書評☆4: GIVE & TAKE 「与える人」こそ成功する時代 | 成功するギバーの4条件

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概要

  • 書名: GIVE & TAKE 「与える人」こそ成功する時代
  • 副題:
  • 著者: アダム・グラント
  • ISBN: 9784837957461
  • 出版: 2014-01-25
  • 読了: 2020-10-12 Mon
  • 評価: ☆4
  • URL: book.senooken.jp/post/2020/10/18/

評価

以下の他の本で引用されており興味を持って読んだ。

特に,「コミュ障でも5分で増やせる超人脈術」は1/3から1/2程度は本書の内容をまとめ内容になっていると感じた。

大きな成功を収める人々には3の共通点がある。それは,やる気,能力,チャンスだ。この他に,第4の要素として人とどのように「ギブ・アンド・テイク」するかに大きく左右される。

本書ではこの他社とのギブ・アンド・テイクの関わり方から成功法則を研究したものとなっている。具体的には,テイカー・ギバー・マッチャーの3種類に分類分けして,それぞれのカテゴリーに属する人がどのように振る舞うのか,いかにしてギバーは成功・失敗するかが書かれている。

この3分類の中で,最も失敗するのはギバーであり,最も成功するのもギバーである。この失敗と成功の違いについても書かれている。ギバーが成功するにはいくつかの条件がある。

アメリカの研究ベースの自己啓発本によくある,研究調査結果の事例を紹介しながらその仕組みなどについて紹介されていた。

書籍の構成上,要点が読みにくい部分はあるのだが,それさえカバーできれば,説得力の高そうなよい内容に感じた。

この本に書かれている内容を把握して振る舞えれば,日常生活もうまくできる可能性がある。

いちばん肝心の成功するギバーの原則だが,以下4点がポイントのように感じた。

  1. テイカーを見極め,テイカーにはマッチャーとして付き合う
  2. サポートネットワークの構築
  3. 他者志向,自分ではなく自分を含む組織のためのギバーとなる
  4. 貢献の認知

もう少ししっかり呼んで要点を自分なりに整理してもいいかもしれない。

引用

p. 6: テイカーの見分け方

  • テイカーのCEOは話をする時、やたらと「○○」という単語を使う。
  • テイカーが経営する会社の年次報告書は、写真が○○である。
  • テイカーは「フェイスブック」で使っているプロフィール写真が○○である。

冒頭の監訳者の言葉がなかなかよかった。本書を読もうと思わせるものになっていた。こちらの答えは,「私は」,「大きい」,「露出が多い」と思う。p. 76-80あたりに答えが書かれている。

テイカーを見分けることはギバーとして成功するのに必要な条件なため,ここはユニークだった。

p. 31: 成功者

先に述べたように、いちばん生産性の低いエンジニアはほとんどがギバーである。ところがもっとも生産性の高いエンジニアも、やはりギバーだったのだ。

本書の提唱するギブ・アンド・テイク論でいちばん興味深い事実がまずここで記されていた。

p. 93-94: 強いつながりと弱いつながり

ここではギバーとして成功したリフキンが成功したコツとして強いつながりと弱いつながりが書かれていた。

ギバーとして弱いつながりを数多く持っていると,リコネクトで次回のコンタクト時に協力を得られやすいという話だった。

p. 105-109: 5分間の親切

ギバーとして成功したリフキンの指針として5分間の親切が書かれていた。5分間もあればできる親切を喜んで誰にでもしてあげると,全体のネットワークやパイが大きくなって,ウィンウィンの関係になれるらしい。一度誰かに与えられると,他の誰かに与えようと背中を押されている状況に近くなり,思う恩送りになる。

p. 110: より多く与えること

ギバーとして成功したリフキンが高い生産性を維持できたポイントとして,(相手より) 「より多く与えること」ということが書かれていた。相手より少しでも多く与えていると,人はギバーとしてその人を判定して,他の人にギブすることが多くなる。前述の5分間の親切で,たくさん与えなくてもいいということになる。

. 174: 人が才能を伸ばすきっかけはやる気

こちらでは人が才能を伸ばすきっかけになったのはやる気という話があった。優秀なピアニストについて調査したところ,幼少期はたいしたことはなかったが,先生がギバーであったためやる気を維持できて成功したとあった。

こちらでは有名な1万時間の法則も引用されていたが,そもそも1万時間もやり続けるにはやる気が必要という話でこう結論付けられていた。

p. 217: 弱みを見せていいのは有能だと認められている場合

テイカーは弱みを見せると,自分の優位と権原を危うくすることに心配する。かたやギバーはずっと楽に自分の弱さを表に出す。これは人を助けることに関心があるからだ。実際,弱さを見せることで信望を集めることができる。

ただし,これには条件があり,周囲の人々から有能と認められている場合に限る。日頃からちゃんと振る舞っていれば,多少弱みを見せても大丈夫というところだろうか。

p. 234: ギバーの話し方

テイカーは強気な話し方をする傾向があり,独断的で率直だ。一方,ギバーはもっとゆるい話し方をする傾向があり,控えめな言葉を使って話す。

実際に,人から提案を受ける場合は緩い話し方のほうが受け入れやすい。

p. 254: 他者志向のギバー

ここでは成功するギバーと失敗するギバーを分ける考え方として,自己犠牲と他者志向という考え方が紹介されていた。自己犠牲だと単純に燃え尽きてしまって失敗する。これを他者志向にすることで,自分の利益を損なわずにギブすることができるという話だった。この話が続いていく。

p. 264: ギバーが燃え尽きる理由

ギバーが燃え尽きるのは,与えすぎたことよりも,与えたことでもたらされた影響を前向きに認めてもらえないことが原因なのだ。言い換えると,困っている人をうまく助けてやれないと燃え尽きると書かれていた。

ここの認知が分かる形になると,モチベーションを維持できて継続できるらしい。

p. 268: まとめてあたえる

一日に一つずつ与えるよりも,一日にまとめて五つ与えた人のほうが幸福度がました。毎日少しずつやると週間と見分けがつかなくなり,気が散って疲労感も増すらしい。時間を決めてまとめてやるのがコツのようだ。

p. 277-278: 自己犠牲脱出の方法

周囲からサポートを受けることこそ,燃え尽き防止の強力な特効薬だ。

人助けをすることでサポートネットワークを築くことが重要なようだ。

p. 294: ギバーの失敗の3の罠

男女を問わず多くのギバーを悩まさている三つの罠,信用しすぎること,相手に共感しすぎること,臆病になりすぎること。

この章では,成功するギバーがこれらのリスクの回避方法と,他者志向になるためのコツを紹介している。

p. 299: ペテン師の見極め

テイカーは愛想がいいという印象を与えるが,与えるよりはるかに多くを手に入れようとしていることが多い。相手の真意を見極め,愛想のいいテイカーをペテンだと見極めることがギバーが食い物にされないための防衛策だ。

p. 308-310: テイカーとの付き合い方

テイカーと付き合うときには,マッチャーになればいいのだ。ただし,最初はギバーでいたほうがよいだろう。信頼は築くことこそ難しいが,壊すのは簡単だからだ。

ゲーム理論化はこれを「しっぺ返し」と呼んでいるが,これはまさしく抹茶ーの戦略である。最初は協力的な態度に出て,相手が張り合ってこない限り,その態度を維持するが,相手が張り合ってきたら,同じように張り合うことで態度を合わせる。これは多くのゲーム理論トーナメントで広く認められているマッチング戦略である。

ただし,しっぺ返しは与えることと相手に合わせることを,交互に繰り返すほうが有利なことがわかっている。これを「寛大なしっぺ返し」という。「寛大なしっぺ返し」では,3回に2回は張り合うが,3回に1回は協力的な態度で応じるのである。

テイカーを相手にするときには,自衛のためにマッチャーになるのがいい。ただし,3回1に1回はギバーに戻って,テイカーに名誉挽回のチャンスを与える。

p. 317: 他人のためにやる

自分のためにやるのか,他人のためにやるのかで,パフォーマンスが変わってくるらしい。例えば,自分ではなく家族のため,所属組織のために行う。自分のためだと思うと後ろめたさが残り,ためらってしまう。しかし,家族のためだと思うと,家族への損失を避けるために後ろめたさが吹き飛ぶらしい。

参考文献

本書の「アクションのための提言」「脚注」「参考文献」は三笠書房のホームページ内で閲覧ダウンロードしていただけます。

三笠書房

結論

参考になる部分が多く付箋だらけになってしまった。引用部分には参考になったところを雑に抜き出して列挙した。

実際に購入して,徹底的に本書を分析して要約した本などを作っても需要があるかもしれないと感じた。

今までの自分の失敗を振り返ると,自分はギバーからマッチャーとして振る舞うことが多いように感じた。ギバーとしてテイカーからむしり取られて失敗していたことが多いように気付いた。

本書で学んだ内容でもう少し,テイカーとの付き合い方に注意したいと思った。

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