概要
- 書名: たった1年で人生が劇的に変わるポータルサイトビジネス
- 副題: 誰でもできる不労所得の作り方
- 著者: 深井 良祐
- ISBN: 9784772661072
- 出版: 2018-04-10
- 読了: 2020-07-09 Thu
- 評価: ☆5
- URL: book.senooken.jp/post/2020/07/16/
評価
ビジネスやお金儲けの方法について調査中に読んだ一冊だ。
本書は一言でいうと,アフィリエイトサイトの運営指南本となっている。
いかにも胡散臭い書名からして,正直なところあまり期待していなかった。しかし,想像以上にいい本だった。
アフィリエイトサイトをやる上では,最初の1年間は我慢が必要となる。ここはよく聞く話でわかっていた。ではどういう内容で,どうやっていくか?継続もさることながら,内容も当然重要で,本書はその肝心の内容について詳しく解説していた。
ビジネスにつなげること,お金を稼ぐことが,顧客の役に立つことであるので,収益というところに意識がおいてあった。
具体的には,ジャンル選定だ。ジャンルを間違えると儲けるのがかなり難しくなる。例えば,映画などの趣味・エンタメ関係は単価も少なく,収益にするのがかなり難しい。加えて,Google Adsenseのような広告収入モデルも単価がそもそも少なすぎて,難しい。
その他,ジャンル選定において大型書店での販売面積や一般広告にどういうものがあるのか,その他,ライバルサイトがどういう商品を取り扱っているのか?こういう点が押さえられていた。
最近読んだ以下の3冊で書かれているライバルを真似するという視点があった。
ライバルを真似するということがどういうことかというイメージがあまりついていなかったのだが,扱う商材や紹介内容を真似るということで,意味がよくわかった。
また,どういうことが儲かるのかというビジネス思考が普段の仕事でも有用に感じた。今まで,こういうビジネス思考が身についておらず,自分の主観だけで判断を進めてきた。このあたりが分かることで,効率的に次の一手を選べるように感じた。
引用
参考になった箇所が多いので,ページ数と概要などを列挙する。
- p. 50: 4 初心者を相手にするのがビジネスの基本
- p. 60: 7 自社製品を販売するリストマーケティング
p. 75: 1 レッドオーシャンだからこそ収益が上がる
ブルーオーシャンは市場を見つけること自体が難しい。代わりに,儲かることがわかっているレッドオーシャンで切り口を変えて取り組む。
p. 76: 2 アフィリエイトの対象になる分野
アフィリエイトであれば収益が上がるジャンルが決まっているので以下のジャンルから選ぶ。
- 金融: キャッシング,ローン,クレジットカード,保険など
- 投資: 株,FXなど
- 転職: 転職全般,薬剤師,看護師,SE (システムエンジニア),保育士,第二新卒,女性など
- 結婚: 結婚相談所,出会い系,恋愛アプリなど
- 健康: サプリメント・健康食品 (便秘,肩こり,アトピー,青汁など),ウォーターサーバーなど
- 美容: 脱毛,エステ,ニキビ,化粧品,バストアップ,薄毛・白髪染め,体臭,シャンプー,美容整形など
- 機器: レンタルサーバー,インターネット回線など
- その他: 一括見積系 (引っ越し,中古車・バイク査定),不動産,リユース (買取),英語,資格・通信講座,探偵など
p. 80:3 マッチングビジネスで収益が上がる分野
なお,マッチングビジネスの話をすると必ず出てくる質問として,「どのようにして提携業者を探すのか」という問題があります。…電話をかけて提携業者を探す場合,初回は仲介手数料無しで,完全無料でお客様を紹介しましょう。その代わり,「次回からは仲介手数料をもらいたい」と申し出るのです。
p. 86: 4 リストマーケティングで収益が上がる分野
アフィリエイトやマッチングビジネスには,ジャンルを選ぶときに制約がありましたが,3のリストマーケティングはどうかというと、特に制約はありません。
ではどのようにしてリストマーケティングで収益が上がるジャンルを見つければいいのでしょうか?
まずは,大型書店に出向いて,どのようなジャンルに需要があるのかを調査してください。着目すべきは書店の売り場面積です。
ただ,書店を見るときの注意点があります。それは,ロングセラーに着目することです。本にはベストセラーとロングセラーの二つがあります。
ベストセラーというのは,世の中の時流にたまたま乗って売れた本のことです。
p. 90: 5 広告を見れば収益が上がるジャンルが分かる
ここからわかることは,「毎回高額な広告を出している業界は,それでも十分に元をとれるくらい収益が上がるジャンルである」ということです。
世の中の広告さえ見れば,収益が上がるジャンルを完全に把握できるようになります。
p. 98: コラム ビジネスではカンニングする人ほど成功する
p. 100: 1 興味・強みがある分野で勝負するべき
ビジネスを開始する時,二つの考え方があります。それは,「興味など関係なく,儲かれば何でもいいので収益が上がるジャンルだけを攻める」というのと,「自分が興味をもっていたり,強みとするジャンルで勝負する」という考え方です。
どちらも正解ですが,サイト運営に関していうと,興味や強みのあるジャンルで勝負したほうが成功しやすいです。なぜなら,1年間は成果が表れないからです。
正直なところ,まったく興味のないジャンルの記事を1年間も書き続けるのは苦痛でしかありません。
p. 105: 3 強み発見のフローチャート
強みを見つけるとはいっても,何の資料もなしに適当にヒアリングして強みが分かるわけではありません。
そこで,私がクライアントにヒアリング前に必ず実施してもらっていることがあります。それは,自分史の作成です。
それぞれの場面で何に興味をもっており,どんな悩みやコンプレックスをもっていたのか,乱雑でもいいので詳細に内容を書いてもらいます。
自分史を書き上げたあと,その中から「どのジャンルに算入するのがいいのか」を考えていきます。過去の自分の経験と照らし合わせ,興味をもって取り組めるジャンルを選ぶのです。
p. 111: 6 どの商品を売ればいいのか見極める
実際にサイトを構築するとしても,どのような商品を売ればいいのかわからない人も多いでしょう。では,どのような基準で判断すればいいのでしょうか?
たとえばアフィリエイトであれば,「○○ ランキング」と検索しましょう。
すると,ライバルサイトがたくさん出てきますが,どのサイトもグルコサミンを売っていることに気がつくでしょう。腰痛サイトではグルコサミンを売れば収益が上がることが分かります。
あらゆるサイトに共通して掲載されているということは,要は「そのメーカーのグルコサミンが非常に売れる。また,実際に売れたときに報酬をたくさん出してくれる」ということになります。つまり,ライバルサイトをチェックし,売れる商品を把握した上で,それと同じ商品を掲載すればいいのです。
p. 114: コラム 広告収入モデルは収益が上がらない
広告収入モデルは成果報酬と違うので,メーカー側としては「広告を掲載して本当に元が取れるのか分からない」という心理が働きます。そのため,収益額が非常に少ないのです。
ビジネスをする以上,成果が重要です。「アクセスが集まる媒体を作り,何の戦略もなしに広告を貼る」という広告収入モデルは小学生でも思いつくことができますが,こうしたビジネスモデルは非常に収益性が低いと認識してください。そのため,アフィリエイト,マッチングビジネス,リストマーケティングのどれかでネットビジネスをする必要があります。
p. 183: 6 リストマーケティングでの制約の動線
しかし,メルマガ登録を募集するといっても,読者はそんな簡単に自分のメールアドレスを登録してくれません。
そこでどうするかというと,特典を用意します。
多くの人は「無料」に力を注ぎませんが,人の行動を注意深く観察し,どのようにビジネスをすれば人を感動させることができるのかを突き詰めれば,本当に力を注ぐべきは「無料」だということに気がつきます。
結論
アフィリエイトサイトの成功に必要なビジネス思考が詳しく具体的に書かれていた。お金を稼ぐということがどういうことなのか,ビジネスの本質的なところ,正攻法的な内容が書かれていた。
うさんくさい書名で,正直期待していなかったのだが,大きく期待を裏切られた。これだけの内容がたった1400円で得られるというのは破格に思った。
本書はアフィリエイトサイトを扱ったものだが,アフィリエイトに限定されず,広くビジネス思考というものがどういうことかというのが,これまで読んだ本と重なる内容からはっきり見えてきた。
自分史の作成は,面倒くさい作業で今まで作ってもあまり役に立てられなかった。1年以上もの中長期的な取り組みを行う上で,自分の興味や強みというところは,取り組み先を決める上で重要だと思った。
是非手元に残して今後の取り組みの参考のために何回も読み直したいと思った。
コメント
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