書評☆2: ユダヤの商法 [新装版] | 高校時代の孫正義を日本マクドナルド創業者へ向かわせた本の実践は難しい

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概要

  • 書名: ユダヤの商法 [新装版]
  • 副題: 世界経済を動かす
  • 著者: 藤田 田
  • ISBN: 9784584139004
  • 出版: 2019-04-25
  • 読了: 2020-10-23 Fri
  • 評価: ☆2
  • URL: book.senooken.jp/post/2020/10/23/

評価

以前読んだ孫正義の自伝の「志高く 孫正義正伝 新版」で,高校時代に本書の原書を読み,お金儲けが悪いことではないということを学び,著者の日本マクドナルド創業者の藤田田へ面談を申し込んだきっかけになったとあったため,興味を持って読んだ。

日本マクドナルド創業者の藤田田が学生時代から学び実践してきたユダヤ人の商法について成功の原則が書かれていた。

特に印象に残っているのは以下の2個だ。

  1. 78:22の法則
  2. 女と口を狙え

体系化されたものではなく,著者が学んだ経験則みたいな部分も多く感じた。どうせなら由緒正しきユダヤ人が書いた内容を読みたいものだ。

肝心の内容はビジネス系の自己啓発本に近いもので,抽象的な法則が書かれていた。著者はこの法則に従って成功したようだが,これを一般人に具体的に取り込むのは難しく感じた。

後半に関してはうんちくなどが多くて特に参考にならないと思ったので軽く読み飛ばした。

引用

p. 25: 4 世界の支配者、その名は「ユダヤ商人」

ちょっと著名なユダヤ人を思いつくままにあげてみてもー。

ピカソ、ベートーベン、アインシュタイン、マルクス、イエス・キリスト……。

ユダヤ人には富豪が多いと聞いていたが,歴史上の有名人にも多いというのは知らなかった。

ユダヤ人という民族は5000年の歴史があり,この歴史の長さが他の民族を寄せ付けないノウハウの蓄積になっているらしい。

p. 34: 9 女を狙え

「ユダヤ商法に商品はふたつしかない。それは女と口である」

ユダヤ商法の成功の原則である商売対象が書かれていた。たしかに,女性向けの市場というのは大きいように感じる。

p. 106: 34 絶対にまけない売り方—自信のある商品は絶対にまけるな

ユダヤ商人は、ある品物を高く売ることについて、あらゆる資料を用いて、高く売ることがいかに正当であることかを説明しようとする。


いい商品だからまけない。まけないから利益が大きい。ユダヤ商法が儲かる秘密もここにある。

コンテンツビジネスにも通じる商法が書かれていた。

p. 110: 36 金持ちから流行らせろ

ある商品を流行させるには、コツがある。流行には、金持ちの間ではやり出すものと、大衆の中から起こってくる流行の二つがある。

この二つの流行をくらべてみると、金持ちの間から起こってくる流行の方が、圧倒的に息が長い。


金持ちの間に流行させる商品は、なんといっても高級舶来品がいちばんである。

商品の流行について書かれていた。藤田田が起業時に成功した貿易業はこれにのっとっている。これで厚利多売を実現できるらしい。

結論

高校生の孫正義が感銘を受けた本ということで期待して読んだ。悪くはなかったが,若干期待はずれだった。

お金儲けが悪いことではないとかお金儲けに対する意識を変えるにはよいかもしれないが,この本で具体的に何かが変わるというのは難しいと思った。

孫正義が読んで感銘を受けたと聞いていなかったら,読むことはなかった本だった。

誰でも簡単に楽に具体的にお金を儲けられる本がほしい…

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