書評☆3 [改訂第2版] [入門+実践]要求を仕様化する技術・表現する技術 | USDMによる要求記述方法と計測の重要性

概要

「派生開発」を成功させるプロセス改善の技術と極意』で変更要求仕様書などの記述に使われていたUSDMについて書かれた本だ。

前著に興味を持ったので,こちらも読んだのだが,こちらはややいまいちだった。細かいことがけっこう書いてあり,読んでいて面倒くさくなった。

まず,具体的な書き方が始まる第6章に入るまで,書籍の半分近くの文量を占める1-5章が既存の問題の説明やなぜ要求が必要なのかといったことがひたすらひたすら何回も書かれている。この時点で既に読む気が失せていた。いくら何でもくどすぎる。

そして,第6章以降も同じような感じで,細かいことや似たようなことを繰り返し説明していた。言いたいことがいろいろあるのはわかるが,もっと要点を絞って簡潔にまとめてほしかった。

書き方の説明があったり,計測について説明があったのはよかったのだが,全体的に記述が冗長で,ひたすらくどいうという印象だけが残ってしまった。

結論

前著が悪くなかったので期待していたのだが,全体的に記述が冗長でくどいところだけが印象に残ってしまった。

くどい書籍から自分に必要なところを取り出すのはけっこうしんどい作業だ。

具体的な記述や計測に関する話は比較的よかったので,全体としては残念だった。

パーマリンク: https://book.senooken.jp/post/2019/08/27/

書評☆4 「派生開発」を成功させるプロセス改善の技術と極意 | 派生開発の極意は記録にあり!

概要

XDDPやUSDM,PFDなど,一部で採用されている開発手法が解説されている本だ。

ソフトウェアやシステム開発においては,新規開発と既存の資産をベースに機能修正・改良を行う派生開発の2種類が存在する。

開発手法では新規開発に焦点をあてたものが多く,派生開発を念頭に置いたものがなかった。そこで,著者が派生開発のための開発手法として,XDDP (eXtreme Dervied Development Process) を編み出した。

XDDPは以下の成果物から構成される。

  • 変更要求仕様書
  • トレーサビリティ・マトリックス
  • PFD

修正箇所に関する情報を,仕様書としてきっちりと文書に残すことで,修正の漏れや修正箇所・方法の誤りが分かるようにしている。

また,開発の工数,変更行数などをきっちりと計測することで,生産性を計測している。

冒頭で,既存の派生開発でよく生じる様々な問題が説明されており,共感した。そして,記録を残すというやり方はいいなと感じた。

ドキュメント作成の方法がまた独特なので,クセがあるが,一度試す価値はあるかなと感じた。

ただ,書籍が冗長な記述が多いので,もう少し要点を絞ってコンパクトにできないかなと思った。文量が多いので,けっこう読むのはたいへんだった。

結論

2018-12にある現場の面談で,USDMという文書形式で開発文書を残すという話を聞いて,USDMという単語が気になって調べ,この本に辿り着いた。

開発資料をきっちり文書に残してトレーサビリティを確保するという考え方はいいなと感じた。

実際にこの方法を取り込むには,それなりにやり方を整理して,学ぶ必要があり時間がかかるだろう。

普段の開発でも,自分の生産性を考えることはあまりなかった。開発修了時に,変更前後のコード差分と,かけた時間で自分の生産性 (1日あたりの変更行数) を計測して,今後に役立てたいと感じた。

パーマリンク: https://book.senooken.jp/post/2019/08/26/

書評☆4 はじめて学ぶUML 第2版 | UMTP試験L1対策教科書としても利用可能でいろんなところで評判のUML2.0の教科書

概要

UMLの入門本となっている。2019-04に現場で納品資料としてユースケース図,クラス図,シーケンス図を要求され,必要に迫られてPlantUMLでUMLを書いていた。しかし,UMLをきちんと勉強したことがなく,書き方があっているのか自信がなかった。そこで,UMLの入門としてこの本を購入した。

この本はいろんなところでUMLの入門本として推薦されている。具体的には,以下の3サイトで推薦されていた。

出版が2007年とそれなりに古く,UML 1.0の情報まで書かれている。そのため,若干内容が古いようにも感じた。

しかし,UML 2.0までのUMLに関して一通り書かれている。表紙にマークがあるように,UMTPに準拠しており,そのままUMTP L1試験 (UMLモデリング技能認定試験L1) の教科書としても利用可能だ。

実際,教科書としてこの本で勉強して,問題集「徹底攻略UMLモデリング技能認定試験問題集 L1(T1/T2) 対応」を使って合格できた。

詳細な受験報告は「UMLモデリング技能認定検定L1受験報告 | 設計に必要なUMLモデリングの基礎は技術者として必要」にも記している。

試験対策本としては,Chapter 9 開発プロセスが試験の出題とやや内容が違うくらいで,その他はだいたい一致していた。問題集でわからないことがあれば,この本を見ればだいたい分かるだろう。

入門書籍としては,この本の他に,オージス総研の「その場でつかえるしっかり学べるUML2.0」というのもある。実は,こちらの本も購入したのだが,試験勉強の都合で本書に絞って参照したので,受験勉強中には参照しなかった。

比較のために,目次をみてみたのだが,こちらのほうがページ数が多く,UML 1.0の古い書き方が省略されており,そして開発プロセスについても書かれているなど,こちらをメインの教科書に使えばよかったなと若干後悔してしまった。

本書では解説が少ないパッケージ図やオブジェクト図についても解説があるので,やはりオージス総研の「その場でつかえるしっかり学べるUML2.0」のほうがよかったかもしれない。

ただ,あまり使わないパッケージ図やオブジェクト図のような余計なことがあまり書いていないというシンプルさでは,本書も悪くはないかもしれない。

結論

UMLの入門本として評判が高く,そしてUMTP L1試験の対策教科書としても利用可能で,実際UMLを一通り解説されている。悪くないUMLの入門本だった。

ただし,あらためて購入するならば,網羅性からオージス総研の「その場でつかえるしっかり学べるUML2.0」のほうがよかった。ただ,これはUMLについて知識が身についたから判断できるのであって,UMLの知識がないならば,何でもいいから入門書を1冊きちんと読んで知識を身につけるのが大事だろう。

どちらの本にしても,絶版で中古本を当たるしかないので,入手しやすいほうを買うのが良いだろう。

パーマリンク: https://book.senooken.jp/post/2019/08/22/

書評☆3 カイゼン・ジャーニー | ソフトウェア開発のおとぎ話

概要

ネット上での評判がよく,ITエンジニアに読んでほしい!技術書・ビジネス書 大賞2019 にノミネートされていたので興味を持って読んだ。

ソフトウェア開発の現場をよりよくするために,著者の経験を元にしたフィクションのストーリーとその解説を中心とした内容となっている。スクラムやらチームづくりなどについて書かれている。

ただし,自分にはあまり響かなかった。というのも,第一部であるように,結局,自分の考えに賛同する都合のいい人物の登場により状況が改善するからだ。

また,チームづくりに関しても小手先のテクニックな感じがしてならなかった。チームづくりに関しては,チームというよりかは人と人とのコミュニケーションについての本のほうが役に立つ気がした。例えば,デール・カーネギーの名著「人を動かす」であったり,先日読んだ「 人を助けるとはどういうことか」などだ。

そもそもスクラムやらこの本で述べられている開発手法については経験したことがなく,おとぎ話のように感じてしまった。一度体験しないと理解できないだろう。

参考

p. 044: タスクボードの基本

TODOを洗い出すと、すっきりする反面、量が多くなってタスクの全体像が俯瞰しづらくなる。だから、TODOには直近で必要な一定期間分のタスクのみを貼り出すようにして、先々のタスクや気付いたことなんかは、別の場所にためておくようにすると良いだろう。この場所を、Icebox (冷凍庫) といったり、Parking Lot (駐車場) と呼んだりする。優先順位をつけずに、いったん預けておく場所という意味合いだ。

タスクには取り組むべき順番がたいていはある。TODOのステージで、上下の並びで優先順位を表現すると良いだろう。

Kanbordというカンバン方式のタスクボードサービスを使っている。カンバン方式のタスク管理はやり方がいまいちよくわかっていなかった。普通に使うと,TODOが大量に出てしまい,縦に間延びしてしまう。ここでタスクボードの使い方が参考になった。

結論

ネット上での評判が良かったので期待していたのだが,自分には合わなかった。こういう開発手法というのは,周りにある程度理解者がいたり,自分が権力を行使できる立場にならなければ,発揮できない。

こうしたことができるような現場に入ることや,もっと根本的には人とのコミュニケーションの取り方について学んだほうが有益ではないかと感じた。

パーマリンク: https://book.senooken.jp/post/2019/03/05/