概要
- 書名: ソーシャルアプリ入門
- 副題: SNSプラットフォームビジネスの企画・開発・運営ガイド
- 著者: 株式会社クスール and 株式会社dango and 株式会社クレイ and 株式会社マイクロアド and 富川 真也 and 新井 隆祥
- 出版日: 2010-05-28
- 読了日: 2020-02-18 Tue
- 評価: ☆3
- パーマリンク: https://book.senooken.jp/post/2020/02/27/
評価
メロメロパークというソーシャルゲームのFacebookアプリ版の開発チームに書かれたソーシャルアプリの概要を説明したものとなっている。
メロメロパーク自体は2005年5月23日に始まり,2012年9月末でサービスが終了した。
企画,制作,運営というフェーズごとに独立した視点で書かれている。
内容としては,制作部分の比重がやや多くなっている。スケールする構成や多言語対応,SNSプラットフォームごとの開発者登録などが書かれていた。
技術的なところはやや量が多かったものの,書名の入門通り,全体としては広く浅くソーシャルアプリ開発の概要を説明したものだった。
引用
p. 46: アプリなのかゲームなのか?
しかし今はトップ10の中の半数以上がゲームアプリという事態になっています。
ツール系アプリケーションは目的が明確なため、最初に多くのユーザーを獲得したアプリにユーザーが集まりやすく、定着したユーザーは他のツールに移らなくなる傾向があります。
その点ゲームはゲーム自体が必要な「要件 (クリアや攻略に必要な要件)」をのものを好きなように作り変えることができるため、他のゲームと同じかそれ以上のクオリティを出さなくても、それまでと全く別の「要件」を設定することで新しいアプリとしてユーザーが導入することが可能になります。
ソシャゲーが流行った理由がわかった。たしかにツール系アプリは目的もはっきりしており,ユーザーの移動がなくなる。
p. 47: ソーシャル性
SNSの仕組みには「ソーシャルグラフ」と呼ばれる自分を中心とした人間関係のデータベースが存在しています。
ソーシャルグラフでは1st=自分のフレンド、2nd=自分のフレンドのフレンド、3rd=他人とランク付けし1st〜3rdまでのユーザーが何をすべきなのか、という点が企画の重要な要素になります。
例えば、他人とゲームを遊ぶより自分のフレンドと一緒に遊んだほうが楽しいこともありますし、意図的に2ndのユーザーだけを掲示してフレンドへの導線を作って上げるアプリ、または限定的な趣味のユーザーのみを集めるアプリであれば3rdだけでも構いません。
ソーシャルゲーム,ソーシャルアプリの肝となる部分が解説されていた。
結論
ソーシャルアプリ入門として,企画,制作,運営の3フェイズが浅く広く説明されていた。
個人的には,企画の部分が一番重要だと思っており,そこを期待したのだが,そこまで深堀はされておらず,少々残念だった。
入門として外観を把握に役立った。
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