概要
信用売りと信用買いを併用することで,利益の固定・損失の固定を行い,リスクヘッジをかけながら,より確実に利益を出す方法を解説しています。
あまりテクニカルやファンダメンタルな分析には頼らず,取引を重ねることで利益を目指しており,手軽な印象を受けました。
参考箇所
取引を重ねて利益を目指す都合,以下の条件を満たす銘柄に絞って取引することを勧めています(p. 108-109)
- 倒産しにくい
- 出来高が大きい
- 信用買い・信用売りの両方が可能
- 値動きが大きい
例えば,著者はブリジストンの銘柄に絞って取引をしており,この他にもトヨタなど国際的な大企業であれば,これらの4の条件を満たしており,向いているとのことです。
一番印象に残っているのは,投資の練習方法です(第6章)。
過去トレードとバーチャルトレードの2通りの方法が書いてありました。手順は以下のとおりです。
- 投資予定の銘柄の過去5年分の終値データを用意。
- 終値以外のデータを削除して日付と終値が並んだ状態にする。
- 日付と終値以外に株数と確定利益という列を追加。
- 終値の列を塗りつぶす。
- 塗りつぶしをずらしながら,取引の判断をしたら株数欄に記入,決済したら確定利益を記入。
- これを10回繰り返す。2回目以降は取引の傾向を変えてやってみる。
- 過去トレードが終わったら,バーチャルトレードもやってみる。
過去5年分を10回も繰り返すなら,けっこう手間だと感じましたが,実際にお金が動くことを考えればこれくらいの練習は必要なのだろうと感じました。
また,株価に影響を与える指標として以下の指標についても解説していました。
- 決算発表
- 米国雇用統計
- 日米金融政策
- FOMC
- NYダウ
まとめ
全体としては,以前読んだ「株は技術だ! 倍々で勝ち続ける究極のチャート授業 (相場師朗)」(https://book.senooken.jp/post/2017/12/22/)と似ている内容でした。波乗り投資法はテクニカルな面がそこまで強くなく,取り組みやすいと感じました。
ただし,相場氏の本では,よりテクニカルな内容(キリの良い株価での圧力など)が書かれており,個人的にはこちらのほうが勉強になった気がして参考になりました。
信用売りと信用買いを併用してリスクヘッジをかけるという点では共通しており,いろんな投資法で採用されている方法は有効なのだろうと考えを深めることができてよかったです。
コメント