概要
1983年に「ちくまセミナー1」として刊行され,1986年にちくま文庫として刊行されたもののワイド版となっている。
元となった本が1980年代のものであり,昔の人の思考整理術が書かれている。
著者が英文学者であり,いかにも文系的な内容となっている。つまり,文献の引用などはなく,著者が考えること,他の文献を読んで参考になったことなどが書かれている。
けっこう一般的なことが書かれている。例えば,一度他のことを考えてみるとか,とにかく書き出してみるとか。
記憶にとどまった内容をノートに記し,特に印象的だったものなどをさらにまとめていくことで,自分だけの思考整理ノートができる。こういう考え方はよかった。
ただ,全体的に文体が偉そうな感じで,読んでいてあまり気分は良くなかった。
結論
図書館での貸出が人気であり,人気の本なのだと期待していたのだが,期待はずれだった。
昔であれば,このような本も貴重だったのかもしれない。しかし,今となっては別にそこまで目新しいことでもない。
せめて,もう少し文献を引用するなど,科学的根拠に基づく内容を展開してほしかった。著者の思考整理術に終止しており,個人の方法論を出るものではなかった。
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