概要
- 書名: 個人開発のための Webサービス公開マニュアル
- 副題: 開発したあと何をしたらいいのかわからない人へ
- 著者: 難破 聖一
- 出版: 2020-01-01
- 読了: 2020-04-05 Sat
- 評価: ☆3
- URL: book.senooken.jp/post/2020/04/14/
評価
Webサービスを個人開発した後の話を解説している。
具体的には,以下2点を解説した本だった。
- デプロイ: Heroku, AWS, GCPを使ったアプリケーションのデプロイ,Circle CIによるCI
- リリース: Google Analytics, Search Console, Google Adsense, Cloudflare, Mackerel
だいたい2章のデプロイが書籍の1/2程度を占めており,残りの1/3を3章のリリース,その他という構成だった。
このデプロイが,Laravel, Ruby on Rails, Nuxt.jsの3のWebフレームワークごとに行っており,3×3の解説があったため文量の肥大化の原因だった。
ここは説明過多に感じた。どれも基本は似たような構成なのだから。フレームワークごとに1個のPaaSの解説で十分だったと感じた。
ここに興味があれば,読む価値はあるかもしれないが,個人開発できるくらいならばそれぞれのPaaSのマニュアルを見ながら自分でできるのではないかとも思った。
その他に,リリースや運用の話もあるのだが,ツールの使い方などあまり込み入った話はなく,浅く表面的な話が多い印象であまり参考にならなかった。
肝心の開発者の失敗談も,失敗した事例の話だけでうまくいった事例がなく,気持ちが下がって読み終わってしまった。
引用
第3章のGoogle AnalyticsとGoogle Adsenseのプライバシーポリシーへの記述追加が参考になった。
プライバシーポリシーにこれらを記述しているサイトを見かけてはいたが,必要だというのを初めて知った。ただ,必要だという根拠が示されていなかったのは残念だった。自分でどこかで調べようと思った。
結論
気を引くような書名であり,興味があったのだが,内容がほとんどPaaSへのデプロイ手順書となっており,やや期待はずれだった。
肝心のリリース後の運用についても当たり障りないことが書いてある感じで,例えばGoogle Analyticsの分析結果を受けて,具体的にどうすればいいのか?分析結果の具体的な活用方法がなく,知ったところであまり意味がなく感じた。
PaaSへのデプロイ手順がわからなければ,公式マニュアルなどを参照するしかないだろうし,全体として中途半端な本に感じてしまった。
書名通りあくまでWebサービスの公開だけに特化したデプロイ手順のマニュアルであり,過信は禁物に感じた。
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