概要
日本自動車業界のトップであるトヨタ自動車に勤務していた著者により,トヨタで仕事の成果を上げるために実践されていた,仕事の取り組み方,考え方について書かれている。
内容は,物語仕立てになっている。サーバーを製造・販売している会社に,取締役としてトヨタ出身の著者にみたてた人物が赴任する。うだつのあがらない入社数年の主人公を通じて,ダメなパターンと,トヨタ式の考え方で,解決方法が展開されている。
書いている内容は,一般的でいいことなのだけど,やはり物語なので,実際はこんなうまくいかないだろうということがけっこうある。
例えば,横展開。いいアイデアを思いついたとしても,そもそも組織内でコミュニケーションできる雰囲気・文化がなければ,全体にアナウンスすること自体がはばかられる。また,誰か (特に年上,役職者) からダメ出しを受けた場合,その後展開すること自体が困難になる。これをはねのけて,社内に展開するのは現実的に困難を極める。
また,物語仕立てになっているので,具体的でわかりやすい。ただし,その反面後で参照しにくい。
読み物として読むのがいいと思った。
結論
書いてある事自体は,いいことなのだが,既に知っていることもけっこうあった。また,わかってはいるが,職場で実行するのは難しいことがけっこうある。
正直なところ,無能な上司にあたった場合,基本的に対応不可能だ。この本の物語では,有能な人物が取締役として,主人公と話できている時点ですでに十分いい条件だ。普通の会社では,こんな有能な人物が重要な役職にはついておらず,コミュニケーションの機会自体がない。
だから,結局のところ絵に書いた餅だ。無能な上司を駆逐する方法を教えてほしい。
コメント
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