書評☆4 いまどきのJSプログラマーのための Node.jsとReactアプリケーション開発テクニック | Reactの実践的解説とMastodonのデスクトップ・スマホクライアント開発の解説

概要

JavaScriptの開発で人気のフレームワークであるReactによるアプリケーション開発方法を解説している。

最初に,Reactと共に使われる現代的なJavaScriptの開発方法として,Node.js,npm,Bable,Webpackを解説し,Reactの使い方を説明し,最後にその応用として実践的なアプリケーション開発事例を解説している。

実践的な開発例として,分散SNSのMastodonのElectronによるデスクトップクライアントとReact NativeによるAndroid/iOSクライアント,掲示板やリアルタイムチャット,Wikiシステム,独自SNS,機械学習による手書き文字認識を取り扱っていた。

説明が足りないところや,やや理解が難しい箇所もあったが,Reactや現代的なJavaScriptでの開発方法が一通り説明されていてよかった。

特に,実践的な開発として,分散SNSのMastodonのデスクトップとスマホクライアントの開発方法の解説があるのが良かった。MastodonのWeb APIを使うためのnpmのライブラリー (mastodon-api) が存在するので,これを使うことで,比較的簡単に必要な機能が実装できるようだ。

たぶん他のWeb APIも同じような感じなのだろうけれど,それが解説されているのが良かった。この手順通りにやれば,自分にもできそうだと思えた。

結論

Reactによる現代的なJavaScript開発全般が解説されていた。実践的な事例があり,これを目当てに購入してもいいなと思った。

ただし,解説が不十分なところがあったり,内容が難しいところもあるので,わからないところは追加で調査が必要だろう。

特に,分散SNSのMastodonのクライアントの開発例が書かれており,あまりネット上に情報が出回っていないので,貴重な情報源だった。

パーマリンク: https://book.senooken.jp/post/2019/03/27/

書評☆2 組織文化とリーダーシップ | 企業文化についての大企業でのシャインの30年以上ものコンサルタント録

概要

人を助けるとはどういうことか」が良かったので,同著の他の本を読み漁っていたときに読んだ一冊だ。

組織文化とリーダーシップについて,著者のシャインが30年以上にも渡るコンサルタント及び研究活動内容が記録されている。

組織における文化にはどういうものがあり,どのように形成されるのかが記されている。

500ページもの文量となっている。しかし,書かれている内容はシャインの活動記録的な面が大きいと感じた。数多くの会社でコンサルテーションを行っており,その事例が細かく書かれていた。ここまではいいのだが,それが多く,そこから導き出される結論がいまいちわかりにくかった。

よくある学術書のだめなパターンの,長く小難しいだけで結局どうすればいいのかがわかりにくかった。学者向けの本だと思った。

参考

p. 27: 文化に伴う3つのレベル

文化の分析のための3つの主要なレベルを表2-1に示した。

表2-1 文化の3つのレベル

  1. 人工の産物 (artifact)
    • 可視的で,触ることができる構造とプロセス
    • 観察された行動
      • 分析,解釈することは難しい
  2. 辛抱された心情と価値観 (espoused belief and values)
    • 理想像,ゴール,価値観,願望
    • イデオロギー (理念)
    • 合理化 (rationalization)
      • 行動やその他の人工の産物と合致することも,しないこともある
  3. 基本的な深いところに保たれている前提知識 (assumption)
    • 意識されずに当然のものとして抱かれている信条や価値観
      • 行動,認知,思考,感情を律する

文化には段階がある。例えば,エジプトのピラミッドなどだ。こういう考え方は目新しかった。

p. 68: 3つの普遍的なサブカルチャー

現場従事者のサブカルチャー

すべての組織には,「スタッフ」に対して「ライン」と呼ばれる人材が存在しており,その組織の製品やサービスを製造し,販売する従業員を指している。


すべての組織における現場従事者の重要な基本的前提知識の一部は表4-1にまとめて表示した。


表4-1 現場従事者 (オペレーター) に伴う前提知識

  • 現場における活動は究極的には人材による活動だ。したがってわれわれは不可欠のリソースであり,現場を運営している存在だ
  • したがって企業の成功は,われわれの知識,スキル,学習能力,コミットメントに懸かっている
  • 求められる知識やスキルは「現場 (local)」に求められる。また組織のコア・テクノロジーと具体的な経験にもとづいて築かれている
  • 製造プロセスが以下に注意深く組み立てられ,ルールやルーティン (日常的業績) がいかに注意深く,明確化されていても,われわれはつねに予測不可能な緊急事態に対応しなければならないことをよく理解している
  • したがって,われわれは学習し,確信し,不測の事態に対応する能力を身につけなければならない
  • ほとんどのオペレーションはプロセス内のさまざまな側面の間の相互依存関係を含んでいる。したがって,われわれは協調的なティームで働く能力を身につけなければならない。そこではコミュニケーション,オープンさ,相互信頼,コミットメントが尊重される
  • われわれは,われわれが職務を完遂するために必要とされる適切なリソース,訓練,支援をマネジメントが提供してくれることを期待している。

エンジニア/デザイナーのサブカルチャー

いずれの組織においても,その組織の仕事を下支えするテクノロジーの基本的なデザインの部分を担当するグループが存在しており,このグループがテクノロジーをどのように活用するかについての知識を備えている。


エンジニアのサブカルチャーに伴う基本的前提を表4-2に示した。


表4-2 エンジニアリング・サブカルチャーに伴う前提知識 (グローバルコミュニティー)

  • 理想的な世界は,人間による介在なしに精密な機会とプロセスが完璧な正確さと調和の形で機能している世界だ
  • 人間が問題の種だ。彼らは間違いを犯すので,狩野な限りシステムに含めない形でデザインを進めるべきだ
  • 自然は統治可能だし,統治すべきだ。すなわち「可能なものは実現すべきなのだ」 (前向きの楽天主義)
  • ソリューションは化学と入手可能なテクノロジーにもとづいていたものでなければならない
  • 本格的な仕事は混乱を解決し,問題を克服することを目指す
  • 仕事においては有用な製品と成果物 (アウトカム) を目指すことが求められる

エクゼクティブ (経営幹部層) のサブカルチャー

すべての組織に存在する第3のサブカルチャーは,経営幹部そうのサブカルチャーであり,すべての組織のトップマネジャーは共通の環境と共通の関心を共有しているという事実にもとづいてこのサブカルチャーは築かれている。


この経営幹部のサブカルチャーの要点は表4-3に表示した。


表4-3 エクゼクティブ・サブカルチャーに伴う前提知識 (グローバル・コミュニティー)

  1. 財務に対するフォーカス
    • 財務的な活力と成長なしには,株主や社会に対するリターンは生まれない
    • 財務的な活力とは競合企業との永遠の戦いを意味する
  2. セルフイメージ: 「戦いに備える孤高の英雄」
    • 経済環境は永久に競争が続き,敵意に満ちたものである。「戦いにおいては誰も信用することはできない」
    • したがってCEOは「孤高の英雄」でなければならない。また全知全能,完全なコントロール,不可欠の存在をアピールしなければならない
    • 部下からは信頼できるデータを得ることはできない。何故なら彼らはあなたが聞きたがることしか伝えてくれないからだ。したがってCEOは自らの判断に益々頼らざるをえない (つまり正確なフィードバックが得られないことがリーダーの真実と全知全能の感覚を増強する)
    • 組織とマネジメントは本来的に階層的なものだ。つまり階層は地位と成功の尺度であり,コントロール保全のための主要な手段なのだ
    • 人材は必要である。しかし彼らは必要悪であって,本質的な価値は備えていない。人材は獲得し,マネジすべきリソースのひとつであり,それ自身が目的とはなりえない
    • 問題なく機能しているそきは人材の全人格は必要としていない。彼らが契約している活動をこなしてくれれば十分だ

どの組織にも存在するオペレーター,エンジニア,経営層がどういう文化でどういうことを考えているかがまとまっていて参考になった。

結論

企業文化とリーダーシップという組織における重要なテーマを扱っており,読む前は期待していた。一部,組織における文化について参考になる部分はあった。

しかし,大部分は著者のコンサルテーション録となっている部分があり,だらだらと長く小難しく書かれているだけで,要点がわかりにくかった。文献の引用もたくさんあって,学術資料としてはよいのかもしれない。しかし,一般の人が読むには冗長すぎる。

もう少し一般人向けに内容をかいつまんで,要点を整理してくれたほうが良かった。「人を助けるとはどういうことか」がよかっただけに,期待はずれだった。

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書評☆4 協力し学び合う日本型組織のつくり方 | 成果主義が成果を出せない3の理由

概要

社内などで協力が得られず悩んでいて読んだ1冊だ。

従来の日本型経営はいい点があった。2000年代に入り,成果主義,競争主義が導入されたものの,社内の人間関係が希薄になり,逆に失敗するようになってきた。こうした背景を受け,従来の日本型経営を見直し,人を活かす経営理念,組織のあり方を論じている。

学者の書いた本なので,堅苦しくてイマイチかなと思ったが,文量も150ページほどとそこまで多くはなく,内容はよかった。

成果主義が失敗する理由,そして年功序列の利点が書かれており,よかった。経営についてあまり良く知らない人は,世界の流行から成果主義が大事で,従来の日本型経営は悪いものだと思う人もいる。そういう間違いを認識できた。

参考

p. 2: 経営理念とは何か

その表現のしかたは様々であるが、全ての見解に一致する点は、①利益を超えた、企業の目的を示したものであり、②そこには価値観が包含されているとみることができる。この2点を踏まえたうえで著者なりの定義をしてみると、経営理念とは「企業の基本的かつ最終的な目的、および企業の存在理由を示した、経営上における意思決定の根本的な拠り所」となると考えられる。

まず冒頭で経営理念とは何かを定義しているのが良かった。

p. 4: 理念の価値側面の効果

したがって企業文化は「企業のほとんどの構成員によって共有され、かっ受け継がれるもので、将来の行動を条件づける」という特徴を備えていることになる。

企業文化が大事とはいわれるが,では企業文化とは何なのかは人によって解釈が曖昧だった。ここで,文化とは何であるかがはっきりと特徴が書かれており,参考になった。

p. 75: 3) 成果主義はなぜ失敗したか

1990年代に鳴り物入りで始まった成果主義ではあるが、現在その評価は低い。少し以前だが日経ビジネスが2009年に行った調査では、69%の企業が成果主義は失敗だったと認めたという。

成果主義はなぜうまくいかないのか。 改めて整理してみよう。一つは、成果主義は結果主義という点にある。企業活動の評価は基本的に結果重視ではあるが、結果を出すための手段が目的化するか否か、あるいは結果をどう評価するかで、活動全体に対する評価が違ってくる。成果主義における評価は、結果がよければ全てよしという選別思想そのものだ。これは明らかに、はじめに査定ありきという悪しき査定主義であり、査定の結果によって個人間に格差が生まれる。選別格差によって同僚は競争相手になる。筆者が当初から、成果主義は「同僚は敵」をつくったといったのはこのためだ。

二つは、成果主義は多大な金銭報酬と共に地位を与えたことだ。金銭の報酬は拝金主義を助長した。本来成果には金銭ではなく名誉を与えるべきである。そして、地位は人間性で決めるべきで、成果を出す「才」に与えてはならない。

三つは、目標管理の達成度で成果を評価した点だ。これでは将来的な目標や創造的な目標は立てられない。なぜなら、(変化の激しい今日の環境では成果が出る保障がないからだ。いきおい、短期間に確実に成果が出る見込があり、実行可能な目標に限定される。目標がレベルの低いものに集中し、挑戦しなくなったといわれるようになったのはこのためである。

成果主義は多くの会社で失敗だったと認められているようだ。そして,その理由が3点に整理されている。1点目が同僚が競争相手になること。2点目が,拝金主義を助長し,成果を出す「才」に地位を与え,人間性を無視したこと。3点目が,目標管理の達成度で成果を評価した点。これにより,目標が短期的に成果の出るレベルの低いものに集中し,挑戦できなくなった。

これは耳が痛い指摘だ。現在所属している会社に見事に当てはまっている。

p. 77: 成果主義の誤りの修正方法

ではどうするか。一言でいえば、はじめによい成果を生むための仕組みゃ動機付けがこなければならないということである。つまり、人々の仕事の質を高めたり、同僚と切瑳琢磨する精神の函養、情報の共有による新しい知織の創造を生むシステムや職場風土をつくることが先決である。個人を成長させつつ、その力を集団の業績に集約する高業績創出システムである。決して、大きい報酬差と選別によって、過大な個人間格差をもたらしてはならない。

成果主義の問題点を修正する方法が書いてある。成果主義の失敗は,過大な個人格差を生むことになる。そのため,仕組みや動機づけを用意しなければ,解決は難しい。

p. 83: 日本型経営の未来がある伊那食品工業

年功制は、職務の蛮化に対応しやすい。日本では人に仕事を合わせる柔軟な職務観をもっており、能力の伸長や適性によって、職務の異動が自由に行われてきた。この異動は年功賃金だからできるのである。アメリ力のような職務給の下では、職務のレベルによって黄金が変わるため、レベルの低い仕事への異動はむずかしい。また、新しい仕事では成果を出すことはむずかしい。今日、環境蛮化は激しく、新しく生まれる職務もあれば、消えていく職務もある。企業は職務の変化に柔軟に対応できなければ衰退するしかない。人々は異動やローテーションによって、新しい職務への対応を迫られる。その日寺、職務のレベルや成果で評価されるなら、新しい職務への挑戦意欲は失われる。年功給はこうした不平を払拭してくれる。

年功制の利点が記されていた。昨今,仕事の流行り廃りがあり,成果主義だと,レベルの低い仕事や,成果を出すのが難しい新しい仕事への挑戦ができない。たしかにそれはそうだ。こうした問題に対処するのに,年功制はありだと感じた。

結論

2000年に入ってから成果主義がもてはやされるようになった。しかし,成果主義では成果が出ないことがわかってきている。この本では,そうした成果主義の問題点や,従来の日本型経営の利点について書かれており,今まで考えつかなかった視点が得られてよかった。

ただ,この問題に対処するには,本書のp. 77にあるとおり,仕組みを変える必要がある。これは,会社の人事部が大旗を振って動かないと対応できないだろう。個人がどうこうできる問題ではない。

会社の人事部やおえらいさんに読ませたい本だった。

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書評☆4 もう、名刺交換はするな。 | 名刺交換の極意,それは相手が話したいことと聞きたいことへの徹底

概要

名刺交換のコツについて調べていて読んだ一冊だ。

日本におけるパフォーマンス学の第一人者である著者による名刺交換の極意がまとまっている。まず,書名がいい。名刺交換の話なのに,名刺交換はするなという書名で人を惹き付ける。

そして,内容も具体的で効果的なものが多くてとても参考になった。特に,第1章に名刺交換の重要なポイントがまとまっている。第2章からは名刺交換後の人脈構成のコツが書かれている。

この第2章の内容が,名刺交換時の極意だろうと感じた。ポイントは相手の話したいことを話させ,相手の聞きたいことを話すということだ。

名刺交換の場だと,ついつい自分を売り込みたいので,自分の話をしがちだ。しかし,それだと相手の興味関心を引きつけることができず,その後の関係を構築するのが難しい。相手の話したいことを話させ,相手の聞きたいことをこちらも話す。こういうスタンスでいくのが大事そうだ。これをやるために,名刺に書かれている内容を瞬時に読み取り,それにあった質問や話をすることが大事だ。

参考

p. 27: 2 「元○○」の肩書きは無視しなさい

まずは「元」とついていたら、「今は使えないぞ!」とピンときてください。

元という肩書きには注意が必要だとわかった。

p. 27: 3 肩書きがズラリとあったら"どれ"を一番重視するか?

それらの肩書きの中で、彼が一番力を入れているところを確認するための、もっとも簡単な方法をお教えしましょう。

  • 「郵便物はどこに送ったらよろしいですか?」
  • 「専属の秘書さんが常駐しているところはどこですか?」
  • 「渡がアポイントをいただくには、どちらへご連絡したらよろしいですか?」

有力者は多数の肩書きを持っていることがある。どこに一番力を入れているか判断するのに,郵便物の送付先を尋ねるのはうまいと思った。名刺交換会の場の話題としてもよい。

p. 33: 5 「ミスター・ハズレくじ」を見抜く

「たとえ名刺の肩書きが立派でも、持ち主であるその人から『ハズレくじ』のオーラがでていたらやめなさい」


たくさんの人が集まる場所で、あなたがまず見つけるべきは「顔と姿勢の良い人」に限るのです。

たしかに,ハズレな人はハズレのオーラがでている。顔や姿勢が悪い人でいい人というのはそういない。

p. 39: 6 相手は、あなたに関心を持っているか?

名刺の肩書きが全部正しく、その持ち主は地位も収入も素晴らしい実力者であると仮定して、ではその人があなたにとって本当はどんな人物なのか?相手はあなたのことを、どう思っているのか?これをしっかりと把握することが重要です。


いつも背筋を伸ばしていること。いつも笑顔でいること。初対面の人にあったら、まずは笑顔であいさつすること。目の前の相手がどんな人かわからなくても、笑顔であいさつすること。

「笑顔には3つの効果があります。

  1. 相手の警戒心を解く
  2. 相手に親しさを伝える
  3. 相手のやる気を喚起する

ちゃんと覚えておきましょう」


半年前の会場でMさんが打つべき手は、少なくとも2つあったはずです。

  1. 「数日中に、渡の方からご連絡せせていただくには、どうしたらいいでしょうか?」と聞く
  2. 「相手が自分の名刺を見つめている時間の長さ」あるいは「質問の有無」で自分への関心度や好感度を把握

相手が自分に興味と持ってくれているかの見極めが重要だった。こちらの次の行動に対してポジティブなアクションがあるか,相手から自発的な行動があるか,ここでその後も付き合うかどうかを判断できる。

p. 46: "その人"は誰と話しているのか?

会場の2割は、当日の主役のK氏と同じくらいか、大体その前後のレベルの仕事をしている人々です。


しかし、あとの8割は、K氏またはそれに近い2割の人々と新たにお近づきになりたい、あるいは、彼らと「初対面」ではないけれど今よりもう少し親しくなりたいと思っている人。つまり、"ビジネスチャンスを窺っている人々"です。

先日の300人の会場にも、この二群が「混在」しているように見えました。

しかし、正確には、「混在」ではないのです。


後になってMさんに電話で伝えた「二群の見分け方」のヒントを、まあ1つだけお伝えしましょう。

「ミスター・ハズレくじ」は、恐らく乾杯が終わった瞬間に、食べ物のテーブルにダッシュしたのでしょう。


要するに、ヒマ人のところに長居をするな、ということ。

エグゼクティブクラスの人は、お互いをそれと認めている人と集まるのが常です。

あなたにダメ押しのことわざを、ひとつプレゼント。

「Birds of a feather flock together.」

日本語なら、「類は友を呼ぶ」。

誰と話しているかに目を凝らさないと、名刺交換の時間がムダになります。

これもよかった。立食パーティーだと,どう振る舞えばいいのかよくわからず,ひとまず暇そうにしている人に話しかけたりしていた。これは悪かった。VIPはVIPどうしで固まるから,ヒマ人に長居はせず,VIPに近づくべきだった。

p. 54: 8 場所から見抜く「主役」と「端役」

「相手」を見る前に大事なことで、パッと見てすぐわかるのが、「"その人"は会場のどの一にいるか」です。


そのU氏には、ひとつ素晴らしい「ステージ使用法の原則」があるようなのです。

「会場では入り口で止まるな。センターへ行け」だろうと思われます。

入り口にかじりついている人に、あまり重要な人はいない、当日の主役、つまり大物は、会場のひな壇のあたりか、その近く、要するにメインテーブルのあたりにいます。その主人公、つまり当日の「主役」に近しい人は、やはり会場のセンターに寄っていきます。


ひな壇、あるいは壇がない平坦なフロアでも、会場のセンターと思しきところには、今ビジネスで上昇気流に乗っている人が集まります。

なんとなくうまくいっていなかったり、自信のない人は会場のセンターではなく、センター外、つまり周辺(ペリフェラル)に集まります。

だから、MさんにもSさんにも、読者のあなたにも言いたいのです。

「『主役の場所』にいる人に、まず話しかけなざい」と。

名刺交換会の場の重要人物がどこにいて,どこにいる人に話しかければいいのかわかった。

成功者5人に共通するたった一つの名刺交換テクニック

自分の専門分野については自信がある。そして,新しいキーワードが来たときに,好奇心いっぱいに質問し,自分の分野に翻訳して返す。これが成功者の共通点のようです。

巻末に付属する20分ほどの特典音声をきいた。書籍内の原則と同じで,相手の話したいことを質問し,ききたいことを話すという原則に成功者はしたがっているということがわかった。

結論

名刺交換の場での有力者の見つけ方,そして名刺交換時の極意が書かれており,とても参考になった。

やはりだが,デール・カーネギーの「人を動かす」にある通り,特に初対面の場合,自分のことを差し置いてでも,相手への興味関心を示し続けることが重要だ。次回の名刺交換や立食パーティーでは,この本の内容を念頭に置いて,うまく振る舞えるようにしたい。

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書評☆2 また会いたい! と思われる人になる | 吉本興業マネージャー出身の研修会社女社長の経験による人脈作りのコツ

概要

名刺交換のコツについて調べていて読んだ本の一冊だ。

1963年生まれで,吉本興業に新卒で入社し,大物芸人 (横山やすし,宮川大助・花子など) のマネージャーを務め,2003年に研修会社の志縁塾を設立した著者による,人脈作りのための本だ。

前著『「出会い力」の磨き方』の続編にあたるらしい。

副題に『名刺交換だけでは「人脈」になりません』とあり,名刺交換について書かれていることを期待して読んだ。

内容は著者がまた会いたいと思う人がどのような人かについて好き勝手に書いていた。しかし,内容がけっこう一般的なことだけで終わり,そこから掘り下げるということがあまりなかった。著者の経験談はあったが,あくまで経験の話であり,それを他の人が適用できるかどうかはまた別の話だ。

一つ一つのテーマも手短にまとまっており,読みやすくはあったが,物足りなかった。

参考

p. 16: 興味を持って、相手の話を聞いてみる

人との出会いは、昔からよく言われるけれど、「一回目は偶然、二回目は必然、三回目からはお互い縁にするかどうか」。

いい言葉だなと思った。

p. 18: 愛嬌のある人は、かわいがられる

営業研修などで若い人たちから、「著名人や社会的地位のある人と名刺交換するとき、どうやって話のきっかけをつかめばいいですか」と聞かれることがよくある。

わたしがアドバイスするのは、たとえば「わたしは二二歳なんですが、社長は二二歳のときに、どんなことをされていましたか?」という質問は殺し文句になる、ということ。


人生の先輩を立て、話を聞こうとする人は、やはりかわいがられる。

これはいい質問だと感じた。今後活用したい。

結論

名刺交換のコツを期待して読んだが,内容は一般的なことが多くてあまり参考にはならなかった。全く無駄だったというわけではなく,読み物としては悪くはなかった。ただ,一つ一つの内容が少なくて物足りなかった。

もう少し,裏付けをとったり客観的な事柄があるよかった。

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書評☆3 ハードウェアハッカー | ハードウェアオタクのための量産開発秘話

概要

ITエンジニアに読んでほしい!技術書・ビジネス書 大賞2019 に選ばれており,ネット上での評判も良かったので興味を持って読んだ。

ChumbyというLinuxベースのインターネットに接続できるガジェットの開発者によるハードウェアの量産・開発について書かれた本だった。

前半は中国のシンセンでのハードウェアの市場や工場の見学した記録,中国の工場と実際に協力して発生したトラブルや感じたことがレポートされていた。後半辺りから,実際のガジェットのハックや,ライセンス違反をしないように新しい製品を作っていく過程について書いてあった。

内容がハードウェア開発のスタートアップ企業の視点だったため,ある程度ハードウェアについての関心がないとあまり興味を持たないような内容だった。普通の人がこの本を読んでもふーんくらいで終わる。おそらく,こういうハードウェア好きなオタクが読まないと意味がないだろう。

結論

ネット上での評判が良かったので気になっていたが,少なくとも自分には合わなかった。ある程度ハードウェア関係に興味のある人じゃないと読んでも役に立たないだろう。

SDカードの粗悪品の調査などマニアックな内容があるので,そういうのが好きなオタクにはいいだろう。ただし,一般の人が読んでも時間の無駄に終わるだろうと感じた。

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書評☆3 カイゼン・ジャーニー | ソフトウェア開発のおとぎ話

概要

ネット上での評判がよく,ITエンジニアに読んでほしい!技術書・ビジネス書 大賞2019 にノミネートされていたので興味を持って読んだ。

ソフトウェア開発の現場をよりよくするために,著者の経験を元にしたフィクションのストーリーとその解説を中心とした内容となっている。スクラムやらチームづくりなどについて書かれている。

ただし,自分にはあまり響かなかった。というのも,第一部であるように,結局,自分の考えに賛同する都合のいい人物の登場により状況が改善するからだ。

また,チームづくりに関しても小手先のテクニックな感じがしてならなかった。チームづくりに関しては,チームというよりかは人と人とのコミュニケーションについての本のほうが役に立つ気がした。例えば,デール・カーネギーの名著「人を動かす」であったり,先日読んだ「 人を助けるとはどういうことか」などだ。

そもそもスクラムやらこの本で述べられている開発手法については経験したことがなく,おとぎ話のように感じてしまった。一度体験しないと理解できないだろう。

参考

p. 044: タスクボードの基本

TODOを洗い出すと、すっきりする反面、量が多くなってタスクの全体像が俯瞰しづらくなる。だから、TODOには直近で必要な一定期間分のタスクのみを貼り出すようにして、先々のタスクや気付いたことなんかは、別の場所にためておくようにすると良いだろう。この場所を、Icebox (冷凍庫) といったり、Parking Lot (駐車場) と呼んだりする。優先順位をつけずに、いったん預けておく場所という意味合いだ。

タスクには取り組むべき順番がたいていはある。TODOのステージで、上下の並びで優先順位を表現すると良いだろう。

Kanbordというカンバン方式のタスクボードサービスを使っている。カンバン方式のタスク管理はやり方がいまいちよくわかっていなかった。普通に使うと,TODOが大量に出てしまい,縦に間延びしてしまう。ここでタスクボードの使い方が参考になった。

結論

ネット上での評判が良かったので期待していたのだが,自分には合わなかった。こういう開発手法というのは,周りにある程度理解者がいたり,自分が権力を行使できる立場にならなければ,発揮できない。

こうしたことができるような現場に入ることや,もっと根本的には人とのコミュニケーションの取り方について学んだほうが有益ではないかと感じた。

パーマリンク: https://book.senooken.jp/post/2019/03/05/