書評☆4: 億万長者トレーダーが薦める名作・傑作!投資本30 | cisも参加したセクター循環,大口の動向,チャート心理など短期投資家のためのガイドマップ

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概要

  • 書名: 億万長者トレーダーが薦める名作・傑作!投資本30
  • 副題:
  • 著者: 扶桑社マネー本研究会
  • ISBN: 9784594058586
  • 出版: 2009-02-10
  • 読了: 2020-12-10 Thu
  • 評価: ☆4
  • URL: book.senooken.jp/post/2020/12/10/

評価

以前書評に書いた「一人の力で日経平均を動かせる男の投資哲学」のAmazonでのレビューで,cisが他に登場している本として本書が挙げられており,興味を持って読んだ。

億トレーダーである以下の5名の短期の個人投資家とcisが作った個人投資家のSNSであるカブトモNetでのアンケートから30冊の投資本を紹介している。

  1. 50億円cis
  2. 8億円まぐうぃっち
  3. 4億円びびりおん
  4. 3億円ますぷろ
  5. 2億円三空

まぐうぃっちが読書家なのもあり,彼による推薦本が数としては多かった。逆に,びびりおんはほぼ推薦人としては登場しなかったように思う。

今回は短期投資家 (デイトレーダー) がメインの推薦人のため,短期投資の本がメインのラインアップとなっている。

推薦されている本としては,「金持ち父さん貧乏父さん」しか読んだことがなく,この他に2-3冊名前を聞いたことのある本があるものの,ほとんど知らない本だらけだった。

数が少々多いものの,様々な視点で今でも通用する古典が数多く紹介されており参考になった。

特に,デイトレーダー定番の「デイトレード」「投資苑」「ゲイリー・スミスの短期売買入門」の3冊があることを知れたのは良かった。

その他,セクターの循環や大口の動向,チャートと心理など重要なキーワードがいくつも書籍の紹介で知ることができ,視野が一気に広がった。

引用

推薦本の中で特に気になった本を後で読むためにリストアップする。

p. 18: デイトレード マーケットで勝ち続けるための発想術

三空の推薦。デイトレーダーなら絶対に読むべきとされている。特に精神面に重点が置かれた本となっている。

p. 36: 図解でわかるランダムウォーク&行動ファイナス理論のすべて

ますぷろの推薦。こちらの書籍では人間心理について解説されている。多くの人間がコツコツドカンで負ける理由が心理的に説明されていた。

人間の心理として,損失は遅く,利益確定は早くするという作用がある。これを克服できないとコツコツドカンで負ける。

p. 70: 欲望と幻想の市場 伝説の投機王リバモア

まぐうぃっちの推薦。株式市場創成期の伝説的投機家の人生を小説化したものとなっている。

基本的な手法は抵抗線や支持線を超えた部分での取引だった。

p. 86: 投資苑 心理・戦略・資金管理

三空の推薦。精神分析の専門家の著者により,心理面から投資行動やマーケットの値動きを分析している。

支持線や抵抗線がなぜ・どういう理由で形成されるのかが説明されており,テクニカル分析の心理的な裏付けがなされている。

p. 92: ウォール街のランダム・ウォーカー 株式投資の不滅の真理

三空の推薦。インデックスファンド投資を推奨する有名な本となっている。

三空の話だと,最初に過去のバブルの経緯が分析されており,こちらだけでも一見の価値があるとあり興味をもった。

p. 98: 実践 生き残りのディーリング – 変わりゆく市場に適応するための100のアプローチ

カブトモNetからの推薦。普段なかなか伺うことのできないプロの機関投資家の世界・考え方が記されている。

p. 106: 株式市場「強者」の論理

三空の推薦。直前の「生き残りのディーリング」に続いて大口の外国人投資家の手法について解説した本となっている。株式市場は大口投資家がほとんど支配しているため,彼らの動向を知ることはかなり重要になる。

p. 112: ブラジルに雨が降ったらスターバックスを買え

まぐうぃっちの推薦。投資に役立つ経済学の本として推薦されている。こちらの本では書名にある通り,マクロ経済の変化が金融マーケットに与える影響を具体的に分析し,どのように実際にトレードすべきか説明している。

要点としては,セクターには循環があるので,セクターごとのトレンドを掴むことが重要というところだ。

p. 154: 金融広告を読め どれが当たりで、どれが外れか

cisの推薦。cisは「投資は人に教えてもらうのではなく、自分で勉強するもの」と考えており,本をあまり読まないらしい。代わりに,著者のバイアスがあまりかかっていない仕組みを解説している本は知識を得るために時々読むとのこと。

本書は金融商品の仕組みを解説しており,ぼったくられないための知識としていいらしい。

p. 166: 決算書の暗号を解け! -ダメ株を見破る投資のルール

cisの推薦。cisの話だと「投資に必要な決算や会計の知識は、決算書入門とか会計入門とか、簡単な初心者向け解説書を読んだあとに、実際に最近、倒産してしまった企業の決算書をさかのぼって5年分くらい見るのが一番」とアドバイスしている。

本書では決算短信を1ページ目からどう読むかが手取り足取り書かれている。

p. 194: ゲイリー・スミスの短期売買入門 ホームトレーダーとして成功する秘訣

三空の推薦。既に登場した「デイトレード」「投資苑」と並んでデイトレーダー定番の書で,短期売買の具体的な手法がたくさん書いてある。

p. 202: 私は株で200万ドル儲けた – ブレイクアウト売買法の元祖「ボックス理論」の生い立ち

まぐうぃっちの推薦。個人投資家の成功本の走りとなっている。高値ブレイクで表現されるボックス域を抜けて次のボックスへの移行の動きを捉えた逆指値を使った取引手法を説明している。

p. 208: 月100万円儲ける!「株」チャートパターン投資術 1年で1500万円稼ぐサラリーマントレーダーが教える!

5人の推薦。大失敗を経験しながら安定して月100万円前後儲かるトレーダーになるまでの軌跡と,具体的な手法が書かれている。

p. 214: 平凡な大学生のボクがネット株で3億円稼いだ秘術教えます!

5人の推薦。地合いの悪い時期でやると大損するが,地合いのいい相場では使える手法となっている。2004年頃からデイトレーダーたちの成功・ノウハウ本が相次いで出版されるようになった。その中で,本書はストーリー性,金額が大きく,20万部のこの頃のデイトレ成功本最大のヒット作となった。

結論

cisが登場する他の本ということで興味を持って読んだ。短期投資において重要なテーマを押さえた名作がまとめられていた。

2020年の今となっては古典的なものが多くなるのだが,セクター循環や大口の動向など今まであまり見えていなかった重要なテーマに気付くことができた。

そういう意味で,短期投資を行う上で,どういう良本があるのか,実際に成功した人からのお墨付きのものを知ることができるので,とてもよかった。

時間をかけてリストに挙げた本は全て読みたいと思った。

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