書評☆3 労働者派遣の実務事典[第2版] | 実務者向けのテーマごとの解説

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概要

労働者派遣業務の実務者向けに,ポイントを解説している。

冒頭で平成27年の法改正の内容を取り上げ,その後は基礎知識などをポイントごとにまとめている感じだった。書名に事典とあるように,事典のようにテーマとその解説が掲載されていた。

網羅的な感じや体系だった説明はないのだが,実務でよくありそうなテーマを扱っており,悪くはなさそうだと感じた。

参考

p. 15: 3特定労働者派遣事業の廃止

以下2点の背景から特定労働者派遣事業が平成27年度から廃止された。

  • 特定労働者派遣事業では,契約に関係なく派遣元に雇用されているので,雇用が不安定になることはないと考えられていた。しかし,実際には「期間の定めのない契約」,「1年以上雇用されている者」,「1年以上雇用見込みのある者」が存在していた。
  • 副業的な形を想定していたが,参入要件が低いため,経営基盤が貧弱な業者が多かった。

p. 42: 4 請負と労働者供給事業の違いは

一般に請負というのは建設関係に特有のものだと思われる場合が多いのですが、労働行政関連では業務委託や外注 (アウトソーシング) など、民法では委任や準委任とされるものも含めて「請負」と呼んでいます。

労働形態で,派遣,請負,準委任などがあることは知っていたが,準委任は請負とみなしてもいいということがわかり,理解しやすくなった。

結論

人材派遣業務の実務者向けのテーマごとの内容を解説した事典だった。

ある程度体系がわかっている人向けの内容なので,目次を見て気になるところがあるなら,そこを読むという形になるだろう。

内容は悪くなかったのだが,個人情報の扱いだとか,細かい内容がけっこう多くて若干物足りなかった。

パーマリンク: https://book.senooken.jp/post/2019/10/03/

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