書評☆3: お金の真理 与沢翼が出したお金と幸せ、その最終結論 | 人脈は負債というフレーズが印象的なお金に関する本

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概要

  • 書名: お金の真理 与沢翼が出したお金と幸せ、その最終結論
  • 副題: 与沢翼が出したお金と幸せ、その最終結論
  • 著者: 与沢 翼
  • ISBN: 9784299000149
  • 出版: 2020-05-07
  • 読了: 2020-10-09 Fri
  • 評価: ☆3
  • URL: book.senooken.jp/post/2020/10/10/

評価

新型コロナウイルス感染症が蔓延しているまっただ中に出版された与沢翼の新刊となっている。

お金に関して痛い目に数多くあってきた与沢翼が,お金についてどう付き合うべきかが書かれていた。

具体的な話はあまりなく,日常生活にすぐに取り込めそうなものはあまりないのだが,読み物として面白かった。

特に,人脈が負債という話が一番印象的だった。

引用

p. 30: 認知のプラス

私はこれまでテレビや新聞、雑誌、ラジオ、インターネットメディアなどに多数登場してきた体験から、「知られている」状態、あるいは「見られている」状態は、トータルで考えると圧倒的にプラスであると確信しています。ですから、本書を呼んでもしあなたが今後、本気でやり直そうと思ったのであれば、一刻も早くインターネット上に自分の考え方や諸活動を公開していくことをお勧めします。

与沢翼がメディアに登場する理由が語られていた。この本を手に取るきっかけを作るのに,露出が必要ということだった。

p. 65: 序章 「欲望の日々」から学んだこと

逆に妻とは毎日のようにセックスをしています。

昔はいろんな女性を求めていたものの,今は妻しか見ていないらしい。

p. 137: お金を守る

結局、だますほうも、さらに上位の誰かにはカモにされています。


結果的に、私は一連の過去の失敗によって、まず「疑う」「簡単に人を信じない」という学びを得ました。


こういう場合の背後にあるのは著名人、大企業の看板、大物の名前です。誰もが信頼しやすい素材が揃っていることで、「○○だから間違いない」というときこそ罠にハマる最短距離にいると心得てください。

p. 139: 大株主

たとえば私は今、株式会社エクストリームという会社の株を24万9500株 (発行済み総数の約4.6 %のシェア) を所有したままです。当社の期末であった2020年の3月末日をまたいでいますので、6月に開催される定時株主総会の招集通知にフィリップ・セキュリティーズ・クライアンツ (リテール) という名称で株主第3位に記載されてるはずですから、よければご覧になってみてください。

与沢翼のポートフォリオの一部が垣間見えた。

p. 148: 人脈は不要

また、人脈が、人脈が、と呪文のようにとなえ、多くの知り合いがいることを自慢するような人は、他人を「金儲けのための道具」と見ていることが多いです。この人と知り合えば自分が儲かる、得をするという下心があるからこそ近寄ってくるのです。


結論から言って、人脈を広げてもお金には結びつきません。人脈というのは、将来的にお金を奪っていくもので、むしろ「負債」なのです。


ただし、立場によってはこの考え方が当てはまらないケースもたしかにあるでしょう。

たとえば、大手企業の経営者なら事業提携なども関わってくるのである程度の人脈が必要です。企業のリクルーターや人材のスカウト、イベント関係者にとっても人脈づくりはビジネスの一環と言えます。彼らにとって人間関係は「在庫」なのです。

人脈は不要というのがかなり新鮮な考え方だった。たしかにそう思う。大切な人間というのは数千人に1人いるかどうか。

p. 206: タイミングと発想力

ここで重要になってくるのが発想力です。単純に行動力だけで評価されるのは参入タイミングが早いときだけ。遅くなってから成熟市場にノコノコと入っていく以上、それ相応のアイディアを日夜死ぬ気で考える必要があります。その努力を惜しむのであれば、成熟市場に入っていかないほうが得策です。

つまりなんでもかんでも始めればよいという話ではありません。始めるのであれば勝たねば何の意味もないのです。

ですから、次の潮流を待つという方法もあります。次のトレンドの芽となりそうなジャンルのアーリーアダプターの動きを注視することで、儲けのネタを探り、行動を開始するタイミングを図ることもできます。

YouTuberなどの新しいことに挑戦する際について書かれていた。アーリーアダプターに普及してきたタイミングで算入するのが一番勝ちやすいタイミングである。成熟市場に入るならば,頭を使う必要があるという話だった。

p. 245: コップの中の水をどう見るか

経営学の父といわれているP.F.ドラッカーの有名な言葉に「コップの水」があります。ドラッカーが言わんとすることを、非常にわかりやすく伝えている日本映画があるので紹介しましょう。

その映画はバブル景気真っ盛りの1987年に公開された伊丹十三監督の『マルサの女』です。


なみなみといっぱいになるのを待って、それでも飲んじゃダメだよ。いっぱいになって、あふれて、垂れてくるやつ。これを舐める。我慢するの」

珍しく映画の引用があったのでメモした。

結論

復活した与沢翼によるお金について書かれた本だった。

読み物としての側面が強く,この本で具体的に何か行動を起こすというのは難しいかもしれない。

ただ,よけいなものを省くだとか,タイミングや発想を参考にすることはできるかもしれない。

読み物として悪くない本だった。

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