概要
IT技術者としてキャリアをスタートし,失敗を重ねながらも起業し,成功を納めた著者の実体験に基づく成功のための戦略がまとめられている。
生存バイアスやら時代などもあるが,一部参考になるところがあった。
どちらかというと,著者はエンジニアというよりかは営業よりな視点を持っている。技術指向の技術者とはちょっと合わないと思う。ただし,それでも営業的な視点が参考になった。
技術力を高めるだけでは,天才が最終的に勝つので,成功はハードなのだ。
そうではなく,天才ではなく,自分より知識の低いところを顧客にしてやっていくのがいい。士業のような専門家と同じで,自分たちが優位に立てる立場で勝負するのがよいのだとこの本で認識できた。
参考
p. 14: 0-2 独立を果たす4つのステージ
- ステージ | 本業 | 副業
- 1 | 正社員 | 受託案件
- 2 | 常駐型フリーランス | 受託案件
- 3 | 受託案件 | 自社ビジネス (B2C)
- 4 自社ビジネス | –
正社員を勤めながら,次のステージに必要な仕事を副業として行い,備え,最終的に自社ビジネスで起業するという流れが説明されている。
次のステージを副業で準備するというのは,たしかに理にはかなっている。ただ,副業も土日や終業後にこなすというのは,ハードな気もするがどうなのだろうか。
最終的に,B2Cの自社ビジネスに持ち込むというのは,IT技術者ならではでありたしかにありだと感じた。ここを目指して,Webの勉強をするのがいいのだろうと思った。
p. 134: 5-2 稼げるエンジニアになるための近道とは?
問 あなたは、「稼げるようになるために何をするのが最も近道でしょうか?」と訊かれたら、何と答えるだろうか?
- 最新の技術を極め、自分の市場価値を高め、多くの企業から引っ張りだこになる
- 見込みのあるITベンチャーに飛び込み、CTOになって株式上場まで我慢する
- スマホアプリなどで一発当てる
結論から言うと、これらの方法はかなりハードルが高い。
これらよりもっと簡単で、私がおすすめしたのは、「毎月10万円支払ってくれる顧客を10社持つこと」である。
自分自身がスキルアップすることは確かに重要だが、「売上を伸ばす」という目的を果たすための行動としては、スキルアップすることよりも「自分よりITリテラシーの低い顧客を見つける」ほうが、はるかに簡単であり、目的に早く近づくことができる。
ここが一番印象に残った。IT技術者であれば,技術力向上は考えるだろうし,それが正攻法と思うだろう。ただ,社会に出て凄腕エンジニアに出会うと分かるが,最後は才能勝負になってくる。ここで読んでそれに気付かされた。
凡人が成功しようと思うならば,天才共相手に勝負するのではなく,凡人相手にやるのがよいのだろうと感じた。
結論
書籍全体のレイアウトもきれいに整っており,読みやすかった。
こういう成功者の本を読むのは妬みもあり,気分がいいものではない。しかし,それでも参考になるところがあった。
考えをあらためて,自分のWebサービスの開発や,今後の方針を考え直したい。
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