書評☆3: ロウソクの科学 | ノーベル賞受賞者が子供時代に愛読したロウソクから始まる中学〜高校レベルの化学講義は化学への興味をくすぐる多数の実験録

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概要

  • 書名: ロウソクの科学
  • 副題:
  • 著者: ファラデー
  • 出版日: 2012-06-25
  • 読了日: 2020-01-17 Fri
  • 評価: ☆3
  • URL: https://book.senooken.jp/post/2020/01/17/

評価

2019年のノーベル賞を受賞した吉野 彰氏が,インタビューで子供時代に愛読した本として回答して話題になり興味を持って読んだ。

本書は1861年末のクリスマス休暇に,ロンドンの王立研究所で催された連続6回の講演の記録となっている。身の回りで身近なロウソクが燃えるところから,化学を解説している。

ロウソクの原料から,燃焼,水,水素・酸素,空気,二酸化炭素,窒素,呼吸といったテーマを扱っている。中学から高校で学ぶような内容が数多くの実験と共に紹介されていた。

ファラデーは科学の分野で数多くの法則を見つけて科学史に名を残す偉大な科学者だ。解説を読んでこの講義の流れに納得した。ファラデーはもともと貧しい出身で,学ぶ機会に恵まれずめぐり合わせで科学者となった。そのため,知識よりも観察が先行し,目の前の現象から考えを張り巡らせるしかなかった。だから実験がメインとなっている。

昔の外国人の話を翻訳したものであるため,少々読むのがしんどかった。所々に実験器具の挿絵があるものの,そこまで量はなく,基本的に文章を読んで自分で想像が必要な部分が多く,読者への負担の大きい本だった。

今から読むのであれば,挫折しないように特に学生には本書を図解で解説した他の本 (例: 「ロウソクの科学 世界一の先生が教える超おもしろい理科」など) を強く推奨したい。

結論

ロウソクという身近な化学物質の現象からこの世界で普遍的な科学を学ぶ本だった。ノーベル賞受賞者が子供時代に愛読したとあるだけに,中身は化学的興味をくすぐるような実験や話が多かった。

ただし,もともとの本は今読むのは少々しんどいので,図解されている他書や口語訳に翻訳された本をあたることを強く推奨したい。

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