書評☆2 世界一やさしい フリーランスの教科書 1年生 | 個人事業開業手続きの薄い解説

概要

  • 書名: 世界一やさしい フリーランスの教科書 1年生
  • 副題:
  • 著者: 高田 ゲンキ
  • 出版日: 2019-07-20
  • 読了日: 2019-11-18 Mon
  • 評価: ☆2
  • URL: https://book.senooken.jp/post/2019/11/30/

評価

Amazon.co.jpでの評価が高く,フリーランスとしてやっていくうえで参考になればと思って読んだ。

内容はフリーランスとしてやっていく上での一般的なことが書かれていた。著者がイラストレーターであるので,それにやや寄った内容となっていた。

イラストが随所に散りばめられており,レイアウトも整っていて読みやすくはあったのだが,いかんせん内容が薄くて参考にはならなかった。

書名にある通り,何も知らない人がこれからフリーランスなろうと思ったときに役立つくらいの内容だった。

結論

過去に同じ著者による似たようなテーマの「【マンガ】フリーランスで行こう! 会社に頼らない、新しい「働き方」を読んだ。

こちらの本もあまり参考にならなかったのだが,この著者の本は自分にとってあまり参考にならないのかもしれない。

書籍の内容がこれから始める初心者・何も知らない人向けになっており,読みやすくはあったものの,薄くて浅い情報しか得られなかった。期待はずれだった。

例えば,同じ個人事業開業に関する情報を知りたければ,「新版 トコトンわかる 個人事業の始め方」のほうが細かくてわかりやすい。

正直本書の内容は中途半端で,読みやすいだけであまり有益ではなかった。同じ著者の本はもう読まなくていいかなと思ってしまった。

書評☆4 魔法のように片づく!見つかる!超ファイルの技術 | 「超整理法」の押し出し式ファイリングを改良したWI式ファイリングシステムは書類整理に効果あり!

概要

  • 書名: 魔法のように片づく!見つかる!超ファイルの技術
  • 副題:
  • 著者: 刑部 恒男
  • 出版日: 2005-08-27
  • 読了日: 2019-10-11 Fri
  • 評価: ☆4
  • URL: https://book.senooken.jp/post/2019/11/29/

評価

ファイル・書類の整理術を解説している。この本の特徴としては,既存のファイリング術を試して試行錯誤の上に考案したWI式ファイリングシステムを解説しているところだ。

ファイリング術としては,野口による「「超」整理法 – 情報検索と発想の新システム (中公新書)」で提案されている押し出し式ファイリングが有名だった。

ただし,該当書籍内でも説明がある通り,この方法は数が増えると検索に時間がかかる。そのため,量が増えたらうまく分類して保管場所に格納する必要があった。

そこで,著者が考案したWI式ファイリングシステムでは,封筒にWI (ダブル・インデックス) を記入し,グループ名と中身をそれぞれ記入する。これにより,グループで管理することが可能になる。

WI式ファイリングシステムの実践方法を図解を用いてわかりやすく解説されていた。過去に参考にした他の文献も随所に引用されており,さすが医学博士だと思える素晴らしい書籍に仕上がっていた。

日々の生活な中に取り入れてみたいと感じた。

引用

引用箇所が多いので,ページ数と概要を記載しておく。

  • p. 4-7 まえがき: 野口式+山根式の既存の整理法の概要と欠点を手短に言及されていた。
  • p. 27 理想的な仕事環境のための4つの条件: ファイリングシステムに必要な要件を定義していた。
  • p. 48-51 「魔法の袋」で夢のシステム化: WI式ファイリングシステムの全体フローがまとめられていた。
  • p. 60 2 「山根式袋ファイル」の50音順検索のメリット・デメリットは?: 既存のファイリング術として1986年出版の山根による「スーパー書斎の仕事術」の方法を紹介していた。この方法は「超整理法」以前の方法で知らなかった。
  • p. 108 5 ネーミングのポイントは、最初に思いついた名前: WI式の課題としてインデックスへ記入する名前を感じていた。ここでは最初に思いついた名前がいいと解説していた。
  • p. 124 9 保管スペースをどうするか?: 保管スペースの確保方法を解説しており,その中で垣添が「知の便利フォーム術」で提案している内容も引用していた。
  • p. 140-143 「スタンプ法」にすれば簡単で美しい!: WI式のインデックス部分の枠の用意方法を説明していた。専用のスタンプを作る際の寸法が書かれていた。
  • p. 146-149 4 ファイルの中は、クリアーホルダーで細分化すればいい: 袋ファイルの中にそのまま詰め込むとぐちゃぐちゃになるので,クリアファイルで細分化することを提案していた。
  • p. 152-155 5 封筒が「情報カード」になる: 封筒表面の活用方法を解説していた。その中で中身の移動履歴を記入することを薦めていた。
  • p. 156-159 6 大量に使う人は「印刷法」: 大量に使う人向けに封筒へのラベル類の印刷の寸法が書かれていた。
  • p. 170-173 3 さまざまな情報や資料をファイリングする: ファイルをどういう単位で格納するか解説していた。保存するか迷ったらペンディングファイルを使うというのがポイントだった。
  • p. 200-203 1 「I Canカード」で夢を実現する!: WI式の番外編としてシステム手帳活用術を解説していた。その中で,著者が印象に残った梅棹忠夫の「知的生産の技術」を紹介していた。

結論

医学博士により書かれたファイリング術に関する本だった。医学博士だけあって,既存の文献を引用しており,論理的に文章が組み立ててられてとても良かった。

また,過去の文献の引用からわかる通り,実際にいろんなファイリング術を試した試行錯誤の過程も記されており,今回提案されたWI式ファイリングシステムの経緯なども参考になった。

2017年に「片づく! 見つかる! スピーディー![完全版]超ファイルの技術」という新著でている。本書の出版時は,WI式の専用封筒開発の文具企業への企画は失敗したようだが,コクヨから打診が出てWI式に最適な商品「グルーピングフォルダー」が販売されたようだ。これにあわせて内容を見直したもののようだ。章構成はほぼ同じなので,本書でも十分通用するだろう。

詳細はWI式の公式サイト[魔法の整理術! WI式ファイル法・公式サイト」を見ると良い。

この本の内容がよかったので,著者の別の本も読みたいと思った。

書評☆2 サラリーマンこそプライベートカンパニーをつくりなさい | お金のソムリエ協会の宣伝が多い

概要

  • 書名: サラリーマンこそプライベートカンパニーをつくりなさい
  • 副題:
  • 著者: 坂下 仁
  • 出版日: 2019-03-10
  • 読了日: 2019-10-09 Wed
  • 評価: ☆2
  • URL: https://book.senooken.jp/post/2019/11/28/

評価

プライベートカンパニーによる節税策を活用した金策を紹介している。

ところどころに漫画が差し込まれており,他の本とは毛色が若干違う。

物語仕立てで全部で4章の構成になっている。

  1. お金儲けのコツ
  2. プライベートカンパニーの話
  3. 副業や配偶者を活用したコツ
  4. 海外不動産投資の薦め

ただし,全体的に著者が主催するお金のソムリエ協会の勧誘めいた内容になっているように感じてしまった。

プライベートカンパニーを立てると節税効果が大きいというのはわかったが,ただ欠点があまり書かれておらず,いいことしか書いていないように感じてしまった。また,妻を社長にしなさいという薦めがあるが,そもそも独身なので,この方法は使えない。また,海外不動産投資も話が飛躍しているように感じてしまった。

書名にあるプライベートカンパニーを立てると節税効果が大きいというのはわかったが,何か全体的に内容が表面的で,勧誘がメインのように感じてしまった。

引用

p. 148: 3時間と7万円あればパソコン1つで会社をつくれる?

例えば合同会社をつくる際には登録免許税が6万円かかります。司法書士手数料は4〜13万円なので、トータル10〜20万円になります。

ところが、「会社設立ひとりでできるもん」では、登録免許税6万円の他にはシステム利用料・電子定款作成料だけなので、総額7万円未満でつくれます。作業自体も3時間程度で完了します (https://www.hitodeki.com)。

会社といえば株式会社ですが、こだわりがなければ合同会社にしましょう。株式会社には20〜30万円かかりますが、合同会社は7万円で済むからです。合同会社は株式会社と違って運営の手間暇も少ないし、得られる効果は株式会社と遜色ありません。

そんな合同会社ですが、簡単につくれる代わりに落とし穴もあります。設立時に定款という会社のルールを決めなければなりませんが、出資額や事業目的などは千差万別なので自分で考える必要があります。

合同会社であれば会社設立がインターネット上で簡単にできることを知った。

結論

漫画を随所に差し込みながら物語仕立てで書名にあるプライベートカンパニー設立の薦めが書かれていた。

ただし,著者が主催するお金のソムリエ協会の宣伝が多く感じ,なんだか胡散臭く感じてしまった。前評判に対して,内容がいまいちだった。

書評☆1 普通の女子がフリーランスで年収1000万円稼ぐ本 | 経験だけを書いた自叙伝

概要

  • 書名: 普通の女子がフリーランスで年収1000万円稼ぐ本
  • 副題: 「好き」を「お金」に変える夢のワクワク・ライフ
  • 著者: 鈴木 絢子
  • 出版日: 2017-11-30
  • 読了日: 2019-10-09 Wed
  • 評価: ☆1
  • URL: https://book.senooken.jp/post/2019/11/27/

評価

20代でフリーの美容家,30代でフリーランス1000人超過が所属するエージェンシーを設立した著者によるフリーランスのコツが書かれている。

内容が自身の経験が元になっており,どちらかというと自叙伝に近い内容になっているように感じた。

ただし,具体的なことがほとんど書かれておらず,本書を読んで何か有益な情報を得られなかった。

読まなくてもよかったと感じる本だった。

結論

普通の女子でも1000万円稼げる内容かなと思い,期待していた。しかし,具体的なことがほとんどなく,この本を読んでも実際の行動につなげるのが難しく感じた。

180ページと薄い本なので,さらっと読み終わってしまった。読んでも読まくても何も影響がないように感じるいまいち本だった。

書評☆2 億を稼ぐ勉強法 | 「億を稼ぐ勉強法」とは「顧客の価値を高める」ための勉強

概要

  • 書名: 億を稼ぐ勉強法
  • 副題:
  • 著者: 小林 正弥
  • 出版日: 2019-07-21
  • 読了日: 2019-10-08 Tue
  • 評価: ☆2
  • URL: https://book.senooken.jp/post/2019/11/26/

評価

自分を最高値で売る方法」に続いて,同じ著者の本に興味を持って読んだ。

書名どおり,内容はお金を稼ぐための勉強法だ。ただし,内容は意識の持ち方に関することで,あまり具体的なことは書かれておらず,いわゆる意識高い系の内容となっていた。

冒頭に億を稼ぐ勉強法とは顧客の価値を高める勉強という内容が書かれてあり,ここは納得できた。しかし,その後具体的にどうすればいいかという点については,あまり参考にならなかった。

後半に億を稼ぐ4の勉強戦略とあり,その最初に顧客を定義する必要がある。ここでは,自分又は過去の自分,課題を解決し成功させたい人の2個を挙げていたが,具体的に思いつかなかった。

テーマは悪くなかったのだが,中身がけっこう抽象的であまり参考にできなかった。

引用

p. 050:

億を稼ぐ勉強は、一貫して、「顧客を成功に導くための勉強」なのです。顧客の成功=あなたの成功、ですから、結果的にあなた自身の成功も実現します。繰り返しになりますが、「人は自分のことを考えると悩み、顧客のことを考えると知恵が出る」のです。

結論

お金を稼ぐための勉強ということで興味を持ったのだが,具体的な中身がなく,若干期待はずれだった。

方向性やテーマは悪くなかったので,もう少し具体的な中身がほしかった。

一番最初の顧客の定義が一番難しい。

書評☆2 お金2.0 | 発展する経済システムの5の要素とは?

概要

  • 書名: お金2.0
  • 副題: 新しい経済のルールと生き方
  • 著者: 佐藤 航陽
  • 出版日: 2017-11-30
  • 読了日: 2019-10-07 Mon
  • 評価: ☆2
  • パーマリンク: https://book.senooken.jp/post/2019/11/25/

評価

株式会社メタップス代表取締役社長の佐藤 航陽により書かれたお金に関する本となっている。

書籍の内容は,冒頭に記載ある通り,お金を取り巻く世界の著者の捉え方・考え方・見聞をまとめたものとなっている。

2018年半ば頃に電車内広告で大きく取り上げられており,気になっていた。図書館でも人気の本で,借りるまで半年くらいかかってしまった。前評判・話題性が高かっただけに,中身に期待していた。

しかし,期待や話題だけが先走っていて,肝心の中身は普通だった。既に書いた通り,あくまで著者のお金に対する見聞をまとめたものだ。書名がお金2.0とややだいそれたものになっているが,何か目新しいことが書かれているわけではなく,既に世の中で普及しつつあるような経済システムについて著者の考えが書かれているだけだ。

p. 28あたりに記載があるが,書名の「お金2.0」はFintech1.0とFintech2.0から来ている。1.0は従来の金融の概念に基づいたもの,既存の技術を活用したり効率化したものだ。具体的には,ロボアドバイサー,スマホ決済,クラウドファンディングなど。一方,2.0は1.0とは全く異なり,既存の仕組みを無視して新しく構築されたものだ。仮想通貨,シェアリングエコノミー,評価経済などが該当する。

読み物として普通だった。ただ,前評判が高かっただけに残念だった。

引用

p. 50 発展する「経済システム」の5つの要素

「経済システム」は、大前提として自己発展的に拡大してくいような仕組みである必要があります。

誰か特定の人が必死に動き回っていないと崩壊するような仕組みでは長くは続きません。


この持続的かつ自動的に発展していくような「経済システム」にはどんな要素があるかを調べていった結果、5つほど共通点があることに気がつきました。

①インセンティブ、②リアルタイム、③不確実性、④ヒエラルキー、⑤コミュニケーション、の5つです。


現代は生物的な欲望よりも社会的な欲望が目立ってきていて、中でも頭文字を取って3M (設けたい・モテたい・認められたい) の3つが欲望としては特に強く、これらを満たすようなシステムは急速に発展しやすいです。

発展する経済システムの特徴がまとめられていた。たしかに,発展しているサービスはこれらの要素を満たしているように感じた。

結論

電車内広告で長く大きく取り上げられており,Amazon.co.jpや図書館の予約数などから人気・話題の本であり,期待していた。

しかし,中身は著者のお金に関する見聞をまとめたものであり,これを知ったところでどうなるの?というところが多かった。発展する「経済システム」の5の要素など,悪くないところはあったものの,前評判が高かっただけに,期待はずれとなってしまった。

250ページ程度と文量も多くはないので,教養としてさらっと読むのがよいだろう。

告知: 書評のbook.senooken.jpへの分離

本サイトのメイン記事の一つである読了本の書評を,今後は新規作成したサイトである「巨本の山の上に立つ – 日々の読了本の書評 (https://book.senooken.jp)」で投稿することにした。

今まで,書評は [https://book.senooken.jp/post/category/report/book/] のカテゴリーで投稿しており,サイト開設当時から200以上の記事を既に投稿していた。

2019-11-25 Monからの書評がひとまず対象となり,本サイトのsenooken.jpで投稿した書評もいずれはこちらのサイトに移設したいと考えている。

書評の分離の理由としては以下の3点がある。

書評の別サイトへの分離理由
  1. 書評の投稿数が多くなり,今後も増加予定。
  2. 1投稿1日付のパーマリンクの都合,書評が多すぎるため他の投稿の調整が必要。
  3. 書評に書評以外の投稿が埋没。

書評の投稿が過剰になり,他の投稿やサイト全体のバランスを損なうと判断した。

新サイトの「巨本の山の上に立つ – 日々の読了本の書評」は最初の投稿の前日である2019-11-24 Sunに思い立って作成した。WordPressのマルチサイト機能で作成した。アクセスしやすいようにヘッダーにもこちらの書評サイトへのリンク (Book) を掲載した。

作成したばかりでサイトレイアウトの調整などはまだまだこれからだ。投稿内容自体は今までと同じ形式で投稿していく。

今後はsenooken.jpでは書評以外にも技術的な内容,備忘録や日々感じたこと,速報性の高いことを投稿していきたい。

書評☆4 ザ・ゴール 2 | トヨタ式「5回のなぜ」よりも強力な「現状問題構造ツリー」

概要

  • 書名: ザ・ゴール 2
  • 副題: 思考プロセス
  • 著者: エリヤフ・ゴールドラット
  • 出版日: 2002-02-21
  • 読了日: 2019-10-04 Fri
  • 評価: ☆4
  • パーマリンク: https://book.senooken.jp/post/2019/11/22/

評価

前作の「ザ・ゴール」が面白かったので,そのままの流れで続編の本著を読んだ。

本作は前作の10年後を舞台にしている。主人公のアレックス・ロゴは工場長から多角化事業グループ担当の副社長にに昇進しており,本作はこの多角化事業グループ所属の子会社売却3か月前という状況から話が始まる。
以前の部下だったボブとステーシー,新しく登場したピートが運営する3社の利益を劇的に改善し,売却の防止,または売却後もうまく主導権をもって運営できるようにすることを目標に,話が始まる。

前作で工場長から昇進して,他の工場のマネジメントなどに取り組むという途中で話が終わっていた。個人的には,この後をどううまくやるのかが気になっていたのだが,そこはすっとばされてしまっていて,残念だった。

本作では前作でTOCの手ほどきをしていたジョナは一切登場せず,彼の理論を学んだアレックスがあれこれ思考を張り巡らせて,問題の根本原因と解決策の特定・実行を繰り返すことがメインの話となっている。

書籍冒頭で,娘のシャロンとの深夜までのパーティー参加可否の交渉の時点で,既に面白かった。具体的な思考ツールである対立解消図の事例で,うまくお互いの問題を描画し,お互いがうまくやれるための方法を探していた。

その他,本書中盤で何回か登場する「現状問題構造ツリー」により,売却対象3社の問題分析,その他アレックスが所属するユニコ社全体の問題を洗い出して全ての根本原因を特定する仮定が描かれていた。

具体的にはUDE (UnDesirable Effect: 望ましくない結果) を列挙し,それらを論理的に結びつけながら全体の根本原因を特定していた。

頭をかなり使う作業で,実際にはこんなにうまくいくことばかりではないとは思いながら,問題解決の手法として悪くないと思った。

この方法はトヨタ生産方式で使われる「なぜを5回繰り返す」に似ているが,本書の方法のほうが効果的に感じた。元々,5回のなぜにはその効果に疑問を持っていた。本書の解説で書かれている通り,5回のなぜでは直線的な因果関係しか解明できない。2以上の複数の要因が複雑に絡み合った問題の場合,その性質上特定することができない。それどころか,数ある要因のたった一つにしかたどり着けない。

その点,本書の方法では考えられるUDE全てを上から下に平面的に下っていくため,全体の根本原因が明らかになる。その点,「5回のなぜ」に比べて強力な方法だと感じた。

引用

p. 14-21: 娘の深夜パーティーと対立解消図

本書の冒頭で,本書で繰り返し登場する対立解消図を使った問題解決が展開されていた。ここで書かれているような,娘が深夜までパーティーに参加したいが,親は認めたくないという構図は日常でもよくあるだろう。こうした問題に対して,お互いの要求とその理由を書き出し,それを見比べながら,お互いの問題を解消するための方法を議論してお互いの誤解・誤認を解消して問題の解決に取り組んでいた。

今回のように,お互いの問題点を描き出してそれを元に議論するというのはいい方法だと感じた。

p. 144-147: UDEと現状問題構造ツリー

ここではピートが運営する会社がうまく成功したので,残りの2社も同じ思考プロセスで成功するということをアレックスがその他の副社長に説明するために,「現状問題構造ツリー」による問題解決の思考プロセスをデモンストレーションしている。15個もの好ましくない結果を列挙し,それらを新しい主張を導き出しながら論理的につなげて,最終的な根本原因を特定していた。

本書中でも完成まで数時間以上はかかっており,かなり頭を使う作業になる。しかし,抱えている問題の根本原因や現状の問題の因果関係を整理する上で強力な手法のように感じた。

p. 178-181: マーケットのセグメント化

費用を書けずに短期的に売上を上げる方法論として,市場のセグメント化の話が展開されていた。同じ製品であっても,マーケットによって違う価値観が存在しており,それを踏まえると製品本体だけでなく周辺サービスも含めると価格をいろいろ変えることが可能になる。

しかし,この視点を逃すと,「新しい販売チャネル・製品は、既存の販売チャネル・製品の売上げ減につながる。」が発生する。ここから,「マーケティングとは、新しい策を打ち出すことではなく、マーケット・セグメンテーションのメリットを活かすことにある」という考えが導き出されていた。

同じ製品に対して,違う価値観があるというのが面白かった。

p. 260-263: 顧客への提案

ここまであれこれ問題を考えてₖ長柄出したソリューションを顧客に提案するところで,うまくいかない問題に遭遇した。この解決方法を秘書のドンが説明していた。これも対立解消図を使って説明していた。営業側が製品の利点をそのまま述べても,受けては疑いかかって聞くだけであまり効果はない。ポイントは,製品の説明から始めるのではなく,買い手側が抱える問題を指摘し,それを客の立場になって説明して客の信用を取り付けることだ。

営業の心得的な内容だった。

p. 367: 解説

本書で展開された問題解決の手法を一つ一つ取り出して,それぞれのポイントを解説していた。本書は小説仕立てで話が進んでおり,個別の手法についてはそこまできちんと説明があるわけではない。あとで振り返る際に,この解説がとても役に立つ。

また,ここでトヨタの「5回のなぜ」と本書の「現状問題構造ツリー」の比較もあり,興味深かった。

結論

前作の続きが気になって読んだ。10年後ということで,直後のマネジメントの話が読めなくて残念だった。

ただし,今回は副題の「思考プロセス」にある通り,頭を使った具体的な方法論が展開されている。

「対立解消図」のように,日常生活ですぐに取り入れられそうなものから,「現状問題構造ツリー」のように,時間はかかるがクリティカルな問題の特定に結びつくまで解説されていた。

主人公のように,組織のマネジメント担当者にとっては重要な手法であり,一般人でも使える部分はあると思った。

方法論として知っておいて損はない知識の得られる本だった。

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書評☆2 自分を最高値で売る方法 | 教育型ビジネス自体は悪くないが,肝心の他人に提供可能な技能の獲得方法・教材化の解説が一切ない!

概要

  • 書名: 自分を最高値で売る方法
  • 副題:
  • 著者: 小林 正弥
  • 出版日: 2018-08-11
  • 読了日: 2019-09-26 Thu
  • 評価: ☆2
  • パーマリンク: https://book.senooken.jp/post/2019/11/21/

評価

書名どおり,自分を最高値で売る方法を解説している。

書籍の内容の内,2/3程度が自分の方法がいかに優れているかを説くためのものであり,残りの1/3が肝心の手法の説明となっている。

自分を最高値で売る方法として,教育型ビジネスを提唱している。RIZAPのような,ある特定の自分が持っている知識を教育し,顧客自身の価値を高めるというものだ。

自分や自分の時間ではなく,うまく仕組みを作ってそれで高値を付けるというやりかた・考え方自体は,名著「はじめの一歩を踏み出そう」にもあるとおりで,異論はない。

しかし,この方法を実践する上で最大の問題であるサービス,つまり他人に提供可能な技能の獲得方法及びパッケージ化については一切説明がなかった

RIZAPのように,誰だって特定技能を確実に習得できるなら,お金を払うだろう。それに,そんな他人に教育可能な技能を持っているなら,いちいち誰かにいわれなくもそれを使った仕事などいくらでもできる。実際,インストラクターやトレーナー,教員のように,専門スキルを教育する仕事なんてたくさんあるし,教材ビジネスもたくさんある。

なぜ多くの人がしないかというと,そのような他人に提供可能な技能の獲得自体が困難だからだ。そして,その獲得した技能をいかに教材・サービスに落とし込むか,ここが最大の焦点となる。後のマーケティングはおまけみたいなもんだ。

冒頭からの2/3で散々本書には具体的な実践方法があるとうたっていたくせに,いざ記述箇所を眺めても,肝心のことが一切書いていない。誰もがお金を払っても欲しいと思うような技能・価値があるならば,後は活用方法だけでなんとでもなる。

一番お金になる部分はこのような安い本では提供できないということか。正直を読者を舐めているとすら感じた。

結論

書いてある事自体はそんなに間違っていないのだが,肝心の部分の説明がなくて,期待はずれだった。

よくある書名だけの意識高い系のビジネス本で終わってしまった。あまり読んでも参考になることはないと思う。

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書評☆3 トヨタで学んだ「紙1枚! 」にまとめる技術[超実践編] | 業務計画から叱られ対策まで!紙一枚の実践解説

概要

  • 書名: トヨタで学んだ「紙1枚! 」にまとめる技術[超実践編]
  • 副題:
  • 著者: 浅田すぐる
  • 出版日: 2016-01-05
  • 読了日: 2019-09-25 Wed
  • 評価: ☆3
  • パーマリンク: https://book.senooken.jp/post/2019/11/20/

評価

トヨタで学んだ「紙1枚! 」にまとめる技術」の続編で,前著で書かれた内容の実践方法について具体的に書かれた本となっている。

前著が基本的なところをメインに書いてあったが,本書でも基本は解説しながら,具体的な活用場面・実践事例を中心に展開されていた。

前著自体,そこまで自分にはピンとくるようなものでなかったので,その実践例の本書も残念ながら自分にはあまり響かなかった。

いろいろ実践例があるが,読みながらいちいち面倒くさいなと感じてしまった。

結論

書かれている内容自体は悪くなかったので,必要な人が読めば役に立つかもしれない。

ただ,自分にはこういう内容を読んでも,活用する場面やその効果を実感できる場面がないので,単にいろいろ面倒くさいなと感じてしまい,軽く読み流してしまった。

テクニック面はたまには役に立つのだけれど,テクニックではなく,もう少し実務的で効果的なところをやったほうがいいように感じた。

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