概要
- 書名: しゃがむ姿勢はカッコ悪いか?
- 副題:
- 著者: 本多, 勝一
- ISBN: 9784022607621
- 出版: 1993-05-01
- 読了: 2021-04-28 Fri
- 評価: ☆2
- URL: https://book.senooken.jp/post/2021/04/28/
評価
本多勝一の書籍 (例: 日本語の作文技術) の凡例の中で,以下の記載があり,これが気になって本書を読んだ。
四、 ローマ字は日本式 (いわゆる訓令式) とし、ヘボン式を排します。(理由は 『しゃがむ姿勢はカッコ悪い?』収録の「ローマ字は日本式でなければならない」参照J たとえば–Shi→si, sho→syo, chi→ti, tsu→tu
直近で読んだ「殺される側の論理」と同じく,書籍本体は著者の小論集となっている。
内容はいろんな雑誌などに掲載された雑多なものをまとめたもので,まとまりはない。せいぜい,この著者の右翼的な植民地,人種差別への反対思想がちらほら見えるだけだった。
引用
p. 148: 数字表記に関する植民地的愚挙
ここでは数字の桁区切りに3桁ではなく,4桁とすべき理由について論じていた。
3桁区切りは英語の桁がこの単位で変わることが原因であり,日本は4桁で呼び名が変わる。
そのため,日本人にとっては,4桁でカンマ区切りしたほうがわかりやすい。これはもっともな話でもある。
なお,年号に関しては,西暦で問題ないとしていた。理由は,日本の年号は天皇が死ぬ度に振り出しに戻るため,物理的に極めて不便だからだ。西暦の他に,南ベトナムで仏教暦,回教圏でイスラム暦が使われているが,これらは全年を通して1本であり,わかりやすい。
自然科学の分野では国際単位系SIで3桁スペース区切りのみ認められている。自然科学以外 (経済学) などでは,4桁区切りにしてもいいように感じた。
p. 154: ローマ字は日本式でなければならない
ただローマ字問題でひとつだけ断固として主張しているのは、日本語であればヘボン式は不可、日本式 (訓令式) でなければならぬとする点だ。数字のコンマを、日本語は四ケタ法なのに欧米式に三ケタ法にしている愚挙と同様、ヘボン式は欧米 (というよりイギリス語) に強姦された植民地日本の痕跡である。
本書を読んだ目的であるローマ字に訓令式を採用すべき理由が書かれていた。こちらも,殺される側の論理と同じく,植民地的な思想になっているのが問題のようだ。
たしかに,日本で自国の方式があるにも関わらず,わざわざ他国の方式を採用するというのもおかしな話だ。
ただ,たったの1-2ページの文量それしかなく,もう少しローマ字に関して深い考察が欲しかった。
結論
本多勝一の書籍のほとんどで掲載されている凡例のローマ字の表記方法の理由を知ることができた。
正直,この1-2ページ程度の内容のためだけに,他区の図書館から本書を取り寄せで読んだ。かかった手間に比べると,内容が薄く感じた。もう少し深い考察が欲しかった。
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