概要
日本で分散SNSのMastodonが話題になったのは2017-04だが,この直後にこの本は発刊されている。
流行の中心にたmstdn.jp設立者のぬるかるやその他の識者11人によるオムニバス形式または寄稿という形で一人10ページ以内程度の文章で本書は構成されている。
マストドンとは何かの概要から,利用者へのインタビュー,SNSのありかた,プロトコル,API,サーバー設置方法など,さまざまな内容が盛り込まれている。
ページ数もそんなに多くないので,一つ一つの内容はそこまでたいしたことはないが,参考になるものもあった。
特に参考になったのが,岡本雄大による「8.OStatus:受け継いだ連合SNSの思想」あ。岡本はP2Pなどのプロトコルを大学院で研究しており,プロトコル周りへの興味関心が高かったため,Mastodonが当初採用していたOStatus周りのプロトコルが整理されていた。
OStasusは多数のプロトコルの寄せ集めであるので,それらのプロトコルの概要やがどこで定義されているのかがまとまっていて,情報源として参照しやすくてよかった。参考文献 (URL) が記載されていれば,もっとよかったのだが…
結論
Mastodonブームの直後に発刊されたものであり,内容が若干薄くはあるが,ブーム時の様子が伺えるようなもので,当時を振り返る貴重な資料となるだろう。
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