書評☆4 アイデア大全 | 新しいアイデアを生み出すための方法論集

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概要

新しいアイデアを出すために古今東西で編み出されてきたさまざまな方法論を集めて解説している。

かなりいろんな分野から選べれており,その方法論の出典を掲載し,簡単なイラストを用いてわかりやすく解説している。

これだけあれば,知らない方法や参考になる方法が1個2個は見つかるし,それが見つかるだけでも読む価値はあるだろう。

アイデアを出すのはけっこう面倒くさい作業で,普通の人はぱっと思いついたことだけで終わるだろう。コンサルタントやクリエイティブ系仕事をしている人の場合,アイデアが重要となる。そういう人たちが新しいアイデアを出すための参考にするのがよいだろう。

参考

p. 135: 19 問題逆転

  1. 問題や課題や既存のアイデアを言葉で表現する。
  2. 言葉にした問題の一部を非定形や対義語に置き換えて <逆転> する。
  3. 裏返した問題についての <逆転的解決策> を考える (他の技法を使う)。
  4. <逆転的解決策> がいくつか出せたら、(一部変更して) 元の問題の解決に使えないか考える。
    1. でできた解決策が使えるかどうか確かめる。

逆転裁判ででてくるような逆転の発想を使っていた。失敗を人工的に作り出ることで,発想の幅を広げるというのは面白い考え方だった。

p. 156: 22 ヴァーチャル賢人会議

頭の中に偉人や賢人を招いて仮想的な会議を開くという考え方が面白かった。自分が尊敬する人物であればどう考えるか?というのを考えることで,今までで違う視点が見つかるかもしれない。

p. 192: 26 さくらんぼ分割法

  1. 課題を簡潔に「○○を△△する」または「○○な△△」というふうに2語で表現する。
  2. 表現の2語 (○○と△△) について、それぞれの属性を考え、2つの属性に分割する。
  3. それぞれの属性について、さらに2つの属性に分割する。これを十分だと思うまで繰り返す。 4 分割してできたたくさんの属性から、好きなようにして組み合わせて新しいアイデアを作る。

独創的なアイデアは既存のものの今までになかった組み合わせだとよくいわれる。まさに,これを実践するための手法だと感じた。

p. 253: 35 NM法T型

  1. QK (Question of Keyword): 「要するにどうすれば/どうなればいいか?」と問い,課題を端的に一語 (動詞や形容詞) で表現したキーワードを決める。
  2. QA (Question of Analogy): キーワードそれぞれについて「(動詞の場合) ○○するもの/(形容詞の場合)○○なものといえば、たとえば何があるか?」と問い掛け、類比する実例を集める。
  3. QB (Question of Background): 類比実例のそれぞれについて「そこで何が起きているか?」と問い掛け、背景を探る。
  4. QC (Question of Concept): 背景に出てきたイメージをそれぞれヒントにして、「それは何かの役に立たないか?」と問い掛け、課題の解決法を考える。

ステップが明快でよかった。最後のQCのそれは何かの役に立たないかという前向きな質問もよかった。

結論

アイデアを出すためのいろんな方法を知れてよかった。ただし,これを実践するというのはまた話が変わってくる。やるのはけっこう面倒くさい。

どちらかというと,自分は方法論を知るための教養のための本のように感じてしまった。

必要になった場合にまた読むことになるだろう。

パーマリンク: https://book.senooken.jp/post/2019/07/10/

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