概要
- 書名: ゼロ なにもない自分に小さなイチを足していく
- 副題: なにもない自分に小さなイチを足していく
- 著者: 堀江 貴文
- 出版日: 2013-10-31
- 読了日: 2019-12-24 Tue
- 評価: ☆3
- URL: https://book.senooken.jp/post/2019/12/28/
評価
電車内広告で目についたことから読んだ「バカと付き合うな」で堀江 貴文 (ホリエモン) に興味を持った。その中で,本書はホリエモン自身の半生について書かれている貴重な本だ。彼の考え方の根本的なところを知るのに参考になるだろうと思い読んだ。
本書の前半が生い立ちから起業するところまで,後半が働くことに対する考えが書かれていた。起業後の話は書かれていないことに注意する。起業後の話は別のたくさんの本で書いているらしい。
内容は期待した通り,ホリエモンの生い立ちから後にいろんな本でちらついてみえる合理主義的な考え方,氏への恐怖,自信家なところのルーツが書かれており,なるほどと思った。
ただ,読んで思ったところは,やはり人生は環境ゲーだということだ。つまり,周りの環境,周りの人間の影響を大きく受けるということだ。本書を読んで,ホリエモンはいわゆる毒親を持っており,あまり恵まれない家庭環境だと知った。
昔の情報不足の時代で数少ない情報源だった図鑑を読んだり生まれ持った才能により小学校の成績がよく,そのことについて小学校3年生の担任に入塾・私立中学の進学を薦められて人生が大きく変わったようにみえた。後は周りの人間やそこで出会ったアルバイトやパソコンとの出会いを通じて今に至った。
自分で身の回りの環境をできるだけコントロールして,うまく自分の目標に進めるようにコントロールする必要があると感じた。
その他,いつもは強気なホリエモンだが,本書内では過去にモテなかったり,女性との会話に自身がなかった話など,自身のコンプレックスやあまり触れたくないだろう弱みの部分,努力の話などが書いてあった。他の本では書かないだろうという内容で,珍しかった。
引用
p. 28: いまこそ「働くこと」を考えたい
人が新しい一歩を踏み出そうとするとき、次へのステップに進もうとするとき、そのスタートラインにおいては、誰もが等しくゼロなのだ。
つまり、「掛け算の答え」を求めているあなたはいま、「ゼロ」なのである。
そしてゼロになにを掛けたところで、ゼロのままだ。物事の出発点は「掛け算」ではなく、必ず「足し算」でなければならない。まずはゼロとしての自分に、小さなイチを足す。小さく地道な一歩を踏み出す。ほんとうの成功とは、そこからはじまるのだ。
本書の副題にもなっている「小さなイチを足していく」の由来となっている文言が冒頭に書かれていた。本文内にも2-3回このことについて書かれている。たしかにそうだと思った。
p. 122: お金なら自由になる働き方
お金を「もらう」だけの仕事を、お金を「稼ぐ」仕事に買えていこう。
儲けるために働くのではなく、お金から自由になるために働こう。
なぜ働くのかという問へのホリエモンの答えがこれだと感じた。たしかに受け身で与えられるものとして考えているよりも,自分から積極的に考えていかないとダメだろう。
p. 152: 積み重ねた「イチ」の先に見えてくるもの
仕事や人生においてラクをすること。それは、掛け算を使うということだ。
5+5で10の成果を出すのではなく、5×5で25の成果を出す。
同じ時間、同じ労力を使いながら、より大きな結果を残していく。僕がメディアに登場するようになって以来、繰り返し訴えてきた「掛け算によるショートカット」だ。
しかし、これまでの僕はショートカットの有効性を強調するあまり、その前提にあるはずの「足し算」の部分について、ほとんど語ってこなかった。
人は誰しもゼロの状態からスタートする。
そしてゼロの自分にいくら掛け算をしても、出てくる答えはゼロのままだ。
副題の「小さなイチを足していく」の説明が個々にもあった。この後,モテないオタク男子を例に「掛け算によるショートカット」 (恋愛テクニック) を身に着けてもモテないことを引き合いに出して参考になった。
p. 199: 働くことは自由へのパスポート
責任が発生しないうちは、ほんとうの意味での自由も得られないのだ。無邪気に見える子どもたちは、圧倒的に不自由なのだ。
僕の結論はこうだ。
自由と責任は、必ずセットになっている。
責任を自分で背負うからこそ、自由でいられるのだ。
そして僕にとっての自由を手に入れる手段とは、とにかく働くことだった。
働くことで経済的に自立し、精神的にも自立し、ちゃんと自分で責任をとれる土台をつくる。そうすれば、すべてを選ぶのは自分になるのだ。
p. 206: 消えることのなかった死への恐怖
もしあなたがポジティブになりたいというのなら、やるべきことはシンプルである。うじうじ悩んでいないで、働けばいい。
あらゆる時間を思考と行動で埋め尽くしていけば、ネガティブな思いが入り込む余地はなくなるのである。
「バカと付き合うな」など他の本でも言及されている死への恐怖について書かれていた。
その後半の死への恐怖への対処方法が参考になった。
結論
何かと世間で目立つ存在だったホリエモンの半生や,考え方のルーツが書かれており,参考になった。とはいうものの,やはりホリエモンはホリエモンで自分は自分だ。ホリエモンのやり方や考え方がそのまま自分にもあっているとも限らない。
ただし,やはり人生は身の回りの環境に強く影響を受けるという印象を持った。自分で身の回りの人間や環境をコントロールしていきたいと強く感じた。
コメント
[…] 容はホリエモンが普段考えていることや実践していることが書かれているだけだった。他のホリエモンの本や「ゼロ」読めば分かるようなホリエモンらしいことが書いてあるだけだった。 […]
[…] ホリエモンの自叙伝の「ゼロ なにもない自分に小さなイチを足していく」や与沢翼の「スーパー フリーエージェント スタイル」を比べて,似ているところを感じた。 […]