準備には不十分だろう。事務手続きの部分はいいのだが,それ以外にも社会保険など細々した部分がある。
そうした部分を補うためにも,「[新版 トコトンわかる 個人事業の始め方](https://book.senooken.jp/post/2019/11/05/)」のような総合的な解と併用したほうがいいと感じた。
引用
p. 54: 4 開業までの出費は区分と集計をしておいてください
この開業費は開業後5年以内であればいつでも好きなときに必要経費として処理することができるものです。
ですから、この繰延資産の活用が経営のポイントの一つになります。
創業年度に一括して経費にしてしまうと、売上より経費が多くなって赤字になってしまう可能性があります。よって開業後何年か経過して所得が大きくなり、より税率が高くなった時点 (最高税率50 %) で経費化するのが最も効率的で節税効果が大きい方法ではないでしょうか。
開業費の活用方法が参考になった。
結論
税理士が自分たちの得意分野に特化した解説を展開している。中途半端な事業成功のコツや資金繰りの解説がなかったのはよかった。
開業時の届け出の活用方法,制度の活用方法が書いてあり,素人からしたら参考になる部分があった。
こういう細かいテクニックは節税の別の本でいいかと思ったが,一度目を通す価値はあると感じた。
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