概要
IoTの基本や仕組み,重要事項がまとめられている。
図書館で借りて読んだが,予約が10件以上入っていて,読めるまで2か月くらいかかる人気の本だった。
IoTがなぜ話題になっているのかから,具体的な事例,今後の課題などIoT全般について触れられており,全体像や今後の展望を見ていくうえで参考になった。
ただし,内容はけっこう抽象的なものが多く,この本を読んだ後に具体的な行動につなげるのが難しい。
IoT全体を解説した本は他にもあるが,個人的には「徹底図解 IoTビジネスがよくわかる本」のほうが参考になった。こちらには,具体的に仕事にしていくうえでどうやっていくかという,けっこう難しい話題にも逃げずに書いてあったからだ。
参考
p.2: 1.1 バズワードではなくなったIoTの現状
最初に「IoT」という言葉を用いたのは、先端的なセンシングテクノロジーの実証研究を行う米国Auto-ID Centerの共同設立者であるケビン・アシュトン氏で、1999年のことでした。
2000年ごろからしばらく忘れられていたIoTですが、2011年に再び脚光を浴びます。その契機となったのが、米国Cisco Systemsの当時リサーチ部門であったCisco IBSG(Internet Business Solutions Group) のデイプ・エヴアンス氏が発表したホワイトペーパー、The 1nternet 01 Things How the Next Evolution 01the Internet 1s Changing Everythingです。ここでは、「インターネットに接続されている機器の数が急増したことで、2008年から2009年の聞に、全人類の人口よりも多くの機器がインターネットに接続されるという『転換点』を迎えた」とレポートされています。
IoTの始まりや話題になり始めたきっかけをしれてよかった。
p. 20: 1.3 IoTの市場規模と将来性
もう1つ、総合プランニング社が2016年11月に発表した「2017年版IoT関連市場の将来予測」から、業界別のIoT市場規模を見てみましょう(次のページのグラフを参照)。これは、業界のメンバーへのヒアリングに基づく同社の徹底的な調査結果からの予想です。
今後の数年、国内IoT市場でもっとも伸びる業界は、 運輸(2690億円)、製造(1935億円)、 エンターテインメント(2063億円) の領域だとされています(いずれも2020年度の予想)。特に運輸の中でも自動車領域に関しては、他産業よりもずば抜けた成長率で2020年を迎えることが予測されています。その背景には、2020年までに自動運転車を走らせたいとする政府の後押しもあります。
IoTの市場予測としては,IDC Japanのものをよく見かける。ここでは,総合プランニング社のレポートが紹介されており,直近のIoTの成長分野をしれて参考になった。
p. 244: 8.2 共通プラットフォームでの実装の重要性
IoTのもっとも大きな取り組みとなるのが、 街全体のスマート化を目指すスマー卜シティでしょう。
スマートシティに必要なOpen Sourceをまとめた、CityOS (http://cityos.io) という取り組みもはじまっています。 これは、 これまでさまざまな都市で活用されてきた共通基盤化ソフトウェア群をOpen Source化してまとめたものです。
CityOSという取り組みを知らなかった。
結論
IoT全般にかかれており,随所に参考文献もあるのが良かった。ただし,全体的に抽象的でお話的な内容が多く,ここから先につなげるのはやや難しいと感じた。
そういう意味では,富士通総研の「徹底図解 IoTビジネスがよくわかる本」はよかったのだが,CityOSなどこちらには書いていない内容が本書にあったりしたので,どちらも目を通したほうがよいと感じた。
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