概要
- 書名: だから、あなたも生きぬいて
- 副題:
- 著者: 大平, 光代
- ISBN: 9784062100588
- 出版: 2000-02-22
- 読了: 2021-04-07 Wed
- 評価: ☆3
- URL: https://book.senooken.jp/post/2021/04/07/
評価
過去の読了本「マネー&フリー 僕らが楽して大儲けした57の秘訣」や「スーパー フリーエージェント スタイル 」で言及されている通り,起業家でかつてネオヒルズ族として世間を騒がせた与沢翼の人生を変えた1冊となっている。
半グレ状態だった中学高校時代,留置所で拘留されているところから復帰する際に,懇意にされていた祖父から渡されて慶應義塾大学だったか早稲田大学だったかへの入学,司法への道を当初志すことになったきっかけの一冊となる。
本書は,小学生時代にいじめを受け,不良とつるみ,割腹自殺をはかるなどしながら,最後は極道の妻となるものの,そこから社会復帰して中卒から弁護士として活躍する著者の半生が描かれたエッセイとなっている。
260ページ程度の書籍の半分がいじめ時代の話,後半が復帰の話という構成になっている。
いじめの原因は挨拶を無視してしまったことが起因している。本人はなんとも思っていないかもしれないが,挨拶の無視はやられた側としてはけっこう堪えるものがある。
その反動としていじめが始まるというのはありえる。もっともこれはやり過ぎだとは思うが。
残念ながら,著者の周りに家族も含めて,幼少時代にはまともな人間がおらず,誰からも助けを得られなかった。大人になったところで,父の友人の大平三郎から救いの手を差し伸べてもらって,そこから人生が変わっていく。
最終的には,大平の養子となって,大平の姓を名乗るようになっている。
宅建,行政書士,司法試験と順番にステップアップして弁護士となった。この受験した試験もすべて大平三郎の助言のままであり,人次第なんだなと思った。
なお,勉強中の生活資金をどう捻出したのか,極道の妻になった経緯などの細かい部分の記述が一部抜けていた。関係者への配慮のためぼかしているのかもしれないが,特に前者は大事なので,あまり実感がわかなかっった。
引用
p. 160: 第七章 司法試験に向かって
司法試験は、学歴、年齢、性別の制限なく誰でも受験できる。そして、毎年一月に行われる一次試験から受ける必要がある。しかし、この一次試験は一定の場合には免除され、ほとんどの受験生は一次試験は免除で二次試験から受験しているということがわかった。
そしてその一定の場合とは、例えば大学の法学部だと、一般教養を修了した時点、つまり三回生のときから、二次試験を受験できることがわかった。
司法試験の流れについて初めて知った。
結論
あまりエッセイは読まないのだが,与沢翼の人生を変えた1冊ということで興味を持って読んだ。
人によってはお涙頂戴ものに感じるのかもしれないが,あまり共感できるところがなく,感じるものが少なかった。
幼少期の身の回りにカスみたいな人間がたくさんいると不幸になり,一人でも素晴らしい人物と出会うと人生ががらっと変わる。ホリエモンもそうだけど,ほとんどそれに尽きるように感じた。
周りの環境次第ということで,身も蓋もない話で,あと自分にできるのは,素晴らしい人物がたくさんいるところに自分から意図的に飛び込むようにする必要があるということだろうか。
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