書評☆4: マネー&フリー 僕らが楽して大儲けした57の秘訣 | 与沢翼の調査中に偶然発見したネットビジネスの源流

概要

  • 書名: マネー&フリー 僕らが楽して大儲けした57の秘訣
  • 副題:
  • 著者: 水野 俊哉
  • ISBN: 9784861137310
  • 出版: 2015-05-20
  • 読了: 2020-10-17 Sat
  • 評価: ☆4
  • URL: book.senooken.jp/post/2020/10/17/

評価

与沢翼について調査中に読んだ1冊だ。

ネット起業家7名へのルポをまとめた儲けの秘訣が書かれている。

  1. 川島和正
  2. 原田翔太
  3. 峯島忠昭 (水戸大家)
  4. 岩佐忠幸
  5. 原田陽平
  6. 与沢翼
  7. 菅野一勢

この中では与沢翼と菅野一勢の最後の2名の取材が特に良かった。この2名の取材がなければ,平凡の本だったが,ここがあったことで自分にはかなり価値が高く思えた。

まず与沢翼への取材では,著者と与沢翼は関わりが深いこともあり,手放しで彼を称賛するだけでなく疑問ももった取材だった。また,彼の愛読書や与沢塾のプロデューサーの名前なども記載されていて貴重だった。

その他,思いがけず良かったのが,最後の菅野一勢への取材・評伝だ。菅野一勢は情報商材のASPのインフォトップ設立者であり,ネットビジネスの第一世代ともいえる人物だ。彼の評伝の中でネットビジネスの世代や源流,そして彼の3大バカ売れルールなどが紹介されており,非常に興味深かった。

引用

p. 17: はじめは怪しんでいたが……

1979年生まれの川島と僕は、僕がデビュー策 (『成功本50冊「勝ち抜け」案内』 (光文社)) で書評したことが縁でメールのやり取りをするようになっていた。

本書の出版のきっかけになった著者のデビュー作が紹介されていた。

p. 28: 0.3 %の世界

僕は過去の経験からピンときた。これは「0.3 %の世界」だと。0.3 %の世界とは何か?それは世の中に分布する「バカ」の確率のことだ。


1000人に3人の割合で引っかかるカモがいれば、元は取れる料金設定になっているのだ。

バカやカモという言葉はよろしくないが,情報商材の基本概念が書かれていた。

p. 30: 稼ぎのデススター「プロダクトローンチ」

2010年から2012年にかけて、インターネット上の最新にして最強の販売手法は「プロダクトローンチ」であった。「プロダクト」とは商品、「ローンチ」は打ち上げるといった意味。まるでミサイルでも発射したかのように、一網打尽の儲けを狙うわけだ。

このプロダクトローンチの名とその威力を知らしめたのは、伊勢隆一郎と村上宗継コンビが仕掛けた「継承」である。「継承」のプロモーションは、プロダクトローンチの日本最初の成功例とも言われ、なんと「2日間で5億円」も売り上げたという。

情報ビジネスの近年の最初の成功事例が紹介されていた。

p. 191: 与沢翼という人物に迫る

今 (2012年当時) ハマっているのは、テレビや雑誌で紹介されるような高級レストランに片っ端から行くこと。好きな食べ物は鉄板焼き。店によってさまざまな食材を楽しめるのがいいそうだ。

恋人は元読者モデルの「山田るり子」。与沢と一緒にテレビ出演し、十数秒で数百万円の時計を購入するといったセレブっぷりが話題になった。『「お金持ちの彼」を見つけて、育てました』 (サンマーク出版) という本も出している。

好きな漫画は横山光輝の『三国志』と『項羽と劉邦』。『三国志』 (コミックスで60巻ぐらいある) は、30回ぐらい読んで暗記しているという。中国ものマニアらしく、TSUTAYAにある中国系DVDは全部見ているそうだ。

影響を受けた本は、アメリカの名ビジネスジャーナリスト、ダニエル・ピンクの『ハイコンセプト』 (三笠書房) と『フリーエージェント社会の到来』 (ダイヤモンド社)。そして弁護士の大平光代の『だから、あなたも生きぬいて』 (講談社)。小説は一切読まない。

「『竜馬がゆく』だけは読みましたけど。孫正義さんが薦めてたので、孫さんをつくった本ってどんなもんかな〜と思って。でも僕には向いてないっすね。小説って、間接的に雰囲気を伝えようとするじゃないですか。ああいう描写とか、いらないんですよ、ハッキリ言ってほしいんで。事実関係だけ確認させてもらえればいい」

好きなミュージシャンも、特にいない。


好きなスポーツも、特になし。中学校の時サッカーをやっていたというので、僕のフットサルチームに誘ってみたら、ちょっとだけ興味を示してくれた。

好きな動物は犬。

「犬ですね、完全に。チワワがいちばん好きです。ほんっとに、可愛いのが好きなんですよ」

与沢翼の好きな本や趣味について書かれていた。具体的な書名がまとめられていてよかった。地味に他の本ではこういう内容は書かれていなかった。また元彼女の山田るり子が本を出していたというのは初耳だった。

p. 194: 与沢翼の起業家物語

早大在学中の2005年、与沢はネットエイジ創業者、西川潔氏の「起業は楽しい」の影響と、経産省後援「ドリームゲート」で優秀賞を得たことをきっかけにベンチャー起業へ傾倒する。

学生起業のきっかけになったビジネスコンテストの名前が初めて明かされたように思った。

p. 201: 与沢との関係

以前は六本木ミッドタウンの自宅も毎週のようにおとずれていた。1冊目の本である「Super Free Agent Style」 (角川フォレスタ) の出版コンサルやメディア展開のアドバイスなどもしていたので、「僕と与沢とネオヒルズ族」というエッセイが書けそうなくらいの関係性はあるのだが、この2年間、最初の本を出してからの与沢翼狂想曲に僕はあえてつきあわないようにしてきた。彼の商材のネットでの販売方法やその評判などから危うさや違和感を覚えるようになったからだ。

与沢塾を仕掛けたプロデューサーはSKナレッジの佐藤文昭、小島幹登である。彼らも2012の時点で取材を終えていたが、今回は「今は違う仕事をしているので」という理由で掲載を拒否された。

今、インターネットで、1億円の札束を前にした与沢と当時、盟友だった小玉歩との2ショット写真は確認できる。しかし、なぜか与沢塾、「ネット有名人完全プロデュースパッケージ」はじめ、ローンチされたサービスの実態を示すものの痕跡はなくなっている。

著者と与沢との関係や与沢塾のプロデューサーが書かれていた。

p. 203-209: 疑惑

2014年の5月、講談社『FRIDAY』に「秒速で1億円稼ぐ男が転落!与沢翼 涙の告白 倒産危機でヒルズ族からホームレスへ」という見出しが踊った。


なにしろ、先の文春の記事によると、エスラグジュールの破産手続き中の疑惑まで書かれている。

「与沢氏は債権者に一円も返していません。決定日までに稼いだ金額は別の会社の売り上げということにして、自分は少額の顧問料をもらっただけにしたのです。その会社は恋人の会社で、今は与沢さんが代表です。しかも、まだ破産手続きは終わっていない。 (週刊文春 2013年2月28日)

この年、与沢翼はシンガポールへの移住を発表した。今回も犬と新しい彼女と一緒である。日本にいずれは帰ってくるのか。それとも戻ってこないのか。そのどちらかで、与沢がこれまで行ってきた「稼ぎ」の実態が「白か黒か」もわかるのではないか。僕はそんな風に考えている。

与沢の疑惑について書かれていた。なお,2020年10月の今も与沢は日本には帰ってきていない。

p. 210: 闇金ウシジマくん

当初、2012年中発売だったルポの発売がどんどん遅れているうちに、小学館ビックコミックスピリッツ誌上で「闇金ウシジマくん」のフリーエージェントくん編がスタートし、口調も体型もルックスも与沢翼クリソツの天生翔が登場した。


与沢は、作者の真鍋昌平氏から実際に取材を受けている。漫画に登場するのは「あれ、まんま僕の家ですからね」と与沢。

p. 213: マイルドヤンキーが、FASを儲けさせた?

マスコミに飽きられたら終わり、そんな焦りが与沢にはあったようだ。

では、そんな与沢の支持層はどのあたりだったのだろうか。

「ある事はあるんですよ。需要って。地方にいらっしゃる方とか、とにかく退屈なんですよね。あまり目標とか夢とかなかったりして。なんか刺激がないとか。もともと東京の人はある程度クール、冷静なんですよ。やっぱりなれているというか、感性的に。逆に田舎の人はコロッといっちゃう。だから、それも日本の格差のゆがみで、そこにインターネットから情報が流れてくると……。地方がいかにつまらないのかって、僕は思いますね。


破たんしたFASにも、地方から上京した幹部が多かったようだ。インターネットの動画マーケティングで告知した事業の顧客に、地方のマイルドヤンキー層が多かった、というのも不思議な話だ。

与沢翼の支持層について書かれていた。

p. 233: ネットビジネスクロニクル

業界としての歴史が浅いネットビジネスの世界でも、すでに「世代」がある。


僕の解釈では、第1世代が菅野一勢や田渕隆茂、畑岡宏光、石田健など「レジェンド世代」で、恐らく最近は直接会ったことのないネット起業家及び候補群の方が多いのではないか。

第二世代が、原田翔太や、川島和正、伊勢隆一郎や村上宗継などのグループ。第三世代が、菅野や川島達の判図に割って入るように現れた後発参入組でネオヒルズ族を自称した与沢翼や小玉歩ことAYU、佐藤文昭がや小島幹登などである。そして、源流をたどって行くと、そもそもの原点は、とある「ビジネス書界のカリスマ」に辿りつくのであった。


何度目かの取材の後の雑談中、原田翔太の口から以外な人物の名前がでてきた。

「ビジネスのことや、マーケティングのことは、神田昌典先生にいちばん習いました。


その「顧客獲得実践会」でマーケティングを学んだ人の中には、平秀信さんもいました。その平先生に後に学んだ人の代表が、川島和正や、伊勢隆一郎、村上宗継さんなど。他にも今非常に活躍しているネット起業家たちがいます。


菅野一勢も著書で、「当時、カリスマコンサルタント神田昌典さんが主宰する「顧客獲得実践会」という年間9万8000円の会員にもなって、必死にマーケティングも勉強しました」(「世界一ふざけた夢のかなえ方」)と書いてある。

やはり、源流をたどると神田昌典にぶちあたるというわけである。

ネット起業家の源流が書かれていた。ここの情報が非常に興味深かった。

p. 237: バカ売れ三大ルール

菅野は自著で、必ず売れす秘訣に気づいたと書いてある。


その秘訣を一言でいうと、「売れる寝たを見つけ、それを買わずにはイられないセールスレターに仕上げること」になる。

つまり「売れる商品をみつけて、宣伝しなさい」と説いているのだ。


では、売れるテーマはどうやって探すのか?この問いにも菅野は明快に答えてくれた。

「バカ売れ3大ルール」として

「男女の悩みが絡むノウハウ」「お金が儲かるノウハウ」「コンプレックス解消ノウハウ」をあげている。

どれもこれも身も蓋もないというか、人の弱みや欲望やコンプレックスに直結するものばかりだが、ノウハウはさらに売れるセールスレターの解説へと進んでいく。菅野の説く、売れるセールスレターの骨組みは以下の通り。

  1. 私は○○の問題を抱えており、悩んでいた。
  2. しかし、ある方法と出会った。
  3. すると、いままでの悩みがウソのように解決した。

(「時給800円のフリーターが207日で1億2047万円稼いだいちばん簡単な方法」(菅野一勢)より)

さらに凄いのは、バカ売れする情報起業の本流の手順である。手順1から手順4まであるのだが、順番に紹介してみよう。

  1. バカ売れ3大ルールの中から、あなたが詳しい分野、またはまだ詳しくなくても興味のある分野を探す
  2. ネタが決まったら、ホームページを立ち上げ、集客スタート (ポイント) この段階ではまだ商材は作らない
  3. 先行予約として注文を受ける
  4. 予約が少なかったら、その商材は作らない。予約が入ったら商材を作り始める。

【商品より先に客がある】

これはコロンブスの卵的な発想法といっていいだろう。

過去に読んだ船ケ山 哲の「お金と自由をもたらす最速の稼ぎ方」にも商品を作る前に受注するという話があったが,そのことがここにも書かれていた。

コンテンツビジネスの王道ともいえる方法で菅野一勢に興味をもった。

結論

ネット起業家7名へのルポをまとめた本だった。2012年くらいから足がけ3年くらいかかっている本だ。

最後の与沢翼と菅野一勢のこの2名への取材以外は本当にルポという形式で取材するまでの過程が説明されていたりで,正直ほとんど参考にならないような内容だった。しかし,この最後の2名への取材がそれをカバーできるくらい自分には新鮮なものだった。

この本だけだと特に何もないのだが,ここからまた与沢翼の愛読書や菅野一勢,さらにはネットビジネスの源流である神田昌典や平秀信といった人物を知ることができた。時間がかかるのだが,彼らについても調査を広げていきたいと思った。

その足がかりとなったこの本は自分には有益だった。

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