概要
- 書名: サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい
- 副題: 人生100年時代の個人M&A入門
- 著者: 三戸 政和
- 出版日: 2018-04-19
- 読了日: 2019-09-24 Tue
- 評価: ☆1
- パーマリンク: https://book.senooken.jp/post/2019/11/18/
評価
書名に惹かれて図書館で借りて読んだ。
内容は大まかに以下の3部構成だった。
- 起業・飲食店経営の失敗事例の紹介
- 中小企業のこけおろし・大企業社員の煽動
- M&Aの解説
まず最初の部で起業がいかに難しいか,飲食店経営の難しさを問いていた。
その次の部で,会社を買収するという話に絡めて,中小企業が大企業に比べていかに前近代的であり,大企業の会社員がいかに優秀であるかという内容が書いてあった。大企業会社員を煽動しているように感じた。
そして最後の4-5章でどういう会社を買収するのか,買収してどうするのかということがさらっと書いてあった。
どうやって300万円で会社を買うのかというところに興味があったのだけれど,具体的に300万円で会社を購入する話は一切なかった。
代わりに,5億円の会社の購入方法として,50:50で共同出資の買収話を持ちかけ,報酬として5年間で10 %ずつ株式の形で譲ってもらうという方法が書かれていた。
それくらいで,あまり現実的なイメージを持てなかった。肝心の買収の話は第5章の30ページくらいにしか書いていない。
正直序盤の100ページ程度は読んで意味なかったので,もっと買収の話を読みたかった。
また,書名にサラリーマンとあるが,ここで想定しているサラリーマンは大企業勤務の30-40代のいわゆる勝ち組会社員を念頭においており,世の中の大半のそれ以外の人のことは考えていないように感じた。
肝心の会社の買収だが,「M&A 案件」で検索すると数は多くないものの会社のウリの案件情報がインターネットで見れるらしい。具体的には,例えばストライクが運営するSMARTというサイトで探せるらしい。
結論
大企業会社員向けに中小企業買収を斡旋するような内容の本だった。
内容が思っていた以上に薄くて表面的で,はっきりいって参考にならなかった。書名にあるサラリーマンが300万円で会社を買えるだなんてとても実現不可能と感じるような内容だった。著者の想定読者から外れていたのも原因があるかもしれない。
Amazon.co.jpでもレビューが180件以上もついており若干期待していたのだが,期待はずれだった。
もう少し具体的で第三者が再現できるような内容のものを書いてほしかった。
「はじめに」でこの本の出版の経緯が書かれている。
本書は、講談社が運営するネットメディア「現代ビジネス」で公開した「60過ぎたら、退職金で会社を書いなさい」「世の中には500万円で買える会社がこんなにあった!」と題する一連の記事が、500万PVを超えるという大反響を受け、さらに深掘りした内容を説明するために発刊されることになりました。
ここにあるとおり,ネット上の記事がバズったので,それに乗じて一般論でページ数を稼いで無理やり書籍にしたのだろう。
正直,ネットの記事で十分だった。全然深堀りできておらず,わざわざ本にする意味がなかった。
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