書評☆3 How Google Works (ハウ・グーグル・ワークス) | 新時代の知識労働者「スマート・クリエイティブ」のマネジメントが全て

概要

  • 書名: How Google Works (ハウ・グーグル・ワークス)
  • 副題: 私たちの働き方とマネジメント
  • 著者: エリック・シュミット and ジョナサン・ローゼンバーグ and アラン・イーグル
  • 出版日: 2017-09-01
  • 読了日: 2019-10-31 Thu
  • 評価: ☆3
  • URL: https://book.senooken.jp/post/2019/12/12/

評価

2014-10に日本経済新聞出版社から刊行された同名書を文庫化したものとなっている。

内容は,世界的な大企業となったGoogle社の成長の源泉となる働き方について,成功・成長している企業やベンチャーの発達過程をたどるように説明されている。

Googleの考え方,働き方について書かれた貴重な書籍となっている。

書籍内の至るところに,文献や研究の引用があり,ユーモアに富んだ説明があり,さすがというか知性を感じた。

本書全体を通して,「スマート・クリエイティブ」と呼んでいる新しい時代の知識労働者,いわゆる天才のマネジメント方法が書かれている。その中で,Google社の社内制度,戦略なども書かれている。

新しい時代では,プロダクトに根ざしたプラットフォーム戦略が重要というのも至るところで見かけた。

引用

p. 41-44 : スマート・クリエイティブ

ここで,本書全体と通して重要な「スマート・クリエイティブ」という新しい知識労働者の重要性を説いている。

一言でいうと天才なのだが,その最低限の特徴を抜粋すると以下となる。

  • ビジネスセンス
  • 専門知識
  • クリエイティブなエネルギー
  • 自発性

このスマート・クリエイティブを惹きつけ,彼らがとてつもない偉業を成し遂げるられるような環境をつくり出すことが,最高のプロダクトを生み出し続ける能力となる。

いってしまえば,本書はこのスマート・クリエイティブをうまくマネジメントするためにGoogleが試行錯誤して試した方法が書かれている。

p. 53: 楽しいプロジェクト

本書は成功・成長している企業やベンチャーの発達過程をたどるような構成になっている。この発達過程は、雪玉が坂道を転がっていくうちに勢いがつき、どんどん大きくなっていくような、永続的な好循環に発展できるものだ。一連のステップは、スマート・クリエイティブを惹きつけ、意欲を高めるために企業が実践可能なものだ。その一つひとつが企業を次のステップへと押し上げていく。各ステップは相互に依存し、お互いの上に成り立っている。またどのステップも決して終わることのない、ダイナミックなものだ。

ここではGoogleの現在の環境をつくり出したステップが説明されている。

  1. まずは最高のスマート・クリエイティブを惹きつける方法から始める。その出発点は企業文化だ。
  2. 戦略: 事業計画を支える戦略の柱こそが、事業計画そのものよりはるかに重要だとよくわかっている。
  3. 採用
  4. 合意形成の方法: 企業が成長を始めると、難しい判断をくださなければならない時期が来る。
  5. コミュニケーション: 企業の成長に伴って極めて重要に (かつ難しく) なる。
  6. イノベーション: プロダクトの優位性を維持することであり,「イノベーションの原始スープ」に満たされた環境をつくることが唯一の道なのだ。
  7. 従来型企業について
  8. 想像もできないことを想像する方法

特に明示されていないが,暗黙の内に代表・社長もスマート・クリエイティブでないと,こういう考え方はできないだろうと感じた。

p. 88: 独立採算にしない

独立採算制は、各事業部の実績を測るのに都合がよさそうだが、人々の行動を歪めるという好ましくない副作用が生じるリスクがある。つまり事業部の責任者は、自らの事業部の損益を会社全体の損益より重視するようになる。

大企業だと,事業部ごとに独立採算制をとっているところはある。この欠点がわかった。

結論

かのGoogle社の考え方を知れて参考にはなった。が,参考になっただけで,実際に何かに役立てるというのは難しいように感じた。

まず,スマート・クリエイティブを集めたり,関わること自体がそもそも難しい。そんなにどこにでもいるわけではない。

どちらかというと,自分がどうすればスマート・クリエイティブになれるのか,近づけるのか,そちらを知りたかった。

ここに書かれている内容は,スマート・クリエイティブである創業者達が,自分たちと同じようなスマート・クリエイティブ達を集めて,マネジメントするための方法が書かれている。そのため,スマート・クリエイティブでない人間が読んでもあまり意味ないかもしれない。

自分がスマート・クリエイティブに該当していて,スタートアップ企業などでスマート・クリエイティブのマネジメント方法を考える場合には役に立つだろう。ただし,それ以外のほとんどの人にとっては,絵空事になってしまうように感じた。

このような環境を作るには,代表・リーダーがまずスマート・クリエイティブである必要があり,そもそもスマート・クリエイティブ自体が多くないので,届かないだろう。

なお,今回は文庫本で読んだが,ページ数がやや多くて,ページをめくるのが面倒だったので,2014年の単行本のほうが読みやすいのではないかと思った。

書評☆2 サクッと起業してサクッと売却する | サクッと売却する前にサクッと破産する内容

概要

  • 書名: サクッと起業してサクッと売却する
  • 副題: 就職でもなく自営業でもない新しい働き方
  • 著者: 正田 圭
  • 出版日: 2018-02-09
  • 読了日: 2019-10-16 Wed
  • 評価: ☆2
  • URL: https://book.senooken.jp/post/2019/12/03/

評価

15歳で起業し,インターネット事業を売却し,M&Aサービスを展開後,TIGLA株式会社を設立・代表就任した著者により,新しい働き方が提案されていた。

書籍の内容は,概ね以下の4種類の内容のように感じた。

  1. 会社を売ることのメリット
  2. 売却FAQ
  3. 企業に関するありふれた話
  4. 売却タイミング

起業してその会社を売ることの良さを伝えたいだろうと感じた。ただし,書籍冒頭で編集者に起業自体がハードルが高いという指摘にある通り,起業自体がハードルが高い。

冒頭でそのことについて書いてあったので,本文で起業について書いてあるかと期待したのだが,ほぼなかった。唯一参考になったのが以下だ。

p. 173 起業のアイデアはコピペでよい

特別な才能を持った人だけが起業するわけではないし、世界を変える画期的なアイデアや独創性、創造力もなくていい。

起業するときは、まず儲かっている商売、成功している人の「真似」から入るのが正解だと僕は思っている。


では、どう真似すればいいか?

まずは身近なサービス、身近で儲かっている会社を探してみよう。

探し方にもコツがある。

上場企業の「有価証券報告書」や、それらをインターネット上で閲覧できる金融庁の「EDINET」がある。


これで、儲かっている会社とそうでない会社を見つけていく。


まずはこうして、真似したくなる会社や事業を探してみよう。

そして、いいと思った会社やそのビジネスモデルを、積極的に真似していこう。

すでに儲かっている会社の型を学び、半年なり1年なりその通りにやってみることで、この分野ならこう工夫しよう、この事業ではシェアを取れなかったけどここにニッチな需要がありそうだ、などと見えてくるものがあるはずだ。

たしかに,既にうまくいっている会社を徹底的に分析して真似をするのはありのように感じた。もちろんこれもたいへんな作業だとは思うが。

参考になったのはせいぜいこれくらいだった。起業するのは天才だけではないという著者の主張には共感するが,サクッと起業してサクッと売却するというのはやはり難しいと感じた。

その他の部分については内容が薄くて,参考にならなかった。この書籍の内容で,書名のとおりに「サクッと起業してサクッと売却」は不可能で,サクッと売却する前にサクッと破産すると思った。

結論

刺激的な書名で若干期待したのだが,ある意味予想通り内容が薄くて,参考にならなかった。

こんな薄くて意味のない本をたくさん出すくらいなら,もう少し焦点を絞って具体的な内容の本を出してほしい。

書評☆4 起業の科学 スタートアップサイエンス | 科学に基づいた成功するスタートアップのコツ

概要

  • 書名: 起業の科学 スタートアップサイエンス
  • 副題:
  • 著者: 田所 雅之
  • 出版日: 2017-11-06
  • 読了日: 2019-10-15 Tue
  • 評価: ☆4
  • URL: https://book.senooken.jp/post/2019/12/02/

評価

スタートアップの成功に必要な知識をまとめようと著者が作成した「スタートアップサイエンス2017」をベースにした成功するスタートアップの解説本となっている。

この本のすごいところは以下の2点だろう。

  1. 文献
  2. レイアウト

過去の成功したスタートアップと失敗したスタートアップの事例をふんだんに散りばめられており,出典元の情報も記載されている。情報の出所が記載されており,信頼性が高いと感じた。

また,元がスライドベースだということでイラストや図解が大量に掲載されており,かなり読みやすかった。

実際にスタートアップを考える際に,手元においておきたい資料になるだろうと感じた。

引用

p. 18-29 1-1スタートアップにとっての「良いアイデア」とは

スタートアップはいかに課題にフォーカスするか,解決する課題の質を高めることを説明していた。解決する問題の影響度が高ければ高いほど,ビジネスとしても大きな成果が上がる。ただし,グーグルグラスやアップルウォッチのように,大企業でも課題を軽視すると失敗するとというのを事例を出して説明していたのがよかった。

その他,同じ観点で自分ごととして捉えられる課題を解決することが課題の質の向上につながるとのことだった。

また,スタートアップは誰が聞いても良いアイデアを選ぶべきでないとして,大企業の意思決定の流れを用いていたのは面白かった。たしかに,大企業のように重役を何人も説得しようとすると,長持ちするモバイルバッテリーのように,ありきたりな誰が聞いても良いと思うような既存の製品の改善くらいしかできない。

スタートアップは,電池不要のスマホのような既存市場を破壊するくらいのことをしないと,一見悪いようなアイデアを打ち出すことが重要だ。

p. 60: PEST分析で「兆し」を見つける

このセクションでは,スタートアップのための課題を見つけ出すための4種類の領域について分析していた。

  1. Politics
  2. Economy
  3. Society
  4. Technology

例えば,規制産業ほど規制緩和時にスタートアップにとっては大きなチャンスとなり得る。規制に守られてきた企業はエンドユーザーのUXなどを考えていないからだ。

結論

実際に自分で起業するなんてことは,ほとんどないだろう。そういう意味で大多数の人にとっては無意味な本だろう。

ただし,起業する際には参考になりそうな情報が,文献を元にわかりやすくまとまっていた。実際に起業する際には入手してもう一度読み直したいと思った。

書評☆3 お金のこと何もわからないままフリーランスになっちゃいましたが税金で損しない方法を教えてください! | 漫画がメインな節税解説

概要

  • 書名: お金のこと何もわからないままフリーランスになっちゃいましたが税金で損しない方法を教えてください!
  • 副題:
  • 著者: 大河内 薫 and 若林 杏樹
  • 出版日: 2018-11-20
  • 読了日: 2019-11-19 Tue
  • 評価: ☆3
  • URL: https://book.senooken.jp/post/2019/12/01/

評価

フリーランスや節税などの本を探していると,Amazon.co.jpでの評価が高くて目についたので読んでみた。

内容は,漫画家と税理士によるフリーランスの節税解説本となっている。書籍のほぼ全編に渡って漫画が掲載されており,漫画の中や合間に税理士による解説が入る形式だった。

ただ,内容としては既に他の本で見知っていることが大半で,特に得られるものはなかった。個人的には,漫画内の税理士がなんだか俺すげー感を出していて,印象は悪かった。また,漫画仕立てで解説するという形式が自分には合わないのか,読みにくかった。

同じ税理士とフリーランサーとのタッグで書かれた本としては,本書でも参考文献に掲載されている「フリーランスを代表して 申告と節税について教わってきました。」のほうが詳しくて,ユーモアがあって面白かった。

引用

p. 177 セルフメディケーション税制とは

医療費控除はしっていたが,セルフメディケーション税制の存在は知らなかった。ただ,こちらも1.2万円以上医薬品購入時に受けられる税制であり,健康な人には無関係なものなので,ただの教養だった。

結論

漫画が多くて,漫画のおまけに節税部分を読むような印象な本だった。

内容自体は初見であればそこまで悪くはないと思った。しかし,内容の詳しさと面白さ的には「フリーランスを代表して 申告と節税について教わってきました。」の下位互換的に感じてしまった。

書評☆2 世界一やさしい フリーランスの教科書 1年生 | 個人事業開業手続きの薄い解説

概要

  • 書名: 世界一やさしい フリーランスの教科書 1年生
  • 副題:
  • 著者: 高田 ゲンキ
  • 出版日: 2019-07-20
  • 読了日: 2019-11-18 Mon
  • 評価: ☆2
  • URL: https://book.senooken.jp/post/2019/11/30/

評価

Amazon.co.jpでの評価が高く,フリーランスとしてやっていくうえで参考になればと思って読んだ。

内容はフリーランスとしてやっていく上での一般的なことが書かれていた。著者がイラストレーターであるので,それにやや寄った内容となっていた。

イラストが随所に散りばめられており,レイアウトも整っていて読みやすくはあったのだが,いかんせん内容が薄くて参考にはならなかった。

書名にある通り,何も知らない人がこれからフリーランスなろうと思ったときに役立つくらいの内容だった。

結論

過去に同じ著者による似たようなテーマの「【マンガ】フリーランスで行こう! 会社に頼らない、新しい「働き方」を読んだ。

こちらの本もあまり参考にならなかったのだが,この著者の本は自分にとってあまり参考にならないのかもしれない。

書籍の内容がこれから始める初心者・何も知らない人向けになっており,読みやすくはあったものの,薄くて浅い情報しか得られなかった。期待はずれだった。

例えば,同じ個人事業開業に関する情報を知りたければ,「新版 トコトンわかる 個人事業の始め方」のほうが細かくてわかりやすい。

正直本書の内容は中途半端で,読みやすいだけであまり有益ではなかった。同じ著者の本はもう読まなくていいかなと思ってしまった。

書評☆1 普通の女子がフリーランスで年収1000万円稼ぐ本 | 経験だけを書いた自叙伝

概要

  • 書名: 普通の女子がフリーランスで年収1000万円稼ぐ本
  • 副題: 「好き」を「お金」に変える夢のワクワク・ライフ
  • 著者: 鈴木 絢子
  • 出版日: 2017-11-30
  • 読了日: 2019-10-09 Wed
  • 評価: ☆1
  • URL: https://book.senooken.jp/post/2019/11/27/

評価

20代でフリーの美容家,30代でフリーランス1000人超過が所属するエージェンシーを設立した著者によるフリーランスのコツが書かれている。

内容が自身の経験が元になっており,どちらかというと自叙伝に近い内容になっているように感じた。

ただし,具体的なことがほとんど書かれておらず,本書を読んで何か有益な情報を得られなかった。

読まなくてもよかったと感じる本だった。

結論

普通の女子でも1000万円稼げる内容かなと思い,期待していた。しかし,具体的なことがほとんどなく,この本を読んでも実際の行動につなげるのが難しく感じた。

180ページと薄い本なので,さらっと読み終わってしまった。読んでも読まくても何も影響がないように感じるいまいち本だった。

書評☆2 億を稼ぐ勉強法 | 「億を稼ぐ勉強法」とは「顧客の価値を高める」ための勉強

概要

  • 書名: 億を稼ぐ勉強法
  • 副題:
  • 著者: 小林 正弥
  • 出版日: 2019-07-21
  • 読了日: 2019-10-08 Tue
  • 評価: ☆2
  • URL: https://book.senooken.jp/post/2019/11/26/

評価

自分を最高値で売る方法」に続いて,同じ著者の本に興味を持って読んだ。

書名どおり,内容はお金を稼ぐための勉強法だ。ただし,内容は意識の持ち方に関することで,あまり具体的なことは書かれておらず,いわゆる意識高い系の内容となっていた。

冒頭に億を稼ぐ勉強法とは顧客の価値を高める勉強という内容が書かれてあり,ここは納得できた。しかし,その後具体的にどうすればいいかという点については,あまり参考にならなかった。

後半に億を稼ぐ4の勉強戦略とあり,その最初に顧客を定義する必要がある。ここでは,自分又は過去の自分,課題を解決し成功させたい人の2個を挙げていたが,具体的に思いつかなかった。

テーマは悪くなかったのだが,中身がけっこう抽象的であまり参考にできなかった。

引用

p. 050:

億を稼ぐ勉強は、一貫して、「顧客を成功に導くための勉強」なのです。顧客の成功=あなたの成功、ですから、結果的にあなた自身の成功も実現します。繰り返しになりますが、「人は自分のことを考えると悩み、顧客のことを考えると知恵が出る」のです。

結論

お金を稼ぐための勉強ということで興味を持ったのだが,具体的な中身がなく,若干期待はずれだった。

方向性やテーマは悪くなかったので,もう少し具体的な中身がほしかった。

一番最初の顧客の定義が一番難しい。

書評☆4 ザ・ゴール 2 | トヨタ式「5回のなぜ」よりも強力な「現状問題構造ツリー」

概要

  • 書名: ザ・ゴール 2
  • 副題: 思考プロセス
  • 著者: エリヤフ・ゴールドラット
  • 出版日: 2002-02-21
  • 読了日: 2019-10-04 Fri
  • 評価: ☆4
  • パーマリンク: https://book.senooken.jp/post/2019/11/22/

評価

前作の「ザ・ゴール」が面白かったので,そのままの流れで続編の本著を読んだ。

本作は前作の10年後を舞台にしている。主人公のアレックス・ロゴは工場長から多角化事業グループ担当の副社長にに昇進しており,本作はこの多角化事業グループ所属の子会社売却3か月前という状況から話が始まる。
以前の部下だったボブとステーシー,新しく登場したピートが運営する3社の利益を劇的に改善し,売却の防止,または売却後もうまく主導権をもって運営できるようにすることを目標に,話が始まる。

前作で工場長から昇進して,他の工場のマネジメントなどに取り組むという途中で話が終わっていた。個人的には,この後をどううまくやるのかが気になっていたのだが,そこはすっとばされてしまっていて,残念だった。

本作では前作でTOCの手ほどきをしていたジョナは一切登場せず,彼の理論を学んだアレックスがあれこれ思考を張り巡らせて,問題の根本原因と解決策の特定・実行を繰り返すことがメインの話となっている。

書籍冒頭で,娘のシャロンとの深夜までのパーティー参加可否の交渉の時点で,既に面白かった。具体的な思考ツールである対立解消図の事例で,うまくお互いの問題を描画し,お互いがうまくやれるための方法を探していた。

その他,本書中盤で何回か登場する「現状問題構造ツリー」により,売却対象3社の問題分析,その他アレックスが所属するユニコ社全体の問題を洗い出して全ての根本原因を特定する仮定が描かれていた。

具体的にはUDE (UnDesirable Effect: 望ましくない結果) を列挙し,それらを論理的に結びつけながら全体の根本原因を特定していた。

頭をかなり使う作業で,実際にはこんなにうまくいくことばかりではないとは思いながら,問題解決の手法として悪くないと思った。

この方法はトヨタ生産方式で使われる「なぜを5回繰り返す」に似ているが,本書の方法のほうが効果的に感じた。元々,5回のなぜにはその効果に疑問を持っていた。本書の解説で書かれている通り,5回のなぜでは直線的な因果関係しか解明できない。2以上の複数の要因が複雑に絡み合った問題の場合,その性質上特定することができない。それどころか,数ある要因のたった一つにしかたどり着けない。

その点,本書の方法では考えられるUDE全てを上から下に平面的に下っていくため,全体の根本原因が明らかになる。その点,「5回のなぜ」に比べて強力な方法だと感じた。

引用

p. 14-21: 娘の深夜パーティーと対立解消図

本書の冒頭で,本書で繰り返し登場する対立解消図を使った問題解決が展開されていた。ここで書かれているような,娘が深夜までパーティーに参加したいが,親は認めたくないという構図は日常でもよくあるだろう。こうした問題に対して,お互いの要求とその理由を書き出し,それを見比べながら,お互いの問題を解消するための方法を議論してお互いの誤解・誤認を解消して問題の解決に取り組んでいた。

今回のように,お互いの問題点を描き出してそれを元に議論するというのはいい方法だと感じた。

p. 144-147: UDEと現状問題構造ツリー

ここではピートが運営する会社がうまく成功したので,残りの2社も同じ思考プロセスで成功するということをアレックスがその他の副社長に説明するために,「現状問題構造ツリー」による問題解決の思考プロセスをデモンストレーションしている。15個もの好ましくない結果を列挙し,それらを新しい主張を導き出しながら論理的につなげて,最終的な根本原因を特定していた。

本書中でも完成まで数時間以上はかかっており,かなり頭を使う作業になる。しかし,抱えている問題の根本原因や現状の問題の因果関係を整理する上で強力な手法のように感じた。

p. 178-181: マーケットのセグメント化

費用を書けずに短期的に売上を上げる方法論として,市場のセグメント化の話が展開されていた。同じ製品であっても,マーケットによって違う価値観が存在しており,それを踏まえると製品本体だけでなく周辺サービスも含めると価格をいろいろ変えることが可能になる。

しかし,この視点を逃すと,「新しい販売チャネル・製品は、既存の販売チャネル・製品の売上げ減につながる。」が発生する。ここから,「マーケティングとは、新しい策を打ち出すことではなく、マーケット・セグメンテーションのメリットを活かすことにある」という考えが導き出されていた。

同じ製品に対して,違う価値観があるというのが面白かった。

p. 260-263: 顧客への提案

ここまであれこれ問題を考えてₖ長柄出したソリューションを顧客に提案するところで,うまくいかない問題に遭遇した。この解決方法を秘書のドンが説明していた。これも対立解消図を使って説明していた。営業側が製品の利点をそのまま述べても,受けては疑いかかって聞くだけであまり効果はない。ポイントは,製品の説明から始めるのではなく,買い手側が抱える問題を指摘し,それを客の立場になって説明して客の信用を取り付けることだ。

営業の心得的な内容だった。

p. 367: 解説

本書で展開された問題解決の手法を一つ一つ取り出して,それぞれのポイントを解説していた。本書は小説仕立てで話が進んでおり,個別の手法についてはそこまできちんと説明があるわけではない。あとで振り返る際に,この解説がとても役に立つ。

また,ここでトヨタの「5回のなぜ」と本書の「現状問題構造ツリー」の比較もあり,興味深かった。

結論

前作の続きが気になって読んだ。10年後ということで,直後のマネジメントの話が読めなくて残念だった。

ただし,今回は副題の「思考プロセス」にある通り,頭を使った具体的な方法論が展開されている。

「対立解消図」のように,日常生活ですぐに取り入れられそうなものから,「現状問題構造ツリー」のように,時間はかかるがクリティカルな問題の特定に結びつくまで解説されていた。

主人公のように,組織のマネジメント担当者にとっては重要な手法であり,一般人でも使える部分はあると思った。

方法論として知っておいて損はない知識の得られる本だった。

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書評☆2 自分を最高値で売る方法 | 教育型ビジネス自体は悪くないが,肝心の他人に提供可能な技能の獲得方法・教材化の解説が一切ない!

概要

  • 書名: 自分を最高値で売る方法
  • 副題:
  • 著者: 小林 正弥
  • 出版日: 2018-08-11
  • 読了日: 2019-09-26 Thu
  • 評価: ☆2
  • パーマリンク: https://book.senooken.jp/post/2019/11/21/

評価

書名どおり,自分を最高値で売る方法を解説している。

書籍の内容の内,2/3程度が自分の方法がいかに優れているかを説くためのものであり,残りの1/3が肝心の手法の説明となっている。

自分を最高値で売る方法として,教育型ビジネスを提唱している。RIZAPのような,ある特定の自分が持っている知識を教育し,顧客自身の価値を高めるというものだ。

自分や自分の時間ではなく,うまく仕組みを作ってそれで高値を付けるというやりかた・考え方自体は,名著「はじめの一歩を踏み出そう」にもあるとおりで,異論はない。

しかし,この方法を実践する上で最大の問題であるサービス,つまり他人に提供可能な技能の獲得方法及びパッケージ化については一切説明がなかった

RIZAPのように,誰だって特定技能を確実に習得できるなら,お金を払うだろう。それに,そんな他人に教育可能な技能を持っているなら,いちいち誰かにいわれなくもそれを使った仕事などいくらでもできる。実際,インストラクターやトレーナー,教員のように,専門スキルを教育する仕事なんてたくさんあるし,教材ビジネスもたくさんある。

なぜ多くの人がしないかというと,そのような他人に提供可能な技能の獲得自体が困難だからだ。そして,その獲得した技能をいかに教材・サービスに落とし込むか,ここが最大の焦点となる。後のマーケティングはおまけみたいなもんだ。

冒頭からの2/3で散々本書には具体的な実践方法があるとうたっていたくせに,いざ記述箇所を眺めても,肝心のことが一切書いていない。誰もがお金を払っても欲しいと思うような技能・価値があるならば,後は活用方法だけでなんとでもなる。

一番お金になる部分はこのような安い本では提供できないということか。正直を読者を舐めているとすら感じた。

結論

書いてある事自体はそんなに間違っていないのだが,肝心の部分の説明がなくて,期待はずれだった。

よくある書名だけの意識高い系のビジネス本で終わってしまった。あまり読んでも参考になることはないと思う。

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書評☆1 サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい | 大企業中年勝ち組会社員向け個人M&A紹介本

概要

  • 書名: サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい
  • 副題: 人生100年時代の個人M&A入門
  • 著者: 三戸 政和
  • 出版日: 2018-04-19
  • 読了日: 2019-09-24 Tue
  • 評価: ☆1
  • パーマリンク: https://book.senooken.jp/post/2019/11/18/

評価

書名に惹かれて図書館で借りて読んだ。

内容は大まかに以下の3部構成だった。

  1. 起業・飲食店経営の失敗事例の紹介
  2. 中小企業のこけおろし・大企業社員の煽動
  3. M&Aの解説

まず最初の部で起業がいかに難しいか,飲食店経営の難しさを問いていた。

その次の部で,会社を買収するという話に絡めて,中小企業が大企業に比べていかに前近代的であり,大企業の会社員がいかに優秀であるかという内容が書いてあった。大企業会社員を煽動しているように感じた。

そして最後の4-5章でどういう会社を買収するのか,買収してどうするのかということがさらっと書いてあった。

どうやって300万円で会社を買うのかというところに興味があったのだけれど,具体的に300万円で会社を購入する話は一切なかった。

代わりに,5億円の会社の購入方法として,50:50で共同出資の買収話を持ちかけ,報酬として5年間で10 %ずつ株式の形で譲ってもらうという方法が書かれていた。

それくらいで,あまり現実的なイメージを持てなかった。肝心の買収の話は第5章の30ページくらいにしか書いていない。

正直序盤の100ページ程度は読んで意味なかったので,もっと買収の話を読みたかった。

また,書名にサラリーマンとあるが,ここで想定しているサラリーマンは大企業勤務の30-40代のいわゆる勝ち組会社員を念頭においており,世の中の大半のそれ以外の人のことは考えていないように感じた。

肝心の会社の買収だが,「M&A 案件」で検索すると数は多くないものの会社のウリの案件情報がインターネットで見れるらしい。具体的には,例えばストライクが運営するSMARTというサイトで探せるらしい。

結論

大企業会社員向けに中小企業買収を斡旋するような内容の本だった。

内容が思っていた以上に薄くて表面的で,はっきりいって参考にならなかった。書名にあるサラリーマンが300万円で会社を買えるだなんてとても実現不可能と感じるような内容だった。著者の想定読者から外れていたのも原因があるかもしれない。

Amazon.co.jpでもレビューが180件以上もついており若干期待していたのだが,期待はずれだった。

もう少し具体的で第三者が再現できるような内容のものを書いてほしかった。

「はじめに」でこの本の出版の経緯が書かれている。

本書は、講談社が運営するネットメディア「現代ビジネス」で公開した「60過ぎたら、退職金で会社を書いなさい」「世の中には500万円で買える会社がこんなにあった!」と題する一連の記事が、500万PVを超えるという大反響を受け、さらに深掘りした内容を説明するために発刊されることになりました。

ここにあるとおり,ネット上の記事がバズったので,それに乗じて一般論でページ数を稼いで無理やり書籍にしたのだろう。

正直,ネットの記事で十分だった。全然深堀りできておらず,わざわざ本にする意味がなかった。

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